語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【原発】「被ばく労働を考えるネットワーク」結成

2012年11月22日 | 震災・原発事故
 (1)原発労働者の労働条件、労働環境の実態が明らかにされないまま、被曝による健康破壊、暴力団の介在、不当な賃金ピンハネ等が野放しになっていた。
 その原発労働者へ支援を続けてきた諸団体が結集し、11月9日、東京都で「被ばく労働を考えるネットワーク」の結成集会を開催した。

 (2)長年、原発労働者が劣悪な環境で無権利状態にある問題は知られていたが、東京電力福島第一原発事故後も本格的な解明や改善に向けた行政の取り組みは進んでいない。
 このため、以前からこうした問題に取り組んできた労働組合や関係市民団体などが一堂に集い、
  (a)被曝問題に関する情報の共有
  (b)原発を始め、被曝を余儀なくさえる現場の労働者に対する支援
  (c)政府、自治体、事業者に対する要請行動
といった目標を掲げて、全国組織として再結集したもの。

 (3)基調報告1・・・・原発は、労働者の命を切り捨てないと稼働しないシステムだ。どれほど多くの仲間が闇に祀られてきたか、分からない。【斉藤征二・「全日本運輸一般労働組合原子力発電所分会長長】
 放射能の危険性を知らされずに働き、被曝している最下層の労働者をどう助けるかが喫緊の課題だ。【同】

 (3)基調報告2・・・・政府から、除染特別地域の作業員に1日1万円の「特殊勤務手当」が支給されているが、三次下請けで雇用されている労働者には100円から2,000円程度しか渡されていない。除染作業でも悪質な賃金ピンハネが横行している。【桂武「いわき自由労組」書記長】

 (4)「被ばく労働を考えるネットワーク」は、11月25日、原発作業員が集中しているいわき市で、労働者相談会を開催する(予定)。
 「ネットワーク」は、当面、現場の実態把握に力をいれる。

 以上、成澤宗男(編集部)「最下層労働者支援を ~「被ばく労働を考えるネットワーク」結成~」(「週刊金曜日」2012年11月16日号)に拠る。

 【参考】
【原発】福島原発事故による被害の概要
【原発】作業員の不足と待遇格差 ~政府の無為無策~
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