(1)アズマ家
(a)家族・・・・4人。カナコ(33)、サラリーマンの夫(38)、長女(6)、長男(3)。
(b)住所・・・・東京都あきる野市(都心から電車で1時間半)。
(c)家屋・・・・敷地面積60坪、築60年、木造2階建ての日本家屋。6~8畳の和室3部屋、台所、トイレ、洗面所、浴室、玄関。
(d)水道光熱費・・・・月5,000円くらい。うち、電気代は500円超(10アンペアの基本料金273円+最低料金224円45銭:使用電力8kW/時まで)。猛暑続きの8月も536円だった。
(2)カナコの1日 ~7月上旬~
6時起床(真夏は4時か5時に起床)。
朝食のために使う電気量は、ごくわずか。自然光が差しこむ時間にしか調理をしないからだ。
1階東側の台所の電灯は、夜明けが遅い真冬以外、点灯することは滅多にない。
朝食のための仕込みは前夜に終えてある。洗っておいた米を鍋で炊く(ガス使用)。前日の夕食で多めに作っておいた味噌汁、煮物を温める。切るだけ、茹でるだけとかは、朝はあまり時間をかけない。
7時、一家で朝食。縁側で卓袱台を家族が囲む。この日は、具だくさんの味噌汁(大根・人参・キャベツ・茄子・もやし・油揚げなどが入る)、刻んだ青じそを上からかけた五分づき米のじゃこと梅干しの混ぜご飯、かぼちゃの煮物、ひじきの煮物、茹でたインゲン、胡瓜の糠漬け、トマト。・・・・色鮮やかだ。
朝食後、夫は出勤。夫を送り出してから長男を幼稚園に送るまでの1時間は、カナコにとって1日で一番慌ただしい時間だ。
食器を洗い、手洗いの洗濯に15~0分間。
固形石けんを溶かしたたらいに風呂の残り湯を入れ、汚れ具合に応じて、襟汚れには洗濯板を使う。生地同士がすれ合う洗濯機よりも傷まず、汚れも落ちる。洗濯は2日に1回のペース。下着は夜の入浴時に洗うことが多い。バスタオルより洗いやすいスポーツタオルを使う。
その後、食器洗いと洗濯で出た水を庭にまく。
そして、長男を電動自転車で幼稚園に送り届ける。
その帰途、牛乳、豆腐、野菜など生鮮食品を地元の商店で買い足す。食料品は、必要量だけ買い、常温で保存できないものは数日以内に食べきる。残ったものを保存したい場合、干したり漬物にしたり、保存食に加工する。味噌、酒粕、塩麹などに漬ければ、常温保存も可能だ。
帰宅すると、固定電話のコンセントをつなぎ、ほうきで掃除。
日中はラジオを聞きながら、書きもの、読書をして過ごす。
夕方、子どもが帰宅したら、日が落ちる19時ごろまでに自然光の下で子どもの夕食と入浴をすませる。
そのまま電気をつけずに部屋を暗くし、子どもを寝かしつける。
ついで、夫の帰宅に向けた仕度をする。このとき台所を照らすのは、持ち運びできる太陽光充電式ランタン。
夫の帰宅後は、居間にあるLED電球を1つ灯し、夫婦水入らずで夕食を楽しむ。
食後、夫が見たい番組があるときだけ、テレビを取り出す(ふだんは段ボール箱にしまってある)。
1時間程度、パソコンでメールをチェック。
夜、風呂場やトイレに行く際には、前記ランタンを使う(電灯は主に居間)。
23時ごろ、夫妻も床に就き、1日が終わる。
(3)不要な家電
洗濯機、掃除機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジはない。
必要に応じて、ミキサー、精米器、パソコンは使う。
太陽光電など、ほかの電力は使ってない。家庭内にある電化製品の使い方をまんべんなく見直し、昔ながらの知恵や工夫を実践している。
(5)電気を使わない暮らしに至るまで
カナコは、都内の工場地帯、大田区の出身。実家のすぐそばに大正生まれの祖母が暮らしていた。彼女は、「もったいない」が口癖で、辺りが暗くなっても「まだ明るい」と電灯をつけない人だった。
当時は「ヘンなおばあさん」と思っていたが、大学で山岳部に属し、電気や水のない暮らしを山で仲間と送るうちに、祖母の暮らし方を試したい重いが募った。
就職後、単身生活を始めたのを機に、電気を10アンペア契約にし、テレビ、エアコン、電子レンジ、掃除機のない生活を始めた。それでも、このころの電気代は、6月は879円、冬場の2月には1,700円くらい使った。
職場結婚した夫との生活が始まると、夫が持参したテレビ、掃除機を使うようになり、電気契約も20アンペアに上げたため、電気代は最多月で3,000円ほど払っていた。
2008年、あきる野市に移り、半年後に中古の一軒家を見付けて転居。(2)のような暮らしが始まった。
200万円ほどかけて修繕したが、床下や壁の補修のみで、断熱など特殊加工はしていない。が、昔ながらの家は風通しがよく、採光設計で、掘りごたつもあった。
部屋の多くが畳敷きになったことで、掃除機、電気ごたつを手放した。テレビは、地上デジタル放送への切り替え時期が迫った2010年、地デジ対応テレビを買う代わりに、使うときだけ箱から出す方式に切り替えた。
2011年、電気代を大きく減らした。2月、長男の布おむつが外れたことから、洗濯機をリサイクルショップに。3・11後、冷蔵庫を被災地に送った。非常時にはつながらない、と実感した携帯電話は解約した。
さらに電化製品を一つずつ見直していった。固定電話のコンセントは9~21時以外は抜いた。和室3部屋、トイレ、洗面所の電球はすべて外し、計画停電時に購入した太陽光重電式ランタン2個を使う。職場で緊急を要する業務を担当していない夫も、帰宅後は携帯電話の電源を切る。
今では、点灯するのは、夏場は夫の帰宅から就寝までの数時間。2011年には最多月(7月)には2,000円超だった電気代が、2012年は最多月(1月)でジャスト600円、年平均500円台だ。
(4)Simple life is my way.
日曜日、夫はアイロンを手に、自分好みのパリッとしたシャツを仕上げる。カナコは、好きな玄米の精米や、コンブ・シイタケの粉末ダシ作りに電動ミキサーや精米機を使う。週末には、仲間とバーベキューを楽しむ。
アズマ家の実践は、単なる節約生活ではない。自分たちにとって本当に大切なものを見極め、家族や友人と向き合える静かでくつろいだ時間を作ろうとする。そのため、道具を選別する。これがアズマ家が実践しているものだ。
祖母や60代以上の世代は、家庭に固定電話がなく、電灯が一つだけだった時代を経験している。そんな暮らしを少しずつ試してみたい、とカナコはいう。
体調も変わってきた、とも言う。冷蔵庫がなくなって3年目の今年の夏は、体を冷やす食物をとらなくなったことで、逆に夏バテしにくくなったのだ。
□塩月由香(本誌編集部)「月の電気代は500円だけ 家電に頼らず昔ながらの暮らしは「贅沢で幸せ」」(「AERA」2013年9月9日号)
↓クリック、プリーズ。↓

(a)家族・・・・4人。カナコ(33)、サラリーマンの夫(38)、長女(6)、長男(3)。
(b)住所・・・・東京都あきる野市(都心から電車で1時間半)。
(c)家屋・・・・敷地面積60坪、築60年、木造2階建ての日本家屋。6~8畳の和室3部屋、台所、トイレ、洗面所、浴室、玄関。
(d)水道光熱費・・・・月5,000円くらい。うち、電気代は500円超(10アンペアの基本料金273円+最低料金224円45銭:使用電力8kW/時まで)。猛暑続きの8月も536円だった。
(2)カナコの1日 ~7月上旬~
6時起床(真夏は4時か5時に起床)。
朝食のために使う電気量は、ごくわずか。自然光が差しこむ時間にしか調理をしないからだ。
1階東側の台所の電灯は、夜明けが遅い真冬以外、点灯することは滅多にない。
朝食のための仕込みは前夜に終えてある。洗っておいた米を鍋で炊く(ガス使用)。前日の夕食で多めに作っておいた味噌汁、煮物を温める。切るだけ、茹でるだけとかは、朝はあまり時間をかけない。
7時、一家で朝食。縁側で卓袱台を家族が囲む。この日は、具だくさんの味噌汁(大根・人参・キャベツ・茄子・もやし・油揚げなどが入る)、刻んだ青じそを上からかけた五分づき米のじゃこと梅干しの混ぜご飯、かぼちゃの煮物、ひじきの煮物、茹でたインゲン、胡瓜の糠漬け、トマト。・・・・色鮮やかだ。
朝食後、夫は出勤。夫を送り出してから長男を幼稚園に送るまでの1時間は、カナコにとって1日で一番慌ただしい時間だ。
食器を洗い、手洗いの洗濯に15~0分間。
固形石けんを溶かしたたらいに風呂の残り湯を入れ、汚れ具合に応じて、襟汚れには洗濯板を使う。生地同士がすれ合う洗濯機よりも傷まず、汚れも落ちる。洗濯は2日に1回のペース。下着は夜の入浴時に洗うことが多い。バスタオルより洗いやすいスポーツタオルを使う。
その後、食器洗いと洗濯で出た水を庭にまく。
そして、長男を電動自転車で幼稚園に送り届ける。
その帰途、牛乳、豆腐、野菜など生鮮食品を地元の商店で買い足す。食料品は、必要量だけ買い、常温で保存できないものは数日以内に食べきる。残ったものを保存したい場合、干したり漬物にしたり、保存食に加工する。味噌、酒粕、塩麹などに漬ければ、常温保存も可能だ。
帰宅すると、固定電話のコンセントをつなぎ、ほうきで掃除。
日中はラジオを聞きながら、書きもの、読書をして過ごす。
夕方、子どもが帰宅したら、日が落ちる19時ごろまでに自然光の下で子どもの夕食と入浴をすませる。
そのまま電気をつけずに部屋を暗くし、子どもを寝かしつける。
ついで、夫の帰宅に向けた仕度をする。このとき台所を照らすのは、持ち運びできる太陽光充電式ランタン。
夫の帰宅後は、居間にあるLED電球を1つ灯し、夫婦水入らずで夕食を楽しむ。
食後、夫が見たい番組があるときだけ、テレビを取り出す(ふだんは段ボール箱にしまってある)。
1時間程度、パソコンでメールをチェック。
夜、風呂場やトイレに行く際には、前記ランタンを使う(電灯は主に居間)。
23時ごろ、夫妻も床に就き、1日が終わる。
(3)不要な家電
洗濯機、掃除機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジはない。
必要に応じて、ミキサー、精米器、パソコンは使う。
太陽光電など、ほかの電力は使ってない。家庭内にある電化製品の使い方をまんべんなく見直し、昔ながらの知恵や工夫を実践している。
(5)電気を使わない暮らしに至るまで
カナコは、都内の工場地帯、大田区の出身。実家のすぐそばに大正生まれの祖母が暮らしていた。彼女は、「もったいない」が口癖で、辺りが暗くなっても「まだ明るい」と電灯をつけない人だった。
当時は「ヘンなおばあさん」と思っていたが、大学で山岳部に属し、電気や水のない暮らしを山で仲間と送るうちに、祖母の暮らし方を試したい重いが募った。
就職後、単身生活を始めたのを機に、電気を10アンペア契約にし、テレビ、エアコン、電子レンジ、掃除機のない生活を始めた。それでも、このころの電気代は、6月は879円、冬場の2月には1,700円くらい使った。
職場結婚した夫との生活が始まると、夫が持参したテレビ、掃除機を使うようになり、電気契約も20アンペアに上げたため、電気代は最多月で3,000円ほど払っていた。
2008年、あきる野市に移り、半年後に中古の一軒家を見付けて転居。(2)のような暮らしが始まった。
200万円ほどかけて修繕したが、床下や壁の補修のみで、断熱など特殊加工はしていない。が、昔ながらの家は風通しがよく、採光設計で、掘りごたつもあった。
部屋の多くが畳敷きになったことで、掃除機、電気ごたつを手放した。テレビは、地上デジタル放送への切り替え時期が迫った2010年、地デジ対応テレビを買う代わりに、使うときだけ箱から出す方式に切り替えた。
2011年、電気代を大きく減らした。2月、長男の布おむつが外れたことから、洗濯機をリサイクルショップに。3・11後、冷蔵庫を被災地に送った。非常時にはつながらない、と実感した携帯電話は解約した。
さらに電化製品を一つずつ見直していった。固定電話のコンセントは9~21時以外は抜いた。和室3部屋、トイレ、洗面所の電球はすべて外し、計画停電時に購入した太陽光重電式ランタン2個を使う。職場で緊急を要する業務を担当していない夫も、帰宅後は携帯電話の電源を切る。
今では、点灯するのは、夏場は夫の帰宅から就寝までの数時間。2011年には最多月(7月)には2,000円超だった電気代が、2012年は最多月(1月)でジャスト600円、年平均500円台だ。
(4)Simple life is my way.
日曜日、夫はアイロンを手に、自分好みのパリッとしたシャツを仕上げる。カナコは、好きな玄米の精米や、コンブ・シイタケの粉末ダシ作りに電動ミキサーや精米機を使う。週末には、仲間とバーベキューを楽しむ。
アズマ家の実践は、単なる節約生活ではない。自分たちにとって本当に大切なものを見極め、家族や友人と向き合える静かでくつろいだ時間を作ろうとする。そのため、道具を選別する。これがアズマ家が実践しているものだ。
祖母や60代以上の世代は、家庭に固定電話がなく、電灯が一つだけだった時代を経験している。そんな暮らしを少しずつ試してみたい、とカナコはいう。
体調も変わってきた、とも言う。冷蔵庫がなくなって3年目の今年の夏は、体を冷やす食物をとらなくなったことで、逆に夏バテしにくくなったのだ。
□塩月由香(本誌編集部)「月の電気代は500円だけ 家電に頼らず昔ながらの暮らしは「贅沢で幸せ」」(「AERA」2013年9月9日号)
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(1)世は空前の缶詰ブームだ(そうだ)。
地味なイメージだった缶詰が、ここ数年、見直されている。グルメもうなる【注】「おつまみ缶」や「総菜缶」なども開発された。缶詰を使ったレシピ本も続々刊行されている。
(2)「mr.kanso」神田店には、高さ2mほどの棚に、150種類もの缶詰がぎっしり。おなじみの「サンマのかば焼き」「サバのみそ煮」はもとより、おしゃれなデザインの缶、ハングルなどが書かれた海外製もあり、200~2,000円の値段が貼ってある。好きな缶詰を選ぶと、店が温めたり焼いたり、ひと手間加えて出す。
「mr.kanso」の店名は、「缶詰倉庫」と、システムが「簡素」に由来する。2002年に大阪・なんばに第一号店がオープンして以来、珍しさや気軽さが受けて、いま8都道府県に18店舗を展開している。
缶詰がおいしく、長期保存が可能なことに目を付けた。客は年々増え、今後は2年後に50店舗、5年後には100店舗をめざしている。【運営会社のクリーン・ブラザーズ(大阪市)】
(3)「国分」(食品・酒類卸売大手)が一昨年から酒の肴として販売している「K&K缶つま」シリーズは、少し高めだが、大ヒットしている、という。「広島かき燻製油漬け」が500円(税抜き、以下同じ)、「ムール貝のワイン煮」が400円、「霧島黒豚角煮」が800円など。
1年目は14アイテムで売上げ100万缶、2億円弱。2年目(昨年)は24アイテムで売上げ180万缶、3億5千万円、とほぼ倍増。今年は「小鰯のオリーブオイル漬け」「マテ貝の塩漬け」など新たな15アイテムを加え、300万缶、5億円以上の売上げを見込んでいる。【「国分」】
缶詰のつまみというと「おじさん、しょぼい、カップ酒」のイメージだったが、その逆を衝くおしゃれでプレミアム感のある商品をめざした。【森公一・「国分」商品開発担当】
イメージアップは成功した。酒の売場にも置かれるようになった。ABCクッキングスタジオと連携し、女子向けのレシピを開発。女子会イベントを頻繁に開催している。
(4)「マルハニチロ食品」(水産缶詰大手)も今年、缶詰の新たな活用方法として、いつもの料理に缶詰を汁ごと足す「缶たし」を提唱。コクと味わいが増すといい、社員有志で「缶たし部」を発足させ、レシピを開発。同社のサイトで紹介するほか、11月にはレシピ本を刊行した。
これまで100~150円の商品が売れ筋だったが、最近は200円前後のこだわり商品や季節限定の缶詰のニーズが高まっている。今春、「たけのこおかか煮」「さといもそぼろ飴」(いずれも180円)などの総菜缶も発売した。
(5)缶詰の汁にはうまみはもちろん、栄養分も詰まっている。<例>サバ缶・・・・家でサバを料理した場合よりカルシウムが30倍多くとれる。【黒川勇人・「缶詰博士」】
(6)缶詰は、下ごしらえが済んでいるため、本格的な料理が簡単に作れる。多忙な人にはぴったりの食材だ。
缶詰で薬膳ができ、美しく健康になれる。私の体は、9割5分、缶詰料理でできている。【池田陽子・薬膳アテンダント/『缶詰deゆる薬膳』の著者】
薬膳の理論(中国の伝統医学に基づく)によれば、すべての食材は体のいずれかに必ず作用する。<例>青魚(サバ、イワシ、サンマなど)は、「活血」食材(老廃物を洗い流す)で、美肌に効果がある。ホタテ貝は、アンチエイジング食材で、肌に潤いを与え、中医学の五臓のうち老化とかかわりの深い「腎」にも効く。カニは、血行を促進し、肩こりに効く。
しかし、青魚を多忙な生活に採り入れるのは非常にハードルが高い。残業を終えて帰るころにはスーパーも閉まり、青魚は買えない。買えたとしても、調理が面倒だ。そこで、缶詰に目をつけた。缶詰は保存や調理が簡単。骨もやわらかいのでまるごと食べられる。一番おいしい旬の時期に詰めているので、薬膳にぴったり。缶詰を食生活に採り入れてからは、肌の調子も良くなり、月に数万円かけてい化粧品代は3千円に。肩こりやむくみも改善し、体重も5kg減った。いい化粧品を使うより、何を食べるかのほうが大切だ。一食一食をエステやサプリ、化粧品だと思って見直したほうがよい。【池田アテンダント】
(7)「見直し」の一例。
(a)ホタテ缶たし白ごはん<肌乾燥やシワ対策>・・・・焼きたてご飯1合にホタテ缶を汁ごと入れて混ぜ、数分間蒸らす。
(b)パプリカとマヨあえ<血行促進や肩こりに>・・・・耐熱皿に薄切りにしたパプリカ1個とカニ缶1缶を汁ごと入れ、ラップをかけて1分間温め、マヨネーズ大匙1とすりおろしたニンニク少々を加え混ぜ、コショウをふる。
(c)サケ缶温たまラダ<疲労回復、胃もたれにも>・・・・器に盛ったベビールーフの上に、温泉タマゴと汁を切ったサケ水煮缶1/2をのせ、ドレッシング(マヨネーズ大匙1、レモン汁大匙1、粒マスタード適量を混ぜ合わせたもの)をかける。
(d)サバケット<シミ、クマ撃退、美白も>・・・・サバ水煮缶1/2、タマネギ、ケッパー、パセリのみじん切り、各大匙1、ヨーグルト大匙2、すりおろしニンニク1をかけ、粒マスタード、塩、コショウ(各適量)を混ぜて、バケットの上にのせる。
【注】久住昌之・原作/谷口ジロー・作画『孤独のグルメ』(扶桑社文庫、2000)の第15話では、馬肉入りコンビーフを夜食のメニューに加えている。
以上、深澤友紀(編集部)「美味も美肌も缶詰女子急増」(「AERA」2012年11月26日号)に拠る。
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地味なイメージだった缶詰が、ここ数年、見直されている。グルメもうなる【注】「おつまみ缶」や「総菜缶」なども開発された。缶詰を使ったレシピ本も続々刊行されている。
(2)「mr.kanso」神田店には、高さ2mほどの棚に、150種類もの缶詰がぎっしり。おなじみの「サンマのかば焼き」「サバのみそ煮」はもとより、おしゃれなデザインの缶、ハングルなどが書かれた海外製もあり、200~2,000円の値段が貼ってある。好きな缶詰を選ぶと、店が温めたり焼いたり、ひと手間加えて出す。
「mr.kanso」の店名は、「缶詰倉庫」と、システムが「簡素」に由来する。2002年に大阪・なんばに第一号店がオープンして以来、珍しさや気軽さが受けて、いま8都道府県に18店舗を展開している。
缶詰がおいしく、長期保存が可能なことに目を付けた。客は年々増え、今後は2年後に50店舗、5年後には100店舗をめざしている。【運営会社のクリーン・ブラザーズ(大阪市)】
(3)「国分」(食品・酒類卸売大手)が一昨年から酒の肴として販売している「K&K缶つま」シリーズは、少し高めだが、大ヒットしている、という。「広島かき燻製油漬け」が500円(税抜き、以下同じ)、「ムール貝のワイン煮」が400円、「霧島黒豚角煮」が800円など。
1年目は14アイテムで売上げ100万缶、2億円弱。2年目(昨年)は24アイテムで売上げ180万缶、3億5千万円、とほぼ倍増。今年は「小鰯のオリーブオイル漬け」「マテ貝の塩漬け」など新たな15アイテムを加え、300万缶、5億円以上の売上げを見込んでいる。【「国分」】
缶詰のつまみというと「おじさん、しょぼい、カップ酒」のイメージだったが、その逆を衝くおしゃれでプレミアム感のある商品をめざした。【森公一・「国分」商品開発担当】
イメージアップは成功した。酒の売場にも置かれるようになった。ABCクッキングスタジオと連携し、女子向けのレシピを開発。女子会イベントを頻繁に開催している。
(4)「マルハニチロ食品」(水産缶詰大手)も今年、缶詰の新たな活用方法として、いつもの料理に缶詰を汁ごと足す「缶たし」を提唱。コクと味わいが増すといい、社員有志で「缶たし部」を発足させ、レシピを開発。同社のサイトで紹介するほか、11月にはレシピ本を刊行した。
これまで100~150円の商品が売れ筋だったが、最近は200円前後のこだわり商品や季節限定の缶詰のニーズが高まっている。今春、「たけのこおかか煮」「さといもそぼろ飴」(いずれも180円)などの総菜缶も発売した。
(5)缶詰の汁にはうまみはもちろん、栄養分も詰まっている。<例>サバ缶・・・・家でサバを料理した場合よりカルシウムが30倍多くとれる。【黒川勇人・「缶詰博士」】
(6)缶詰は、下ごしらえが済んでいるため、本格的な料理が簡単に作れる。多忙な人にはぴったりの食材だ。
缶詰で薬膳ができ、美しく健康になれる。私の体は、9割5分、缶詰料理でできている。【池田陽子・薬膳アテンダント/『缶詰deゆる薬膳』の著者】
薬膳の理論(中国の伝統医学に基づく)によれば、すべての食材は体のいずれかに必ず作用する。<例>青魚(サバ、イワシ、サンマなど)は、「活血」食材(老廃物を洗い流す)で、美肌に効果がある。ホタテ貝は、アンチエイジング食材で、肌に潤いを与え、中医学の五臓のうち老化とかかわりの深い「腎」にも効く。カニは、血行を促進し、肩こりに効く。
しかし、青魚を多忙な生活に採り入れるのは非常にハードルが高い。残業を終えて帰るころにはスーパーも閉まり、青魚は買えない。買えたとしても、調理が面倒だ。そこで、缶詰に目をつけた。缶詰は保存や調理が簡単。骨もやわらかいのでまるごと食べられる。一番おいしい旬の時期に詰めているので、薬膳にぴったり。缶詰を食生活に採り入れてからは、肌の調子も良くなり、月に数万円かけてい化粧品代は3千円に。肩こりやむくみも改善し、体重も5kg減った。いい化粧品を使うより、何を食べるかのほうが大切だ。一食一食をエステやサプリ、化粧品だと思って見直したほうがよい。【池田アテンダント】
(7)「見直し」の一例。
(a)ホタテ缶たし白ごはん<肌乾燥やシワ対策>・・・・焼きたてご飯1合にホタテ缶を汁ごと入れて混ぜ、数分間蒸らす。
(b)パプリカとマヨあえ<血行促進や肩こりに>・・・・耐熱皿に薄切りにしたパプリカ1個とカニ缶1缶を汁ごと入れ、ラップをかけて1分間温め、マヨネーズ大匙1とすりおろしたニンニク少々を加え混ぜ、コショウをふる。
(c)サケ缶温たまラダ<疲労回復、胃もたれにも>・・・・器に盛ったベビールーフの上に、温泉タマゴと汁を切ったサケ水煮缶1/2をのせ、ドレッシング(マヨネーズ大匙1、レモン汁大匙1、粒マスタード適量を混ぜ合わせたもの)をかける。
(d)サバケット<シミ、クマ撃退、美白も>・・・・サバ水煮缶1/2、タマネギ、ケッパー、パセリのみじん切り、各大匙1、ヨーグルト大匙2、すりおろしニンニク1をかけ、粒マスタード、塩、コショウ(各適量)を混ぜて、バケットの上にのせる。
【注】久住昌之・原作/谷口ジロー・作画『孤独のグルメ』(扶桑社文庫、2000)の第15話では、馬肉入りコンビーフを夜食のメニューに加えている。
以上、深澤友紀(編集部)「美味も美肌も缶詰女子急増」(「AERA」2012年11月26日号)に拠る。
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