よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

マントラとしてのイノベーション、オープン・イノベーション

2009年08月07日 | 技術経営MOT
イノベーションという語は日本では呪術的なマントラ(真言)と化しているようです。先日出たIT系のセミナーでも、講演したスピカー4人のテーマはすべてIT産業のイノベーションについて。

そして、キャッチワードがオープン・イノベーション。イノベーションという呪術的語法に辟易とする人々は、イノベーション(笑)とも書くそうです。もっともな話です。



オープン・イノベーションとは2003年にチェスブロウが言いだしたコンセプトですが、明示的な方法論として確立されているわけではありません。



技術力があってもプラットフォームを主導して君臨できなければビジネスでは負ける、というのがこの本のもっともな主張。

ゲームのルール、そしてルールが適用されるプラットフォームを作り、自分が定めたルールで競えば断然有利。インテル、マイクロソフト、アップル、グーグルなどです。

モノ=プロダクツからコト=サービスへとプラットフォームの主戦場は急速にサービス化。断然有利になるように(1)市場ニーズ、ビジネスビジョン、イノベーションのシナリオを穏密に立て、(2)IPで権利を囲いこみ、(3)IP活用のシナリオに乗せる、と説きます。逆をやってきたのが多くの日本のIT企業。

オープンなふるまいでリスクを減らし、しかしコアとなる技術はビジネスモデルがピークアウトするまで死守。DRMをやめようと叫びながらFairplayを外部にライセンスして公開しないスティーブ・ジョブズのようなインテリジェンス(諜報諜知能力)が問われます。

アプリケーションのIPとクローズドなビジネスモデルがピークアウトを迎えると、収益源をサービスに展開しつつ、仕様を徐々にセミオープンにしてゆくマイクロソフトのような狡猾さも求められます。

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