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自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

オープンソースの市場浸透度と戦略

2006年08月07日 | オープンソース物語
オープンソース・ソフトウェアの市場浸透度ととるべき戦略を比較した面白いチャートをひとつ。

縦軸に市場浸透度、横軸に市場でのステージをとる。簡単に言えば、縦軸は、どのくらいのユーザに使われているのか。横軸は、ユーザの特性をあらわす。キャズム理論に準拠して、左から右へ、イノベータ、アーリーアダプタ、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティと推移する。ミソとなるのは、アーリーアダプタからアーリーマジョリティへと推移してゆくときには、大きな「溝」=キャズムが存在するということと、ステージの特性ごとに、とるべき戦略が異なってくるということだ。

イノベータを創出しようというステージの戦略は?

徹底的にイノベータに訴求する。コマーシャル・オープンソース・ソフトウア(COSS)においては、ダウンロードの件数とコミュニティの大きさが2大業績評価指標となる。つまり、ダウンロードの件数を爆発的に飛躍させ、コミュニティに首をつっこむメンバーの質と量を増大させることが、イノベータを創出することに直接的に繋がる。

さて、イノベータと呼ばれる新しいモノ好き、変化が好きな人々によって高い評価を得て十分浸透してくると、次のステージは、アーリーアダプタに訴求してゆく。アーリーアダプタとは、イノベータよりも人数は多く、イノベーションの成果を着実に活用してゆこうとする適応者、適応企業をさす。

アーリーアダプタ・ステージでの戦略は?

このステージでは、先進的なニーズを持ち、COSSのプロダクトやサービスを応用してゆきたいというワンツを持つ企業に対してフックをかけてゆく。早い話、このステージでは、目利きの企業や、先を見ることができる企業を顧客にして、ファースト・セールの後に、いかにサービスやプロダクトでセカンド・セールを達成するかがポイントとなる。

ダウンロードの件数は、ある意味でファンの基盤の厚さを示す。COSSにおいてはファンと顧客とは異なる。ファン・ベースの潤沢さはダウンロードの件数とコミュニティの規模でとらえられるが、顧客はズバリ、顧客からペイアウトされた現金で把握されなければならない。

顧客からペイアウトされるキャッシュがプロダクトやサービスの売上げからもたらされれば、損益計算書の売上げとなる。その顧客が投資という形でCOSS企業に出資するのであれば貸借対照表の純資産の部に計上される。(新会社法では資本の部ではなく、純資産の部)

いずれにせよ、アーリーアダプタ・ステージの戦略は、継続的にファンづくりに注力しながらも、先進的な顧客づくりへリソースを集中してゆくことである。このような視点でSugarCRMを眺めてみるのも面白い。




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