よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

エキセントリック・プラチナ人材

2005年05月15日 | ニューパラダイム人間学
職業に就けない、就かない、就こうとしないニート(Not in employment, education nor training)は労働経済的には競争力のない人材だ。かたやニートとは対極を成す産業界の先端を切り開く競争力のある優秀な人材には欠乏感がとほうもなく大きい。

平成15年の科学技術白書では、質量ともにもっとも不十分な人材は起業家、企業家支援人材、MOT(技術経営)、人材目利き人材、知的財産関連人材であると報告している。なるほど多くのクライアントの経営陣、起業家たち、産学提携の業務でお付き合いさせていただいている早稲田大学ビジネススクールや東京農工大の技術経営研究科の先生方もまったく同様の認識を持っている。

このような人材クラスターには、ナレッジや技術においてプラチナのように希少な卓越性をもちながらも、アンチテーゼを明確に主張し、既存の体制にはエキセントリックな異議を持っているような奴らがけっこう多い。ただしビジネスの共通言語を持っているのでエスタブリッシュ側のビジネスコミュニティのなかでもプレゼンスと交渉力を持っている。こういう人たちをエキセントリック・プラチナ人材とでも言おうか。

財貨でもサービスでも社会に不足しているもの不足するであろうものを積極的にクリエートして持つことがビジネスの基本といえば基本だ。人材経営においても然り。これら質量ともに不足している人材を採用し育成し、マネジメントやオペレーションチームに加えることができれば大きな競争力となる。いやコンサルティングやITベンチャーといった知的成果が業績に直結する分野においては、優秀な人材が、ナレッジや技術をエイヤッと一気にビジネスにすることが求められるので、エキセントリック・プラチナ人材こそが即競争力の源泉であり、源泉でなければいけない。

専門職大学院ならば産業社会が要求する分野に優秀なエキセントリック・プラチナ卒業生を投入し、卒業生が成果を生み出すことがスクールの名声に直結する。ベンチャー企業からすれば、新卒、ミッドキャリアを問わず、差別化可能分野で知的成果をアウトプットできる優秀なエキセントリック・プラチナ人材をあの手、この手で仲間に入れることが大事だ。こんな考えをもとに、わが社でも、産学間でのエキセントリック・プラチナ人材の採用、産学官のステージへの投入、相互交流、相互還流に力を入れてゆきたいものだ。