よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

自転車の空間

2005年05月02日 | 日本教・スピリチュアリティ
連休なので3日連続でいつものトレーニングコースの印旛沼サイクリングロードを走る。この季節、桜はとうに終わりをつげているが、自転車ならではの季節感覚に感じ入る。

新緑の緑が透明な風の折り重なったカーテンのように頬をなぜる。それもほのかに甘い薫りをおびつつ。しっとりと汗に上気した首筋に緑の空気の層はやさしくも爽やかだ。ふと、新川の向こう岸の小高い山々を見上げると、昨日の山々とは異なる緑の重奏にはっとさせられる。

緑が違っている。

昨日はまだ淡い緑が幾万という重なりを奏でていたが、今日の緑は昨日よりも明らかに濃い。太陽の角度、日光の強弱などの要素も昨日と今日とでは異なる。緑の中身は転変流転をくりかえすよに時々刻々と変わりつづける。

転変流転を繰り返すありとあらゆるもののなかにどっぷりとつかっていると、その変化に疎くなってしまうのだろう。だから、ちょっと違った角度から間をおいて観るというきっかけが、思いがけない再発見をもたらしてくれる。

日常では向き合えない非日常。普段は見過ごしてしまっているあたりまえの風景。あたりまえの所与のものとして、注意が向かない豊穣な時のうつろい。

日常の中にある非日常、非日常のなかに棲まう日常に気づかせてくれる空間を大切にしたい。自転車に乗ってると、そのような空間が体の周りを流れてゆく。そこはかとなくも豊かなフロー体験をもたらしてくれる。あらためて自転車はすばらしい乗り物だと思う。