M女の引っ越しが決まり、女一人では何かと不便であろうと、手伝いに行くことにした。
本番の日は詰め込みも荷ほどきも、サカイに頼むという。
ただ運ぶ必要のないものは、市の大型ごみに出すことにした。
私がタンスを一つ処分するときは、500円出したら玄関まで取りに来てくれるということだった。
部屋まで取りに来てくれないと、玄関まで出せるわけない。
腕自慢というボランティアの人に2人来て貰った。
ボランティアの人の日程と、市から取りに来る日は合わなかったが、どうせ処分するものだから
どうでもいいと思った。 門の外で箪笥はしばらく雨ザラシだった。
市の人が来たとき相当意見を言った。
玄関まで取りに来るのに、60歳以上の一人住まいに限るという条件である。
家の中まで来てくれないと、年寄りが一人で玄関まで出せると思うのか?
私はボランティアの人に頼んだことを言った。
改善をすべきでないか? この意見を持ち帰ってほしい。
3年位前のことであった。
ところが、彼女が洋タンスを処分するにあたり、箪笥は部屋の中まで撮りに来てくれるようになっていた。
その代わり金額は700円になり、更に年齢が分かるものを提示するようになっていた。
北海道民芸の箪笥なのでかなり重いものであろう。体格のいい若者が二人して来てやっと持って帰った
そうである。
そして数日前に、このミニ箪笥もいらないのよ。
高さ・・・90cm 横・・・60cm 奥行き・・・39cm
私がもらうことにした。
物がいいので、やはり重い。 タクシーで簡単に持ち帰ることを想像したが。
酒屋のY君に、しかも奥さんに頼んでもいいですか? とお願いした。
快くOKしてくれた。
M女はサカイが8:00に来てくれるので、来てくれる?
それは無理やで、 だが2便が出るころまで行って、最後の確認と鍵の返却は変わりにしておくことは引き受けた。
行くと、友達が見えるって言ってましたが・・・・とサカイの人は言う。
ハイハイ私です。 まだハンガーラックにかかった洋服があり、空っぽになったはずの台所
には、包丁が4本刺さったまま。
お母さんのものだった、写真や品物が袋戸棚の反対側に入っていた。
テーブルの上には、お菓子の入った鉢やバナナがあった。
小腹が空いたので、バナナを一本頂戴し、お饅頭も一つ頂戴した。
お昼のお弁当として、味ごはんを彼女の分まで持って行っていた。
それを半分食べて、残しておいた。
サカイのひとにも、小腹が空いたでしょ?とお饅頭を握らせた。(サカイの人はお昼はまだと言っていたので)
鍵を閉めて転居先に向かい、お菓子とバナナの件を報告した。
ありがとう、気が付かなかった。
今度は詰め込みに来ていた女性二人が荷ほどきにやって来た。
作業が速いね、手は痛くないの? ガムテープはがすのに指が痛くなるんです。
若い方の人が答えた。 できるだけガムテープをはがしておく手伝いをした。
荷物が治まり、2人して夕食を取っていた。
ピンポーン! NHKだった。 空き家になった部屋が出ると、頻繁にチエックに来るようである。
私が応対して、「今日入居したばかりよ、アジトを見つけるのが速いね」という。
彼女に代わり、この建物はBS受信の装置がついていますので、BSの申し込みもお願いします。
ブスっとして、彼女はBSは見ていませんから、と対応していた。
NHKは、それでも・・・と続けようとしたNHKに、この人見ていませんよ。
と私が援護射撃をした。
BS放送、もうちょっとマシな内容にすべきよ。野球ばっかりでないの。
あんな内容に、4千円も払えるわけないやろ。
元の住所を聞き、その場で携帯で確認し、 総合テレビだけでサインして帰った。
疲れた一日だった。