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散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

灼熱の東京(9)

2014年08月04日 14時34分27秒 | ART
この後、暑さを我慢しながら、初めての訪問となる新国立美術館の「オルセー美術館展」へ。日本じゃ印象派人気あるからなあと冷やかな感じで思っていたのだが、「ま、まさかあの・・・」という、美術ファンなら知らないはずがない名品が数多く来ている、実にうれしい展覧会であった。



 

フレデリック・バジール「バジールのアトリエ、ラ・コンダミンヌ通り」:画中にマネ、モネ、ゾラ、ルノアールが登場。
シャルル・ドービニー「収穫」:これは富良野っぽい風景画だね。
ジュール・ブルトン「落穂拾いの女たちの招集」:中央の女性が女神のように描かれ、ドラマティックにして象徴主義的。

シャルル・ジャック「羊の群れのいる風景」:巨大な牧羊風景画。羊の足元の赤い花2輪が印象的。
ジュール・パスティアン=ルパー「干し草」:目を見開いて呆然とする女、帽子を顔において居眠りする男。リアリズムの一つだ。
ジャン=フランソワ・ラファエリ「ジャン=ル=ポワトゥーの家族、プルガヌーの農民たち」:汚れた手と爪のリアリズム。

エリー・ドローネー「ローマのペスト」:なぜか天使が悪魔に人々の家の扉を槍で叩くように指示している。その叩いた数だけ死人がでるということなのだが、ひどい天使もいたもんだ。
アンリ・ポール・モット「ベリュスの婚約者」:ベリュス神像の膝にいけにえのようにおかれた女性。ライオン2頭が見張りをしているという不思議な図だ。
ウィリアム・ブグロー「ダンテとウェルギリウス」:腕決めサーフボードストレッチをしながら、喉へのかみつき(反則だ)を決めようとしている男。

ジュール・ルフェーブル「真理」:まさに古典的、アングル調の女性像。
ポール・セザンヌ「牧歌」:ここでセザンヌを突然見ると、いかにセザンヌが画期的だったのかがよくわかる。
フィリップ・ルソー「シャルダンとそのモデル」:丸眼鏡の人物画。ちょっと大村昆を思わせる。

レオン・ボナ「パスカ夫人」:リアル派の祖であろうか。
クレード・モネ「死の床のカミーユ」:熊谷守一が死んだ子を描いた肖像画を思わせる。
クロード・モネ「草上の昼食」:え、あれが!? と思ったら、スキャンダラスで有名なのはマネ、こちらはそれに触発されて描いたモネの作品であった。非常に大きな作品で、家賃の代わりに大家さんに預けたところ傷んだので分割したが、縦横数メートルはある。内容はスキャンダラスではなく、お洒落ピクニックという雰囲気か。



エドゥアール・マネ「婦人と団扇」:これまたジャポニスムと言っていいだろう。
エドゥアール・マネ「アスパラガス」:一束のアスパラガスの画を描いて売った相手に対し、「一本抜け落ちていました」と後から送った小作品。

そして、私が驚かされた名品が以下になる。

エドゥアール・マネ「笛を吹く少年」:結構大きい作品で少年が等身大くらいだろうか。横笛とえんじ色のズボンに日本的なものを感じる。
ジャン=フランソワ・ミレー「晩鐘」:いろいろ皮肉られる作品でもあるが、見ると、やはり敬虔な気持ちにはなる。
ギュスターヴ・カイユボット「床に鉋をかける人々」:カイユボット展でも来ていなかった、この作品があったか!! ずっと見たいと思っていたので、非常にうれしい。中の男がもう一人に話しかけているのだが、一体何を話しているのだろうか。

アレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」:この有名な作品が日本で見ることができていいのだろうか! 女神と言いつつ、白肌がエロい。ゾラはこの女性を「ピンクと白のマジパン」と表現したそうだ。
ギュスターヴ・モロー「イアソン」:落ちた鷲、蛇、カラフルな小鳥など寓意あふれる力作。背景のレオナルド・ダ・ヴィンチ調風景も決まっている。
ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー「灰色と黒のアレンジメント第1番」:これまた見たら忘れられない、老母が横を向いたモノトーンな感じの作品。

クロード・モネ「サン=ラザール駅」:鉄道の煙も明るく、華やかな旅情を感じさせる作品。街と旅の雰囲気にワクワクさせられる。

私は有名作品好きなので少々気恥かしいのだが、実際に画のサイズや表面の仕上がりを見ることができるのはやはり違うものである。お勧めの展覧会である。


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