
本日は朝早くから芸森→NEWSTAR→アリアンス→ARTスペース→スカイホール→三越→大通→時計台→道新→北2条STV→たぴお→富士フォトサロン→紀伊国屋の13箇所。
■芸術の森美術館「澁澤龍彦幻想美術館」(彦の字は上の方が”文”みたいな字ですが)。早めに出発したが、すずらん公園へ行く人たちが大勢バスに乗り込みぐったり。作品の展示数も多く、時間がかかった。
前半の展示を見て思ったことは「何だか痛々しいというか、戦後、これまでの価値観が失われた時に必死に何か探そうとしたんだろうな」ということだ。私は当然この時代のことを知らないので、細江英公、土方巽、写真に写っている三島由紀夫をまともに見てられない(名前を挙げた人達のファンの方、その時代を何も知らない人間の笑止な発言だと思って下さい)。
とはいえ、展示されている作品には面白いものが沢山ある。
「噴水」武井武雄:童画だが明るく面白いシュール画にも見える。
「デカルコマニー」野中ユリ:水色に黄緑色のプラナリア状の形が浮かぶ。色彩が綺麗。
「望遠鏡列車」中村宏:列車の座席には一つ目の女子高校生が整然と座り、望遠鏡から見た窓外の海が大きくかぶさっている不思議な景色。
「ウェイター」アルチンボルド:コップや樽、水差しなどの水に関係のある器でウェイターの姿を構成した作品。もうアルチンボルドの作品が見られるだけで素晴らしい。
「アッピア街道」ピラネージ:これでもかとローマの遺跡を細かくみっしりと描いた作品。町田の版画美術館は良い作品持っているな。
「ダヴィデ」「出現」モロー:彫師は別人だが、モローの作品世界を版画で見事に再現している。これはお気に入りだ。
「めぐりあい」エッシャー:白と黒のモザイク状の人物が、いつしか立ち上がり円を描いてめぐりあい、握手。エッシャーらしい作品。
「芸術家の手」ボナ・ド・マンディアルグ:お前はライディーンのガンテか。
「砂の上のヘルマフロディトス」「スフィンクス」山本六三:日本でこんな画を描く人がいたのか。モロー的というか象徴主義的な作品で、今回の私の大発見。
「夜の女王」ライナグル/ペサー、「エジプト蓮」「白百合」ヘンダーソン:植物の博物画なのだが、奇怪といえるほどの迫力。
「春七草」「秋七草」酒井抱一:気品がある(展示されていたほかの作品で気品がないものが沢山ある)。
■ギャラリーNEW STAR「木村環作品展 リトル・フューリー・シングス」:今年4回目の展覧会訪問。このギャラリーものすごく小さいのだが、それを最高に生かした作品が並ぶ。細かい画を見るときにあまり近づいてみると、少々周りの人への影響が気になってしまうものである。しかし、ここでは観覧するときに横には並べても前後には並べないので、安心して作品に接近し凝視できるのだ。
今回作品を見て思ったのは、曲線の美しさだ。髪の毛などを描いた曲線は迷いがなく、カーブが美しい。私は画を描かないのでほめる言葉にも自信がないのだが、幾何学的観点から見て美しいと思う。書道家の線が素晴らしいように、またランナーの走るフォームが素晴らしいように、とも思う。
もう一つは細部への気合いだ。もちろんこれだけ細かい作品なので当然ともいえるが、中心のテーマのみならずすみっこの方の手洗いや、シャンプーのボトルがきちんと描かれているのを見ると「細部に神は宿るなあ」と思うのだ。
木村さん話を伺うと「人間の残酷さや弱さ、哀しさといった感情を、血がとんだりする分かり易い共通語を使わずに表現したい」ということであった。確かに端的には表現しにくい不思議な情感(喜び+諦念とか)が感じられるのだ。
さて今回、私は木村さんに「線の迷宮<ラビリンス>Ⅱ 鉛筆と黒鉛の旋律」の図録を見せようと持っていった。果たして興味をお持ちいただけるのか分からないが、非常に面白かった鉛筆画の展覧会なので、見てもらおうと思ったのである。結果として喜んでいただけただろうか。作品を見て「(良い意味で)この人、どうかしてるねえー」「(良い意味で)頭、おかしいですよね」と盛り上がったので興味は持っていただけたかな。
「今後もバリバリ描いてください」とお願いして分かれる。なお、文中の木村さんの発言は私のフィルタを通しているので、正確に発言どおりではないことを了解いただきたく。
■スカイホール「佐々木辰雄絵画展」:近景の柿の木と遠くの川岸を描いた「愁詩」、けむる知床の景色「知床の森」など、素晴らしい作品がめじろおし。
■同「森川昭夫油絵個展」:明るくのびやかな色彩の風景画。
■時計台ギャラリー「白日会北海道支部展」:全体的に明快な写実だが、一番好きなのは小川智「入江風景」。非常に気持ちよく入江の風景を描いた作品で、手前の畑で人が働いているところがアクセントになっている。
■芸術の森美術館「澁澤龍彦幻想美術館」(彦の字は上の方が”文”みたいな字ですが)。早めに出発したが、すずらん公園へ行く人たちが大勢バスに乗り込みぐったり。作品の展示数も多く、時間がかかった。
前半の展示を見て思ったことは「何だか痛々しいというか、戦後、これまでの価値観が失われた時に必死に何か探そうとしたんだろうな」ということだ。私は当然この時代のことを知らないので、細江英公、土方巽、写真に写っている三島由紀夫をまともに見てられない(名前を挙げた人達のファンの方、その時代を何も知らない人間の笑止な発言だと思って下さい)。
とはいえ、展示されている作品には面白いものが沢山ある。
「噴水」武井武雄:童画だが明るく面白いシュール画にも見える。
「デカルコマニー」野中ユリ:水色に黄緑色のプラナリア状の形が浮かぶ。色彩が綺麗。
「望遠鏡列車」中村宏:列車の座席には一つ目の女子高校生が整然と座り、望遠鏡から見た窓外の海が大きくかぶさっている不思議な景色。
「ウェイター」アルチンボルド:コップや樽、水差しなどの水に関係のある器でウェイターの姿を構成した作品。もうアルチンボルドの作品が見られるだけで素晴らしい。
「アッピア街道」ピラネージ:これでもかとローマの遺跡を細かくみっしりと描いた作品。町田の版画美術館は良い作品持っているな。
「ダヴィデ」「出現」モロー:彫師は別人だが、モローの作品世界を版画で見事に再現している。これはお気に入りだ。
「めぐりあい」エッシャー:白と黒のモザイク状の人物が、いつしか立ち上がり円を描いてめぐりあい、握手。エッシャーらしい作品。
「芸術家の手」ボナ・ド・マンディアルグ:お前はライディーンのガンテか。
「砂の上のヘルマフロディトス」「スフィンクス」山本六三:日本でこんな画を描く人がいたのか。モロー的というか象徴主義的な作品で、今回の私の大発見。
「夜の女王」ライナグル/ペサー、「エジプト蓮」「白百合」ヘンダーソン:植物の博物画なのだが、奇怪といえるほどの迫力。
「春七草」「秋七草」酒井抱一:気品がある(展示されていたほかの作品で気品がないものが沢山ある)。
■ギャラリーNEW STAR「木村環作品展 リトル・フューリー・シングス」:今年4回目の展覧会訪問。このギャラリーものすごく小さいのだが、それを最高に生かした作品が並ぶ。細かい画を見るときにあまり近づいてみると、少々周りの人への影響が気になってしまうものである。しかし、ここでは観覧するときに横には並べても前後には並べないので、安心して作品に接近し凝視できるのだ。
今回作品を見て思ったのは、曲線の美しさだ。髪の毛などを描いた曲線は迷いがなく、カーブが美しい。私は画を描かないのでほめる言葉にも自信がないのだが、幾何学的観点から見て美しいと思う。書道家の線が素晴らしいように、またランナーの走るフォームが素晴らしいように、とも思う。
もう一つは細部への気合いだ。もちろんこれだけ細かい作品なので当然ともいえるが、中心のテーマのみならずすみっこの方の手洗いや、シャンプーのボトルがきちんと描かれているのを見ると「細部に神は宿るなあ」と思うのだ。
木村さん話を伺うと「人間の残酷さや弱さ、哀しさといった感情を、血がとんだりする分かり易い共通語を使わずに表現したい」ということであった。確かに端的には表現しにくい不思議な情感(喜び+諦念とか)が感じられるのだ。
さて今回、私は木村さんに「線の迷宮<ラビリンス>Ⅱ 鉛筆と黒鉛の旋律」の図録を見せようと持っていった。果たして興味をお持ちいただけるのか分からないが、非常に面白かった鉛筆画の展覧会なので、見てもらおうと思ったのである。結果として喜んでいただけただろうか。作品を見て「(良い意味で)この人、どうかしてるねえー」「(良い意味で)頭、おかしいですよね」と盛り上がったので興味は持っていただけたかな。
「今後もバリバリ描いてください」とお願いして分かれる。なお、文中の木村さんの発言は私のフィルタを通しているので、正確に発言どおりではないことを了解いただきたく。
■スカイホール「佐々木辰雄絵画展」:近景の柿の木と遠くの川岸を描いた「愁詩」、けむる知床の景色「知床の森」など、素晴らしい作品がめじろおし。
■同「森川昭夫油絵個展」:明るくのびやかな色彩の風景画。
■時計台ギャラリー「白日会北海道支部展」:全体的に明快な写実だが、一番好きなのは小川智「入江風景」。非常に気持ちよく入江の風景を描いた作品で、手前の畑で人が働いているところがアクセントになっている。
「バカだなー」と思われるでしょうが、あの後すぐにAIR DOに行き、チケットと宿とってしまいました。と云う訳で、来週末に目黒区美術館に行って来ます。素敵な情報ありがとうございました!!
私のつたない感想文を載せているブログなので、作家さんご本人からコメントいただけるのはとても嬉しいです。
そうですか、行きますか。私も今年の5月に「若冲見に行く!」と京都に行っているので、人のことは言えません。
目黒では、午前中他の展覧会を見ていたのと、東京の夏の暑さ(と二日酔い)にやられていたので、もっとじっくり見ればよかった! という悔いが残っています。
どんな感想をもたれるのか楽しみです(ホームページの日記はいつも拝見しています)。
「細かいこと」保証付きです。
木原康行と云う方の作品は未見ですが“「細かいこと」保証付き”と云う誘い文句がグッときますねー!機会があれば是非観せていただきたいです。
これからも宜しくお願い致します。