散歩日記X

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20080627ギャラリー巡り

2008年06月28日 20時03分01秒 | ART
本日は天候も良く、近代美術館→三岸好太郎美術館→札幌市資料館→コンチネンタル→札幌市写真ライブラリー→ギャラリーエッセ→大同→STV北2条→時計台→道新→さいとう→スカイホール→さっしん→趣味の郷→アリアンス→CAI02の16箇所。



■北海道立近代美術館「ACT5展」。間違いなく必見の展覧会である。今回最も期待していたのが輪島進一である。私が見始めたバレリーナを描いた作品以前のものも見ることができた。なるほど、昔の作品では”音”を描こうとしているのかと思う。

最近の輪島作品は動きや時間の推移を描こうとしていると見ていたが、例えば「アパッショナータ第3楽章」はその極であると思う。ピアノを弾く人を描いているのだが、時の流れとともに手の動き、頭の動きを全て描き、実にめまぐるしすぎるほどの作品になっている。

また2006年の「フーガ」からは傾向が変わり、動きが止まっているように見える。それまで動きの動線であった”線”が、動きではなく人から人へと伝わる緊張感を描いているように見えるのだ。

それが明確になったのがモノトーンの「光へ」「楽屋裏にて」だろう。「光へ」は舞台へと動き出す瞬間の(静止した)バレリーナの姿が描かれ、「楽屋裏にて」は今まで踊っていたバレリーナが「ふう」と息を吐いて、止まった瞬間が描かれている。

実に興味深い輪島作品であったが、今回それにも増して私の目を引いたのは森弘志の「私は贈られました」シリーズだ。18枚の連作でリカちゃんの姿を描き、胸の所にリカちゃんのモノローグが文字で書いてあるのだ。画としての面白さとそのストーリー性に涙ぐみそうになってしまった。

モノローグではリカちゃんが買われてきた所から、長い間遊ばれ、(予想通りに)やがて箱にしまいこまれ忘れられてしまうというストーリーになっており、何とも言えない感情を呼び起こす。しかし、決してリカちゃんはそのことを恨んでもいないし、静かに受け入れているようだ。この作品を見た女子はもしリカちゃん人形を持っている人だったら、家に帰って押入れのおもちゃ箱を開けてみるのではないだろうか。

私はもちろんリカちゃんで遊んだことはないが、男子も人形遊びをしないわけではない。変身サイボーグやミクロマン、ジャンボマシンダー、超合金といったおもちゃを懐かしく思い出す人もいるだろう(話がずれた)。

会場でMさんと会い、輪島作品、森作品について話をする。周囲に美術の話をする人ってほとんどいないので、非常に楽しい。

■三岸好太郎美術館「三岸好太郎の世界」。三岸節子の「花・果実」が面白い。その後の無駄がなくなって完成されていく世界とは違って、ワイルドさにあふれている。スカーフ? の色彩が絶妙である。

■ギャラリーエッセ「佐渡富士夫展」。確かコンチネンタルギャラリーで見たことがあったかな。木のボードの表面に小さな円形を残しつつ、木肌のように彫り上げて着色した抽象彫刻。見入ってしまう形をしている。

■大同ギャラリー「4つの世界の物語」。これほどまでに拮抗した4人のグループ点というのは嬉しいものだ。ミクニキョウコは色調の大変落ち着いた「名前のない場所」という犬を描いた作品がよかった。岸本春代は「July」というちょっと怖い女性像が目を引く。ちょっと上手すぎるのではという描写と、メリハリの効いた色調が特徴的だ。

河野満美子は円形のパステルカラーを配して、懐かしい感じの「くさはま」が面白い。水戸麻記子は水戸さんの酒飲みマインドが爆発した「遊民街で会いましょう」が良い。札幌にもこういう場所、無いものだろうか。

■STV北2条「田部隼夫 金属造形展」。色々と面白い形が見ることができる。

「わーい! わーい!」


■時計台ギャラリー「工藤悦子個展」。ダイナミックさと繊細さを兼ね備えた、素晴らしい作品だ。近くによって見ても、筆運びが実に細かくパーフェクトと言うしかあるまい。しばらく青の寒色傾向の作品ばかりであったが、今回は暖色傾向の作品が登場した。

■スカイホール「第9回グループ環 絵画展」。実に手だれの作品が集まった。中村哲泰の「飛行機雲」が面白い。ひし形の不安定なキャンバスに、奇妙に歪んだ空と飛行機雲と大地が描かれている。

■CAI02「Hiroshi Takeda solo exhibition 10th year」。2軒ほど飲んだ後、夜になってから行ってみた。初日なので、パーティーっぽい感じ。「necklace_080601」という作品は真っ白なキャンバスにネックレスを思わせる形に絵の具を垂らしている。


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