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散歩日記X

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なぜか鳥取(25)充実博物館

2019年10月25日 11時04分36秒 | ART
9時少し前にホテルを出て、雨の降る中、バスで鳥取県立美術館へ。今日も系統は異なるが、100円バスがありがたい。



■鳥取県立博物館「殿様の愛した禅 黄檗文化とその名宝」。黄檗とは禅宗の一派で、日本には隠元和尚らが伝えたものらしい。野菜の隠元の名前でもしられる僧侶だが、もともと中国の人である(知らなかった)。本来は帰国するつもりだったが、将軍家綱の命を受けた酒井忠勝のリクエストで日本に残り、教えを広めることになったのだそうだ。そして、鳥取池田家は国元と江戸の両方の菩提寺が黄檗宗になったということから、この展覧会が開催されたということである。

 

蓮浦洪基「涅槃図」:木にもたれたまま入滅する仏陀の珍しい図。普通の人間に見える。
池大雅「五百羅漢図」:全8点のうち、4点が展示されている。かなりの有名どころも出品されているのだ。
伊藤若冲「梅図」:若冲も3点が出品。いずれも墨絵で、派手さはない作品である。

橋本宣彩他「鳥取池田家11代図」:この展覧会のメイン展示の一つとして、池田家12代のうち、初代から11代までの肖像画と位牌が一気に展示された。これがセットで展示されるのは150年ぶりとのこと。見ると10代~30代で死んだ人が7人もいるので、比較的短命の家系なのか、それ以外の事情があったのか、見ていて複雑な気持ちになる。

「釈迦如来像」「普賢菩薩像」「文殊菩薩像」:何点かの出品物は撮影が可能で、私もありがたく記念撮影させていただいた。



「持国天」「広目天」「増長天」「多聞天」:私の好きな仏像関係は撮影が可能だったので、非常にうれしい。これは黄檗様式という中国風の四天王で、当時、かなり異形の像として見られたのではないかということだった。

 

 

■鳥取県立博物館「美術家大辞典」。
須田国太郎「漁村田後」:しっかりしたいい作品。
佐伯祐三「オーヴェールの教会」:教会に確固とした存在感がある作品。
岸竹堂「正月風俗図」:人が布をかぶって、獅子舞のようでもあるが、ユーモラスな踊りと顔をした情景である。

黒田稲皐「牡丹孔雀図」:色彩ハデハデの作品。
黒田稲皐「雲龍之図」:ぼかしが上手い。
黒田稲皐「千匹鯉」:鯉が重なり合い、ひしめき合って過剰過ぎる描写が面白い。

それから自然展示室を急ぎ見る。ダイオウイカ、オオサンショウウオの標本が目立つ。





歴史・民族展示室では、国宝「三仏寺・投入堂」の模型があった。



私の目を引いたのは「太陽系模型」。中央が太陽で、その周りに惑星を表す輪が段になっている。現在は準惑星となった冥王星はここには表れていないので、1930年以前の作であるとのこと。



なかなか見ごたえのある博物館だった。ここからそんなに遠く無いはずなので、次の目的地、鳥取市役所にはバスに乗らず徒歩で向かう。


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