適当なところで仕事を終わらせ、バスで今日の宿泊場所、門前仲町に移動する。意外とバス停が少なく、こういう風に通っていくのかと感心する。
こちらの方がホテルに近いんじゃないかと門前仲町の1つ手前の停留所で降りるが、全くの間違いだった。結構な距離を歩き、今日のホテルへ。チェックインして荷物を置いてから、一杯やりに出かけることにしよう。
ということでふらりと歩き、前回休みで行くことのできなかった「M」へ。大人気店と聞いていたが、入口である2階に上がると何とか店内に入ることができた。
角ハイボールを注文し、辛豆腐(シン・トウフなんだって)でスタート。豆腐好きの私だが、手を止まらなくさせる辛味たれがたまらない。
続いてここは海鮮に魅力ありと言うことで頼んだ、鰆刺身がやってきた。ほう、なるほど、皮目があぶってある。これにはたまらず、菊正宗の燗酒を注文。鰆は、山葵のみならず、かいわれ大根、穂紫蘇の薬味もよろしい。
と言うところで、2杯2品で勘定をしてもらうことにした。美味い料理が魅力の立ち飲み屋さんであった。
さて、もう一軒行きたいよね。ということで、これまでにも通った道を歩いていくと、以前、2回行ったことのある店に先客1名しかいないようだ。えい、行っちゃえ!
ということで3回目となるスナック「P」へ。先客のお父っつあんは石原裕次郎ファンらしく、渋い声をたなびかせている。これは私も裕次郎だな。
と、せっかく曲を入れたものの、お父っつあんは体調不安があるのか(最近病気をしたらしい)、私の歌を聞く前に帰って行った。せっかく「おれの小樽」を入れたのだが、ま、いいか。
ママに話を聞くと、明日・明後日は予約で貸し切りになっているらしく、今日来てよかったな。ママも結構な年配だけど、私のこともちゃんと覚えていて下さったようだし。
しばらく誰もいないので、自由な選曲で歌う。次の曲を入れたところ、店の外から中を覗き込む人がいて、非常に困る。だって、クリスタルキングの「大都会」を初めて会う人に聞かれるのは、滅茶苦茶恥ずかしいよね。
私の心配も甲斐なく、店に入って来た4人グループに「大都会」を聞かれてしまった。幸いなことに、曲の音程をちょっと下げていたこともあって、ハイトーンのところまで出ていたのが救いではある。
この後しばらく、グループ客に歌を任せる。男子3名、女子1名のグループなのだが、女子が「60歳以上の方にはリクエストされるんです」と「なごり雪」を歌っていたが、相当以上に歌が上手い。聞きほれてしまうくらいだが、私はこの曲を聞いたのは小学生くらいの時なので、確かに深い思い入れがあるのは、もう少し年上世代かも。
仲間に入れてもらったわけでもないが、私にも気を使ってくれるグループなので、ありがたく歌も歌わせてもいつつ、少々会話もする。隣に座った20代男子が秋田出身だということで(周りの人が東北出身だと言っていたので、掘り下げてみた)、「秋田は個人的に遊びに行ったけど、素晴らしいよね。ババヘラアイスとか、藤田嗣治の画とか」と強く誉めておいた。彼に限らず、若い人には地元に自信を持ってほしいものだと思う。
中にいた女子が一番歌が上手いのだが(酒を飲む店でアルバイトをしていたらしい)、私と同世代の女性はまあ歌ってくれない、宇多田ヒカルの「Automatic」を歌ってくれたのが、本当に素晴らしかった。私の中では歌謡曲の一つの分岐点、エポックメイキングな曲だと思っているので、ちょっと涙が出そうになる…。
さらにこの後、別の年配の男性が来たのだが、この人が砂川出身なのだそうだ。私が北海道出身だということをママがばらしたので「俺の酒を飲め」と言われたが、「すいません、もうヘロヘロで」と帰らせてもらうことにした。
帰りがけには秋田氏と宇多田女史と握手をして店をでる。
→写真を撮ったのは店に入る前なので、そんなに酔ってなかったのだが…
コンビニに立ち寄ってから、ホテルに戻る。しかし、世にあるカラオケスナックというのは、こんなに楽しいものなのだろうか。私も行きつけを1軒作るということも、無きにしはあらずという気がしないこともない(←消極的)。
ホテルに戻り、軽く一杯。今日は楽しかった。