夕方、奈良の繁華街を歩く。大体、土地勘が戻ってきたところで、居酒屋「K」へ。
まだ時間が早かったので、4番目の客となった。まずはビール、それからきもやき(半分)を注文。ビールを飲んでしばし、続いて貴仙寿を燗で注文。これは(明治元年創業の豊澤酒造が作っている)地酒とのこと。
ご主人も「時間がかかってすみません」と気を使ってくれた、きもやきが登場。レバ、砂ずり、キンカン等が入った煮込みである。そういえば、向こうの人は砂肝ではなくて、砂ずりというようであった。
このコッテリした味わいと、部位による食感の違い、酒にもよく合うのである。結構なボリュームがあり、さらにこの店の名物料理である串カツも確かボリュームがあるのである。少々恐れをなして、煮こごりと貴仙寿をもう一合追加。
煮こごりは何だろう、肉っぽいというか、魚の煮こごりじゃない感じがする。味はそんなにくどくないし、量も適正でホッとした。今日の食べるものはこのくらいにしておこう。
ところで、今日初仕事らしいバイト氏がいるのだが、それを微妙にいじるオッサンが、私はどうにも気に食わない。メニュー内容に不慣れなバイト氏に、色々とどうでもいい質問をし、いちいち確認するバイト氏をみては「仕事ってものは、云々…」と仲間内でごちるオッサン。
手前が学生時代どれほどのもんだったんだよ! 今じゃ証拠がねえから、偉そうな口がきけるけどなと思うのである。私だって、今から居酒屋に就職すれば、もちろんいろいろなことを事前に確認しておくだろうし、メニューへの目配りもきちんとできるだろう。しかし、二十歳前後でバイトで入ったら、そんなに分かってないと思うんだよね(それをいつまでも良しとする訳ではない)。
ジジイのしたり顔が不愉快で、まあこの辺で切り上げておくか。勘定をしてくれたのが、初心者バイト氏だったので、帰り際に「仕事頑張ってな」と一声かけておいた。不真面目にやっているならともかく、きちんと真面目に取り組んでいたのである(知識不足は否めないが、これから解消できることだ)。
今日の奈良は雨がちだったのだが、アーケードがあるので繁華街を歩くのは楽だ。街の中心部の方向に移動し、事前に調査しておいたバー「D」へ。前回行ったバー「H」も健在のようだったが、まだ開店時間前のようだったので、断念したのである。
バックバーをしばし眺め、この雰囲気はウィスキーかなということで、バーテンダー氏に「平凡でなく、といって強烈すぎないお勧めを」と中途半端なことを言ってみた。そこで出てきたのが、タリスカー18年。値段も教えてくれたのだが、それは多分安いはず。早速、飲んでみることにした。
なるほど、タリスカー10年の味とはかなり違うが、モルト香の突出しないバランスの良い味。それでいて、流石18年という奥の深さも感じられる。よし、この注文をベースにして、もうひと味違ったものを推薦してもらおう。
で、登場したのがトマーチン18年。最初かたくなな感じもしたのだが、バーテンダー氏のお勧めもあって、ちょっとだけ加水してみることにした。するとどうだろう、突然爆発的に味が変わり、非常に甘く感じられるようになったのである。これは面白いし、美味しいウィスキーと言えるだろう。
電車で京都に戻らなければならないので、この辺にしておこう。何でもかんでもピート香至上主義はどうだろうとか、今の「ヤング」モルト主義はいささか気に入らない等、いろいろウィスキーについて語ってくれた店主であるが、バーテンダーとしては重大な欠点が気になる。そこさえ何とかなれば…。多分、一生行くことはないので、詳しくは書かないし、店名も分からないようにしておこう。
近鉄奈良駅に戻り、面倒だったのでちょっと贅沢に特急で京都に戻る。流石に特急と名前が付くと、特急料金(結局500円だった)が必要になる。車内放送を聞いていると、1号車に喫煙ルームがあるらしい。これは周辺に臭いがもれない限りにおいて、中々よいサービスではないかな。
京都に戻り、またバスで四条大宮へ。夕食らしいものを食べていないので「OS」へ(またか…)。麺類が食べたくなりちゃんぽんを注文。あっさり味なので、途中からラー油を少し足して食べてみた。悪くなかったが、今にして思うと、一番オーソドックスなラーメンを食べてみるべきだったような気がする。
本日、雨のせいもあって21472歩。