兵担保が脆弱なロシア軍は、祖国を守る決意と士気が高いウクライナ軍に苦戦している。この事実は明らかだ。しかし、ロシア軍が苦戦すればするほど、時がたてばたつほど、ロシアのプーチン大統領は市民への無差別爆撃を強め、化学兵器を使用する可能性が高くなる。
ただロシア軍がいかに士気が低く兵站が弱くても、戦力は明らかにロシア軍が高い。ロシア参謀本部はきょう、超音速ミサイルを発射してウクライナ軍の火薬庫を攻撃したと発表した。ウクライナ軍に脅しをかけた側面が強いが、それでも前線が不利なら非人道的な武器を使用することをいとわないとの決意を示唆している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアのプーチン大統領と首脳会談する時が来た」とプーチンに会談を呼びかけている。それはウクライナ市民の死傷者が急増している証拠だ。そしてウクライナ軍の消耗もひどくなりつつあるのかもしれない。ただプーチンは「ウクライナの非武装中立、ロシアによるクリミアの領有」など当初の無条件降伏とも言える条件をウクライナが飲まなければ、首脳会談に応じないだろう。
プーチン大統領はKGB(諜報部門)出身からして、妥協することは敗北だと見なしている節がある。スパイは生死があるだけで、中間はない。そしてゼレンスキー大統領が今のところ、プーチンの無条件降伏を受け入れる用意はないだろう。
世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社として知られる「ユーラシア・グループ」のイアン・ブレマー会長は①ケレンスキー大統領が妥協して停戦交渉に持ち込む②ケレンスキー大統領は徹底抗戦するーという二つのオープション・シナリオを提示している。
ケレンスキー大統領は「国を裏切る停戦はしない」と断言している。このためロシアのプーチン大統領の停戦条件とは余りにもかけ離れている。私はウクライナが徹底抗戦し続けると思う。そしてロシア軍が広大なウクライナ全土を占領し、それを統治する戦力は持ち合わせていないことも明々白々の事実だ。
第2次世界大戦前のスペイン内戦のように3年も4年も続く悲惨な戦争になるかもしれない。それはウクライナ国民の流血と世界経済の大打撃を意味する。
世界経済の破綻を決して望んでいない中国の習近平が自国の国益(世界経済の繁栄に基づく中国の発展)を自覚して仲介者に乗り出してほしいと願う。その際、中国一国だけでは、ウクライナは和平のテーブルに着かないだろう。米国、中国、西ヨーロッパ諸国、トルコ、願わくば日本がロシアとウクライナ双方の妥協を引き出し、両国に公平な裁定を下すことだ。それが平和への復活の道だと思う。
PR:チャーチルの人生観や生き方をエピソードを交えながら記した「人間チャーチルからのメッセージ」をご一読ください。アマゾンなどで販売しています。また左端に内容を記した案内があります。
ただロシア軍がいかに士気が低く兵站が弱くても、戦力は明らかにロシア軍が高い。ロシア参謀本部はきょう、超音速ミサイルを発射してウクライナ軍の火薬庫を攻撃したと発表した。ウクライナ軍に脅しをかけた側面が強いが、それでも前線が不利なら非人道的な武器を使用することをいとわないとの決意を示唆している。
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プーチン大統領はKGB(諜報部門)出身からして、妥協することは敗北だと見なしている節がある。スパイは生死があるだけで、中間はない。そしてゼレンスキー大統領が今のところ、プーチンの無条件降伏を受け入れる用意はないだろう。
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