hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

乙一『箱庭図書館』を読む

2011年07月23日 | 読書2
乙一著『箱庭図書館』2011年3月集英社発行、を読んだ。

読者参加企画「オツイチ小説再生工場」に応募したボツ小説のなかから乙一さんが選定してリメイクした6編の連作短篇集。
元になった投稿作は、サイト「箱庭図書館」で読むことが出来る。

6編の元はバラバラな小説の舞台を“物語を紡ぐ町”をキャッチコピーとする地方都市の文善寺町に設定し、何人かの登場人物をダブらせて、ちょっと不思議な世界を描く。

小説家のつくり方:小学校の先生にノートに書いた物語を3日置きに見せる。先生は読んだ日付だけを書く。そして少年は小説家になる。姉は日常生活に支障をきたすほどの本好き。(○)

コンビニ日和!:とぼけたコンビニ強盗と、バイトの気の弱い大学生と毒舌な後輩女子大生のドタバタ。(?)

青春絶縁体:一人ぼっちの高校生が文芸部に入部する。そこにはたった1人の先輩女性が。互いに青くてイタい毒舌を応酬するが、・・・。(○)

ワンダーランド:鍵と鍵穴をめぐるミステリー。(?)

王国の旗:ふと迷いこんだこどもたちが集まる夜の王国。(?)

ホワイト・ステップ:お正月に降り積もった雪の上の靴跡。そこから始まる不思議な出会い。雪を踏みしめるきゅっ、きゅっという音と、雪の上に書く文字だけでの並行世界間の会話。(○)



乙一(おついち)
1978年福岡県生れ。豊橋技術科学大学卒業。
1996年『夏と花火と私の死体』でジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞、デビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で本格ミステリ大賞を受賞。
ミステリー、ホラー、青春恋愛小説などを山白朝子や中田永一の別名義も含め発表。
映画監督の押井守の娘であり映画ライターの押井友絵と結婚。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

読者投稿をリメイクし、両者を比較できるという面白い企画だ。素人とプロの差がよくわかる。その意味では面白いのだが、内容はいまいち。「小説家のつくり方」と「ホワイト・ステップ」はロマンとファンタジーがあってご機嫌なのだが。
乙一という作家を私は初めて読んだが、作品にはグロ(黒乙一)とファンタジー(白乙一)とあるらしい。今ひとつステップアップすると面白い作家になりそうではある。

当地の22日朝ハワイに着いてブラブラして夕方にコンドミニアムにチェックインした。すぐバタバタと文章を直してこのブログを送っている。日本は多分23日午前中なのだろう。
次回からはハワイ旅行日記を送信できると思う。


コメント
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