ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~将の妻、その光と影~

2013-04-23 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「私はただ、故郷美濃を父にお返し頂きたい、その一念である」
朝日「御屋形様とて大恩ある義父上様…同じ思いにございましょう」
ぽそと、
ふく「瀬名様…」
呟いた。
「さぞ、お辛かろう…と存じます」
帰蝶「…ん」
御爺様と決別、元の名を改め、
織田家に屈し、同盟を結んだ。
「御家の為とはいえ、その御恨みは計り知れまい」
同じ天下人の娘でありながら、
瀬名様と私は、光と影の存在。
山育ち、マムシの私とは違い、
朝日「瀬名様…若く美しく、華やかな方と聞いておりまする」
贅を尽くした生活から一転、
駿府の古城に移られた聞く。
姫様姫様と持て囃された天下の美人が、
みすぼらしくなられるは屈辱であろう。
帰蝶「姫の誇りと、妻の尊厳…失わずにおってくれれば良いのだが」
朝日「何分、お若き方にて…」
私たちが危惧した通り、
瀬名様は、その御身を、
その道を危めてしまう。
織田家と同盟関係、婚儀を結んだ結果、
家康殿は妻と嫡男信康を失う事になる。
(築山事件より)
事件その後、
“許せ、瀬名よ、信康よ。余はいずれ必ず、そなたらの恨み晴らさずにおこうか”
帰蝶「家康殿…われ等と志同じくして戴けるのであろうか」
朝日「御方様、葵に気を許してはなりません」


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