ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~INDEN~

2013-05-09 | 散華の如く~天下出世の蝶~
異例の出世に驚きを隠せない様子の小堀、
寧々の草履、細工施された踵を見ていた。
小堀「これ…」
帰蝶「殿を待つ間、外で、それを付け、懐で温めておりました」
寧々に、草履の裏を見せておくれ、と頼み、
寧々「はい」草履の片方脱いで裏を見せた。
小堀「INDEN…」
オランダ製、印度伝来のインデン。
帰蝶「然様、印伝の端切れを細工しておりました」
印伝とは、皮に漆で小紋を装飾施した革製品で、
平安時代から馬具、具足、羽織に使われていた。
その多くは鹿皮、柔らかく水に強いことが特徴。

(※私の草履、鼻緒が印伝です。巷大和アピタに印鑑ケース、財布、巾着などなど販売しておりました)

小堀「…私は、どこを見ていたのだろう」
寧々に草履を返して、
「庭を、土を替える事ばかり考えていた」
帰蝶「小堀殿…」
小堀「お恥ずかしい…私、彼のように草履を直す事、出来ませぬ」
庭を変えれば、それに見合った草履を履く。
大規模造園なら尚、手を加えた履物が要る。
単純な道理が矛盾。当然の理を忘れていた。
「厚かましい願いと存じまするが…」
やはり猿、興味深い男であった。
小堀は瞬時、名を記憶していた。
「その、木下 藤吉郎殿と、お引き合わせ下さい」
この時、猿の位は小堀の下。
しかし、小堀は猿を敬った。
信長「猿を、これへ」
呼ばれた猿は、ハハッと殿の御前に座り、
藤吉郎「猿めが、ここに」頭を下げる猿。
信長「どこまでも、小賢しい猿よ、のう」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。