ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~先の裏切り、果ての裏切り~

2014-01-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
果たして裏切りとは、どちらが先に裏切り、
結果、どちらが裏切り者となるのであろう?
帰蝶「お、お市、無事で何より…」
市は三人の娘を連れ、私たちの許へ戻った。
しかし、長政殿との愛と、戦の爪痕は深く、
お市「無事…?兄上も、義姉上様も、鬼にございます」
心に負った傷は、重かった。
帰蝶「その、…すまぬ」
お市にとって、我らは逆賊。裏切り者でしかなく、
市の愛する者とその幸せを奪った、鬼でしかない。
信長「次は、この兄を裏切らぬ者にしよう」
お市「次…?兄上は女子を何かとお思いで?」
信長「娘が三人も居れば、末が案じられよう」
ひらり、赤いビロードのマントを翻して、
帰蝶「殿…、また、行かれるのですか?」
戦の鬼と化し、この頃から、
殿の異名は、赤鬼となった。
信長「坊主は、好かん」
朝倉討伐石山本願寺、浅井一掃比叡山延暦寺の焼き討ち、
加賀の一向一揆。殿は反発する門徒宗を根絶やしにした。
戦の知らせが入るたび、耳を塞ぎたくなるほどであった。
そんな折、
帰蝶「え…、可成様が…?」
槍の名手森 可成様と殿の弟の信治が討ち取られ、
さらに悪い知らせは続き、殿が足を負傷した…と。
明智「雑賀衆の手の者に、」
帰蝶「それで、殿は…?」
すると、
明智「くす…」と、微かに笑った。
帰蝶「光秀殿…?」


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