ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

通過儀礼

2011-06-08 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
ガッチャン「なら…」グイッと義隆の腕を掴んで、
義隆「ぎぁゃ!」
ガッチャン「俺は“ウソつき”が大嫌いなんだッ!!」義隆の頭を抱えて、ぐうで小突いた。
義隆「え!?」
ガッチャン「狐様を化(ば)かそうなんて、100年早ぇ!」
義隆「お供え物っだって、知らなかったんだ!」
ガッチャン「知らなかったら、ウソで、かばっていいのか?」グッと力を入れ「本当の事を、ウソで隠していいのかッて、聞いてんだよッ!」ギュッと頭を締め付け、
義隆「ッテェッ!」
義経「…」
ガッチャン「ウソ付かれた方が、イテェだろッ!」
義隆「え…」
ガッチャン「お前が、一番怒ってるとこで、一番分かってる痛みだッ!」
義隆「あ…」と、俺の顔を見た。
義経「…」俺は黙って、義隆を見る事しか出来なかった。ただ、心で呟いた、すまん…と。
義隆「父…上…」
ガッチャン「ヒトってのは、よくよくウソをつく。自分の心に、な」スウッと手の力を緩め「ウソは嫌いだが…優しいウソつきは好きだ」と義隆の頭をくしゃくしゃッとして撫でた。
そこへ、鹿角君の後ろから、鞍馬「複雑な心理だな」と、顔を出し、
佐伯さん「心優しい飼い主に巡り合えて、よかった。なっ」と鹿角君の鼻を撫でた。ら…
鹿角君「ぶしゅッ」と鼻水を飛ばした。
佐伯さん「汚いやっちゃな」と、布巾で顔を拭いた。
義隆「佐伯のおじいちゃん…」
佐伯さん「紹介状なんて、筆と紙さえありゃ何枚でも書ける」
鞍馬「お供えもんには…」と匠の持つ、
小角「そこに美味そうなのがあるわい」ます寿司弁当をちらりと見た。
義経「子供相手に、手の込んだ芝居だな」キッと佐伯さんを睨んだ。
佐伯さん「そんな可愛い目で睨むな。ここは修験霊山と同時に、子供の通過儀礼の地だ」
義隆「つうか ぎれい?」
義経「つまり、肝試し…お前が、どこまで頑張れるか、神さんが試したんだ」


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