ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~次は、あの男…~

2014-06-04 | 散華の如く~天下出世の蝶~
“あの子、あの子だけは…”
長男が父を追って討死。父と嫡男の死を受け、
次男は家督を継ぎ、同時に白装束をまとった。
帰蝶「何という矛盾であろう」
息子たちの雄姿を夢見ながら、
死神の弟には、
“南無阿弥陀仏”の祈りを捧げ、
塩川「まるで、この具足で浄土へと行きなさいと言っているような…」
帰蝶「私には…、」
私は複雑な気持ちで、南無阿弥陀仏を木箱に戻した。
殿にお仕えする…それは殿の盾であるといくことで、
つまり、主君と自らの死を二つ、背負うことである。
「殿を、極楽浄土へ誘いなさい、言っているように思える」
塩川「そんな不吉な…」
帰蝶「安土は、その名からは遠く、ざわざわと煩い」
塩川「天下平定前、世がざわめき、人が右往左往するは至極当然。ましてや、あそこは…」
帰蝶「裏切りの地。その心、潜む闇が見えたなら、救いようがあろうが…」
塩川「今、大殿様は…」
帰蝶「もやは、四十七の耳や目には、何も入らぬ」
塩川「ましてや、御子息の誕生となれば…」
帰蝶「そうか。ここにも、殿の噂…いや、事実が入っておったか」
塩川「は、届いておりまする」
帰蝶「年長ばかりをお切りになって」
沢彦様も、名目は隠居。
しかし、実のところは、
口喧しい年長の首切り。
天を治めるに主の、その上は要らぬ。
古いしきたり、頑固固執した考えや、
鈍な判断能力に、老いた体が目障り、
塩川「そして次は、明智様…ですか」


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