戦乱乱世殺戮の、この時代、
怨念怨恨怨霊がのさばって、
子にアザがあれば憑きモノ、
顔に病が現れれば腫れモノ、
ひそひそと陰口、指差され、
親は生霊を捕えてひた隠す。
“触れては成らぬ、見られては成らぬ”
人目付かぬよう幽閉島流し。
下界俗界の接点を遮断され、
帰蝶「なんと愚かな…」
迷信に惑わされる愚かな大人たち。
欲しい時に取り上げられる親の愛。
「これでは手当もままならぬ」
方丈様が作った軟膏を取り出し、
次女の細く赤い腕を私に寄せて、
肩から腕にかけて広がる腫れに
つつつ、つつつと優しく塗った。
次女「こそばい、こそばいよぉ」
体をクネクネ捩じらせて、
そのくすぐったさに笑う。
帰蝶「次は、そなたじゃな」
長女「でも、触っちゃ…」
恥ずかしさが芽生える頃、その醜い腕を袖でひた隠す。
しかし逆効果、汚い小袖が皮膚にこすれて腫れが増す。
帰蝶「触れねば、薬は塗れぬ。さ、腕を出しなされ」
強引に小袖を捲って腕を晒す。
嫌がる長女を私の傍に寄せて、
長女「…うん、…うん」
帰蝶「辛かったな」
長女は私の胸で泣いてくれた。
怨念怨恨怨霊がのさばって、
子にアザがあれば憑きモノ、
顔に病が現れれば腫れモノ、
ひそひそと陰口、指差され、
親は生霊を捕えてひた隠す。
“触れては成らぬ、見られては成らぬ”
人目付かぬよう幽閉島流し。
下界俗界の接点を遮断され、
帰蝶「なんと愚かな…」
迷信に惑わされる愚かな大人たち。
欲しい時に取り上げられる親の愛。
「これでは手当もままならぬ」
方丈様が作った軟膏を取り出し、
次女の細く赤い腕を私に寄せて、
肩から腕にかけて広がる腫れに
つつつ、つつつと優しく塗った。
次女「こそばい、こそばいよぉ」
体をクネクネ捩じらせて、
そのくすぐったさに笑う。
帰蝶「次は、そなたじゃな」
長女「でも、触っちゃ…」
恥ずかしさが芽生える頃、その醜い腕を袖でひた隠す。
しかし逆効果、汚い小袖が皮膚にこすれて腫れが増す。
帰蝶「触れねば、薬は塗れぬ。さ、腕を出しなされ」
強引に小袖を捲って腕を晒す。
嫌がる長女を私の傍に寄せて、
長女「…うん、…うん」
帰蝶「辛かったな」
長女は私の胸で泣いてくれた。