ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~世の、最大の過ち~

2013-07-13 | 散華の如く~天下出世の蝶~
戦乱乱世殺戮の、この時代、
怨念怨恨怨霊がのさばって、
子にアザがあれば憑きモノ、
顔に病が現れれば腫れモノ、
ひそひそと陰口、指差され、
親は生霊を捕えてひた隠す。
“触れては成らぬ、見られては成らぬ”
人目付かぬよう幽閉島流し。
下界俗界の接点を遮断され、
帰蝶「なんと愚かな…」
迷信に惑わされる愚かな大人たち。
欲しい時に取り上げられる親の愛。
「これでは手当もままならぬ」
方丈様が作った軟膏を取り出し、
次女の細く赤い腕を私に寄せて、
肩から腕にかけて広がる腫れに
つつつ、つつつと優しく塗った。
次女「こそばい、こそばいよぉ」
体をクネクネ捩じらせて、
そのくすぐったさに笑う。
帰蝶「次は、そなたじゃな」
長女「でも、触っちゃ…」
恥ずかしさが芽生える頃、その醜い腕を袖でひた隠す。
しかし逆効果、汚い小袖が皮膚にこすれて腫れが増す。
帰蝶「触れねば、薬は塗れぬ。さ、腕を出しなされ」
強引に小袖を捲って腕を晒す。
嫌がる長女を私の傍に寄せて、
長女「…うん、…うん」
帰蝶「辛かったな」
長女は私の胸で泣いてくれた。


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