ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~ゲコゲコ~

2012-07-18 | 散華の如く~天下出世の蝶~
でも…てててて手が震えて、剣が抜けないッ。
信長「これは、Escortだ」
帰蝶「え?エスコート?」
信長「見知らぬ土地に嫁ぎ、さぞ心細かろ…」
バチンッ
帰蝶「で、あの非礼かッ!」掌を打ってやった。
信長「非礼…?」
帰蝶「とぼけおって。契りを拒絶したではないかッ!」
信長「あぁ~。見られておったか…」
帰蝶「な、なんだ、その態度はッ!」
信長「参ったな…俺は、」差し出した手を後頭部に回し、パチンと打って「下戸なんだ、下戸」
帰蝶「げこ?」
信長「あぁ。下戸だ、下戸」
帰蝶「げこ…げこ…?」
信長「酒が飲めぬ。許せ」
帰蝶「下…戸…?」
“きゃぁ~。うつけが、カエルを持って来たわぁ~”
あの噂…、
「ぷ…あははは…あはは…下戸下戸げこげこ…お酒が飲めぬのかぁ。ゲコゲコ…あははっ」
信長「人をゲコゲコとカエルの様に。そういうおぬしは笑い上戸だ」
帰蝶「ふははっ。だって、男が下戸とは。戦の時、どうなさるおつもり?」意地悪な質問に、
信長「酒は元々水。霊水飲んで戦勝祈願」ムッとした顔が、ガキっぽ。
私が大笑いしたので、
信長「少し安堵した」
帰蝶「へ?」
信長「ブスッと笑わぬ女子かと、危惧したが、」
帰蝶「ぶ…」
信長が私の顔を覗き込んで、
ドキッとした。
信長「姫とは思えぬバカ笑い。その方が良い。あはははぁ」と高笑い。