ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

出世欲と支配欲

2012-07-06 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
斎藤「なれる。蝶(出世)だろうが、北の方(身分の高い人の妻)だろうが、俺が保証する」
あやめ「なら、私を…」
男性恐怖症が、
ひらり…と、男の胸に飛び込んで、
「あなたの黄蝶にして下さいませ」
で、交渉成立、と。
嫌いなタイプのデジャブな女は、後の俺の妻。
もちろん、恋愛感情なんてモンは、これっぽっちもねぇし、
形だけの夫婦ヅラした仮面で、妻らしい顔して座ってりゃ、結構結構。
戦乱乱世に、愛ほど無駄なモノはねぇ。
男と女なんて政略知略戦略の利害関係でくっ付いたり、離れたり…、
ってのが、通例だが、
あやめ「あぁ~あ。蝶々さん、飛んで行っちゃったぁ」とイタズラっぽく笑う顔に、
お福さんがデジャブして、
斎藤「これから、お前が、俺の蝶だ」
お福さんの生き写しを前に性分(サガ)が出ちまって、こういう例外が生まれちまう。
彼女を抱き寄せたら、
あやめ「あの…」
腕をこじ開けて、顔を出した。
斎藤「なんだ?」
あやめ「二番茶…忘れていました」
斎藤「そんなクドイ茶、飲めるか。ひっこめ」
あやめ「…はい」俺の腕の中に、キレイな顔が引っ込めて、
「後から、美味しいお茶、入れ直します」胸に頭を埋めた。
斎藤「あぁ…」こういうトコで、サガが出る。
その時、「もう、見てらんないわ」
ひらり、ひらりと、
黄蝶が外に飛び出して、
ひらり、ひらりと、
戦国乱世を舞っていた。