散華の如く～非礼に無礼じゃッ～

帰蝶「う、うぇ…ん」なぜ、私がこんな所に嫁がねばならん。なぜ、敵の所なんか…。
敵だから、斯様(かよう)な扱い、分かっていたはず。
お腹が痛いから泣いているだけで、
別に、あんな扱いされて泣いてるわけじゃない。
でも、帰りたい。こんなとこ…も…ヤだ。
美濃に帰りたいよぉ…。うずくまって泣いていたら、
すぅ…と、
襖が開いた。
信長「飲め」
部屋に戻ったなり、私の傍に座り、黒い飲み物を差し出した。
帰蝶「え？な、なにこれ…？」腹痛の薬か？なんだ、優しいのだな…と思って、
コクコク…コックンと飲み干した後、
信長「生理だろ？」って、
帰蝶「な…」かぁ…となって…「なななな…な、」
何と、ぶ、ぶぶぶ…
信長「カリカリして、突如として怒り出す。間違いなく、せ…」
帰蝶「無礼者ぉー！！」
ドスッ
枕を投げ付け、ヤツを部屋から追い出し初夜終了。
まくらを投げてストレス解消、激痛も少し治まり、
翌朝、あやつの言った通り、初潮を迎えた。
帰蝶「あぁ、めでたし、めでたし、と」
腹痛は幾分和らいだが、腑に落ちん。
絹を陰部に当てているので動き辛い。
「それも、これも、あの野蛮人のせいじゃ」←八つ当たりです。
とにかく、気分悪ッ。いつも冴える勘が鈍り、思考回路はめちゃくちゃ。
心頭滅却火もまた涼し…と、心を無に怒りを鎮めるのだが、鎮まらぬ。
三々九度の非礼と、初夜の無礼だけは、絶ッ対ッ許せぬッ。
と、そこへ、
「若殿様の御成りです」