リニア環境アセス 県議会でも本格議論に(2013年12月13日静岡新聞朝刊)

2013-12-22 00:45:09 | 桜ヶ丘9条の会
この記事に書かれていることは、岐阜県議会、可児市など東濃の各市議会も同様である。県議や市議が、JRの抽象的で、根拠に欠ける説明に、多くの住民が抱いている不安がますます増大している状況の把握が決定的になく、少数の住民の立場に立った議員を除き、ほとんどの議員は、問題の本質や住民の不安に、ただ、一方的なJRの主張を盲目的に繰り返し、しかも、例えば可児市議会での市議の質問に対して、市当局が再三に亘り、「JRとしては」などとまるでJR東海の社員に代わって議員の質問に答える笑えない実態である。


可児市議会が、岐阜県と国に提出した、「事業者(JR)の見解」に対する意見書

2013-12-19 11:12:53 | 桜ヶ丘9条の会
可児市議会が、可児市大萱地区のリニア地上部を地下トンネルにするようJRはリニア計画の変更を求めるという意見書を、岐阜県と国に、12月17日に提出したという記事が載っていた。その意見書を載せる。


「中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価準備書に対する意見の概要及び当該意 見について
   の事業者の見解」に関する意見書


 可児市は東海旅客鉄道株式会社が示した中央新幹線環境影響評価準備書において示され た計画に対し、史跡の環境保全や非常口の設置箇所の変更などを事業者へ要望してきた。 その要望に対し、平成 25 年 11 月 25 日に「中央新幹線環境影響評価準備書に対する意見 の概要及び当該意見についての事業者の見解」が公表され、その中では準備書に示された 計画でリニア中央新幹線建設計画を進めることが改めて示されている。

 可児市内においてリニア中央新幹線が地上部を走行する計画となっている久々利大萱地 区は、陶芸家が多く居住する自然豊かな里山集落で県指定史跡「大萱古窯跡群(牟田洞窯 跡・窯下窯跡・弥七田窯跡)」の存在する場所である。

 また、同地区は、安土桃山時代から志野焼に代表される「美濃桃山陶」が焼かれており、 特に日本美術の代表作と評される国宝「卯花墻」(三井記念美術館蔵)は牟田洞窯で焼かれ たと言われている。
つまり、この地区は美濃桃山陶の聖地であり、現在の自然環境や景観を保全することが、 貴重な文化遺産と芸術活動として根付いている文化財産を守ることにつながる。 もし、リニア中央新幹線がこの地区を地上走行するようであれば、将来にわたり禍根を残 すことになる。

 また、大森地内に建設が予定されている非常口および換気用の建築物は、住宅団地に近 接していることから騒音・振動による住環境及び景観、さらには付近のため池の機能が損 なわれる。
以上のことから、次の項目について国および県においては、事業者に計画の変更を求め ることを強く要望する。

                     記
 
 1.久々利大萱地区において地上部を走行する計画を変更し、地下トンネルとすること。
 2.大森地内に建設が計画されている非常口および換気用施設の位置を変更すること。
 
 以上、地方自治法第 99 条の規定により、意見書を提出する。

 平成25年12月5日

内閣総理大臣 安倍 晋三 様
文部科学大臣 下村 博文 様
国土交通大臣 太田 昭宏 様
環境大臣 石原伸晃様
文化庁長官 青柳正規様 岐阜県知事古田 肇様
                               岐阜県可児市議会

東海環状自動車道トンネル掘削残土による久々利川流域水質汚染事件について(2)

2013-12-18 15:05:04 | 桜ヶ丘9条の会
 
 ストックヤードというのは、残土の仮置き場である。このために地元住民に対する説明会が開かれていなかった。市議会でもほとんど論議されることなく終わっている。ところが、実態は仮置き場ではなくて、永久的に残土を埋め立てる施設として造成され、運用された。これではまるで一種の詐欺である。
 汚染が発覚してから可児市市議会で追及を受けた時、建設水道部長は「ストックヤードと英語で言った方が体裁がよいと思っただけで、実質ははじめから埋め立て処分場であった」と答弁している。このふざけた答弁にたいして、質問した議員が納得しているというのも奇妙な話である。
 国土交通省には、本来汚染を事前に予測して対策をとるべきであったのにとらなかった責任があり、可児市には無知が引き起こした汚染に対する責任がある。岐阜県には水質汚濁防止法を主管し、環境を監視し、汚染があった場合の原因者の究明、指導、取り締まりをする責任があるが、この事件ではほとんどその役割を果たしていない。

4.全国で発生している類似の汚染事件

 硫化鉱物を含有する地層が分布する地帯での道路建設工事などに伴う汚染事例は全国で発生している。東北自動車道路の八甲田工区とか北海道のいくつかの地域などでの事例に関して、各種の学会や研究所報などでも発表が行われつつある。最近では、岐阜県高富町地内の県道工事で発生した残土からヒ素を含んだアルカリ性浸出水が環境中に流れ出たことが報じられており、硫化鉱物以外にも地質由来の汚染が起きることが明らかになった。もともとの地質の中に含まれていたとはいえ、掘り起こさなければ何も起きなかったわけで、寝た子を起こしてしまった工事そのものが汚染をおこした下手人である。

5.汚染物質について

 硫化鉱物と酸素を含んだ水とが反応して生成した硫酸は水を酸性にする。酸性水は斃死したマス・アマゴだけでなく、ヒトを含めたあらゆる生物にとって有害であり、水質汚濁防止法にはpHで規定される基準(環境基準:6.5~8.5)がある。 さらに、硫酸は残土の中に高濃度で含有されていたカドミウム、鉛、銅、亜鉛などの重金属類を溶出し、水系を汚染した。カドミウムはイタイイタイ病の原因物質であり、水質汚濁防止法でヒトの健康を損なう有害物質として環境基準(0.01mg/l)が定められている。

 鉛は古来から鉛中毒を引き起こす有毒物質として有名であり、同じく環境基準(0.01mg/l)が定められている。銅は足尾鉱毒事件の原因物質の中心であり、鉱山廃水や鉱鐸に含まれる代表的な有害物質である。水質環境基準はないが、農業用水基準(0.02mg/l)が定められている。亜鉛は水質汚濁防止法によって水圏生態系に毒性を有する有害重金属として、環境基準(0.01~0.03mg/l)が定められている。
 アルミニウムは土壌中に大量に含有される金属である。水質汚濁防止法などでは有害物質として扱われていないが、酸性雨による森林被害の原因物質として注目されている。すなわち、酸性雨が森林土壌中に浸透してそこに大量に存在するアルミニウムを溶脱させ、そのアルミニウムの毒性が樹木の枯死を招いているのではないかというものである。本汚染事件でも、ストックヤードからの浸出水には高濃度のアルミニウムが含まれ、そのコロイド状粒子が新滝が洞池の異常な水色の原因であったものと考えれられている。さらに汚染発生当時、大量の泡が沢水や新滝が洞池の水面を覆ったが、その分析結果からも大量のアルミニウムが検出されているのである

 水田土壌に関しては、農用地土壌汚染防止法によって、カドミウム、銅の基準が定められている。カドミウムについては、玄米中のカドミウムが1mg/kgを超えれば汚染米となる。くわえて、0.4mg/kgを超えるものが準汚染米として出荷を禁じられている。先に述べた犬山地域で発生したカドミウム汚染米発生事件では、水田土壌中のカドミウム濃度と玄米中のカドミウム濃度とがほぼ同じレベルであることが明らかとなった。すなわち、水田土壌中のカドミウム濃度が0.4mg/kg前後を超える場合には要注意ということである。銅については、125mg/kgが汚染指定地域指定要件値として定められている。
河川底質についての環境基準はないが、出水時に底質が巻き上げられて水田に流入する事態を考えれば、本件については農用地土壌についての基準値を目安に考えるべきであろう。

6.汚染の程度

 酸性浸出水のpHは、最も低い場合2点台となる。環境基準の下限6.5と比べると、水素イオン濃度が約1万倍も高いことになる。有害重金属類は、銅が農業用水基準を超え、亜鉛は環境基準を超えている。

 鉛やカドミウムは、環境基準と比べると極端に高いわけではないように見えるが、環境省が全国の都道府県に機関委任して行っている河川水調査結果(公共用水域水質監視調査結果)と比較するとかなり高い。重金属類は河川生態系に大きな影響を及ぼし、さらには底質や水田土壌に蓄積していくことから将来的に大きな禍根となる。水田ではカドミウム汚染米の産出の可能性も考えられる。
 浸出水の水質以外にも警戒しなければならないことがいくつかある。大萱地区では地下水を水道水源としており、底部に遮水工が施されていないストックヤードから地下に浸透した酸性浸出水がその地下水を汚染しはしないかという危惧がある。国土交通省は、ストックヤード底部には固い瑞浪層群の岩盤があるから地下浸透しないとしているが、その岩盤にひび割れがないという保証はない。
 降雨出水した時に、集水しきれない汚染酸性水が調整池に流入し、それが下流へと越流しないという保証はない。また、浸出水が降雨時に濁ることが確認されており、それらが下流へと流下し、農業用水路を経由して水田に沈殿する可能性もある。名古屋大学災害研究会の調査によれば、丸山地区の水田の水口と水尻を比較するとカドミウム濃度が水口で高い。カドミウム汚染米が産出するところまではいっていないが、この傾向が続けば水田にカドミウムが蓄積していく可能性も考えられる。
 現在は、水処理プラント(後述)で重金属類が除去され、pHが中和されて放流されているが、硫酸イオン濃度はかなり高い。各種水質基準に定められてはいないが、高濃度の硫酸イオンやそれを中和するために投入された石灰に起源するカルシウムイオンの米への微妙な影響がないとはいえない。

第3回リニア問題勉強会 (リニア問題を考える桜ヶ丘ハイツ住民の会)を開催します

2013-12-16 16:50:40 | 桜ヶ丘9条の会
リニア問題を考える桜ヶ丘ハイツ住民の会

            
            第3回リニア問題学習会

 第3回目の学習会は、桜ヶ丘地区在住の可児市議会議員の小川富貴さんに、市議会での質疑応答の経緯について詳しく報告していただきます。
 小川議員は、過去可児市で起きた、東海環状線のトンネル掘削工事の残土の処分場から、重金属が浸透し、新滝が洞ため池に流れ込み、魚が数千匹死んだことをきっかけに、久々利川に漏れ出して、基準値を超えて含まれていたカドミュムに汚染された久々利川の水を利用して耕作していた稲が枯れてしまった事件の経緯や、三重県の石原産業が、東海各地にバラまいたフェロシルトから六価クロム、フッ素と行った有害物質のみでなく、アスベストが基準値を超えて検出され、全量撤去処分に発展した可児市大森地区の産業廃棄物不法投棄事件などの経緯などにも関与し、今回、急浮上したリニアルートが桜ヶ丘ハイツのど真ん中の欅ヶ丘地区をトンネルで通過することに対して、数回にわたって、可児市議会で、注意を喚起してきた結果、当初は岐阜県も、可児市もリニアルートは、1万人もの住民が暮らす大住宅団地である桜ヶ丘ハイツはルートから回避するようにという意見を掲げていたが、今秋JR東海が発表したルートは、その意見を無視し、桜ヶ丘ハイツの真ん中の欅ヶ丘地区を通過し、しかも、歴史的価値のある古窯群のある久々利大萱地区を高架橋で地上を通過すると発表した。
 これに対して、大住宅団地回避が大前提だと言っていた岐阜市も可児市も、意見を無視して一方的にルートを発表したJRに対して、何ら抗議もせず、その後の岐阜県、可児市の意見書からは、桜ヶ丘地区の問題が消えてしまっている。
 発表されたルートからわずか80mという近接した位置にある皐ヶ丘9丁目の住民からは、騒音や振動、電磁波が健康に及ぼす影響を心配する声が上がっている。
 リニア問題を考える桜ヶ丘ハイツ住民の会は、急なことであるが、第3回勉強会を開催し、さらに問題点の理解を深めていこうと考えています。

                  記

     日時    12月21日(土) 午後1時30分~午後4時00分
  
     場所    桜ヶ丘公民館・視聴覚室

     報告者   可児市議 小川富貴

     参加は自由 どなたでも聞きにきてください。報告のあとは、フリートーキングです 

 

可児市議会 リニア問題の質疑(小川富貴議員)

2013-12-16 00:04:26 | 桜ヶ丘9条の会

ちょっと長いが、今年の6月11日、可児市議会で、「リニア央新幹線の影響」と題して、小川富貴議員が質問し、市を代表して、企画経済部長(加納正佳)が回答した質疑が議事録として、公表されたので、載せる。


2013年6月11日 平成25年第2回定例会(第2日)本文
261 17番(小川富貴君)

◯17番(小川富貴君) 17番議員、みどりの風、小川富貴でございます。

 本日は3項目、リニア中央新幹線の影響、そして2番目、3番目は大きくは教育の課題についての通告をさせていただいております。よろしくお願いいたします。

 それでは、リニア中央新幹線の影響というところから質問をさせていただきます。
 一昨年、方法書というものがJR東海から出されました。この中でJRのリニアのルートが桜ケ丘ハイツという1万人の住宅団地の3キロのエリアをすっぽりと予定エリアに入れて、そういう発表がされたわけでございます。それから、方法書が出てからこれで約2年ぐらいになるわけですけど、その間、市からも県からも住民からも意見がいろいろJRのほうに出されました。
 調査がこの間されてまいりました。おおよその調査をしたということで、先回、5月25日でございました。多治見市でその説明会がございました。私も出席させていただきました。内容を逐一聞いておりました。本当に一生懸命資料もいただいたものを見ながら、最後までお聞きしておりました。私を含め多くの方がそれを聞いた後、えっというふうに思った点がありました。何かと申しますと、避けるべき場所ということを大きく幾つか何点か挙げられました。要するに、3キロの幅の中で最終ルートが決まるわけですけれど、その最終ルートを決めるに当たって、こういったところは避けなければならないという点が幾つか御紹介、非常に合理的な理由から紹介がされました。それは調査をされた結果、幾つかのボーリングをされて調査をされたというふうにお聞きしていますが、その調査をした結果、こういうところを避けなければならないという説明であったと思います。

 でも、私たちは聞いていて、えっというふうに思ったのは、大前提である住宅密集地というものが置き去りにされたまま、もちろんウラン鉱を避けていただかなければ本当に怖いことだと思います。湧水湿地、これも避けていただきたいと思います。貴重な動植物の生息域、これも本当に避けていただきたいと思います。こういうものの紹介だけで、人々が密集して暮らしている住宅団地の紹介がありませんでした。
私、最後まで聞いていて、質疑応答のときに思い切り手を挙げまして、見苦しいほど大きな声ではいと言って当てていただいたんですけれど、なぜ住宅密集地を避けるという、こういう避けるべきというところがあれば当然優先順位として高いところで言っていただけるものじゃないかなというふうに思ったもんですから、なぜそういうことがなかったのかお聞きしたかったんですけれども、どのみちその場でそんなことをお聞きしても、まだ決まっていませんからという答えが来るだけだと思ったもんですから、実務的な内容の質問を3つさせていただきました。
まず、団地の下を通るというトンネルはどのくらいの深さで、何キロぐらいの速さで1日何本通るんですかというのは1問目の質問にした。3つしか聞けないとおっしゃったもんですから、それを1問目の質問として入れさせていただきました。
 まず、トンネルは何キロぐらい下ということについては答えられないということでした。
 何キロぐらいの速さで行くんですかというふうに聞いたら、500キロの速さで行く。桜ケ丘団地の下は急カーブになりますから、半径8キロでぐうっと曲がっていくんですね。だから、500キロを出したまま通過できるのかどうなのか、ちょっとそこをもう一度お聞きしたいところですけど、とりあえず500キロで行くというふうに言われました。
 1日何本ですかということに関しては、1日じゃなくて時間、当面5本、将来8本。本当に5本だけかなと思って、ほかの方に確認したら、5本というのはこっち行きが5本だから、こっち行きを入れると1日10本、将来はこちら行きが8本で、こっちも行き8本だから将来16本というふうに答えられておりました。

 期成同盟会は、もっと本数をふやしてくれというような形でよその県で出ているように思います。岐阜県の期成同盟会がそれをやっていらっしゃるかどうかはわかりませんけれど、そうすれば本数は多分もっとふえてくるんではないかなというふうに思っています。
 それで2点目は、私が平成23年の12月議会で質問させていただきました磁界の問題でございます。
 あのとき質問して、あれ以来、JRにお聞きしてもなかなか磁界のことについては明快な回答がいただけないままでおりました。それで、せっかくの機会だったものですから、この電車のモーターの直下、一番磁界が生ずるところ、直下でどのくらいの磁界が生じていますか、そしてまたそれの影響はというふうにお聞きしましたら、ICNIRPというところが出している図表があります。これを出してきて、JRがポイントとしてはかっていらっしゃるところの数値を表示してくださって、このガイドライン内だから安全です、大丈夫ですというお答えでした。私がお聞きした、いわゆるモーター直下でどのくらいの磁界が発生しているかに対するお答えはありませんでした。

 それと、磁界に対しては3乗で減衰するということを最初におっしゃっていただきました。先回、私は議会で2乗で減衰するということで御紹介して、数字も申しまして、公文書で私が言った数字も残っております。そういったこともありまして、私は2乗と3乗というのはまるっきり地平が違うんです。見える景色が違うんですね。1,000掛ける1,000は100万ですけど、1,000掛ける1,000掛ける1,000は10億になるわけです。だから、物すごい大きな磁界が発生していても3乗で減衰していけば、少し離れれば小さい数字になるという現実があるものですから、本当に3乗ですかと。前は、私がお聞きしたときはたしか2乗だとおっしゃった覚えが私にはあったんです。それで、私の知り合いの物理の研究者にもお聞きしたら2乗だというふうにお聞きしたもんですから、前回の一般質問のとき、2乗で減衰する数字までここで申し上げていました。

 なぜ3乗ですかということをずっとお聞きしているんですけど、複雑過ぎて説明できないというお答えのままです。中津川へ私が聞きに参りますから、どういうふうな形で3乗になるかということを教えてくださいというふうにお願いしていても、中津川では、とりあえず今それをお伝えすることはできない、そういうスタッフはいないということで、でも3乗という数字をおっしゃってくださっています。
 それから、この図でございます。JR東海はICNIRPというドイツのNPOですけれど、International Commission on Non-Ionizing Radiation ProtectionというドイツのNPOが出しているガイドライン内の数値であるから安全であるというふうにおっしゃっていらっしゃるわけです。
このグラフを出して紹介してくださっています。ホームページにも紹介されています。
 しかし、載せられている見解が本当に少ないです。私たちが本当に知りたいと思う数値はなかなか表示していただけていません。リニアの了解というものがございますが、これは周波数についてだけはリニアの了解ということで、ゼロから12ヘルツまでがリニアの了解というふうにして表示されています。ところが本当に知りたい磁界の強さについてお聞きすると、それはわかりません、今は申し上げられませんというところで、わかりませんというお答えしか返ってまいりません。でも、ここのやつを見ますと、おおよそリニアの了解の中で40ミリテスラと書かれています。こうして御紹介いただく見解のほかに、紹介していただけるほかにはかっているようなものはありませんかというふうにお聞きしたら、社内で1.33ミリテスラというものを検出しているというふうにおっしゃってくださいました。要するに、シールドというものでしっかり車内はカバーされています。そのシールドの床上1メーターのところで、1.33ミリテスラという数字が出たということを集会のときに答えたということで、それはある意味公式になっている数字だというふうに御紹介いただきました。

 基本的なところの共通認識で1つ申し上げておきたいんですけれども、周波数は周波数です。ICNIRPの座標を使っているものです。ただし、1つ違うのは横軸はヘルツ、周波数ですが、縦軸、ICNIRPは、こんなミリテスラなんていう大きな単位は使っていません。電気屋さんの工事屋さんの発注書ではないわけです。本当に微細な電磁波、しきい値4ミリガウスで小児白血病が2倍から3倍になるということ、先回の議会でも御紹介いたしました。そういう世界の人体に、あるいは植物に影響があるんじゃないかというICNIRPの座標、ここはミリテスラなんて、こんな電気屋さんが使うような単位ではなくて、3つゼロが小さいマイクロテスラが原本では使われています。JRではミリテスラですね。原本はマイクロテスラで書かれています。
 だから、簡単に御紹介しますと、ここに書いてある0.2ミリテスラというのは、200マイクロテスラということです。ここに書いてある大きい40ミリテスラと書いてあるものは、4万マイクロテスラ、ガウスに換算しますと40万ミリガウスになります。だから、減衰していって、例えばドイツは両脇300メーターを緩衝地帯としています。ところが、上海、片一方75メーターですか、両脇で150メーターというところで計画が頓挫しているのが世界の実態でございます。そういったことで、お聞きしたのはどれだけですかということでお返事をいただけなかった状況にあるということです。
 それで3点目にお聞きしたのが、地上権の問題をお聞きしました。

 大深度法というのは、岐阜県はその法律の網をかぶっていませんから地面の権利は上下に及ぶという民法の定めに従うのかなというふうに思ったものですから、そのことをお聞きしましたら、トンネルの入り口と30メーター以内という多分お答えだったと思います。私はよくそのお答えが理解できないんですけれども、とりあえずそういう質疑で終わりました。最終的に終わってみて私が感じましたのは、安全ですから大丈夫ですよ、そこをどうしてですかということが明らかにならない前に、全くガイドライン内ですから安全です、大丈夫ですという、避ける場所の中に大型団地、住宅密集地が上げられなくて、このまま本当に準備書でルートが決まってしまう、そういう状態でいいのかしらという不安でおります。


 可児市も全文紹介させていただきましたけれど、JRや県に対して5つの意見書を出していただいていますけど、大型団地のことを優先順位1番で考慮するようにということで意見書を県に出してくださっているはずです。団地のほうも皆さんの意見、市のほうに届いているというふうに認識しております、みんなの意見が。もっと言えばリニア新幹線、東京から名古屋までの間、全部これ取り出してみます。JRが出している各県の説明書です。全て住宅、例えば東京においては多摩ニュータウン、町田市街地を除きます。神奈川、市街地を回避します。山梨、市街地が伸展している甲府盆地北部、中部を回避します。岐阜、市街地が発展している多治見市北中部を回避します。愛知県、市街地が進んでいる高蔵寺ニュータウンを回避します。わざわざこれ全部回避します。
 こういうふうな形で住宅街を回避する件からも、もともとの国のあり方、それから市からの意見、住民からの願い、こういったものがあるにもかかわらず、住宅地を回避するという、ほかは回避するという話はあったわけですけれど、住宅密集地を回避するという明らかなものがありませんでした。
 当初の方法書の中にも自然的条件と社会的条件というのはちゃんと分けて、社会的条件、要するに住宅地をきちんと調査しなさいという調査事項に入っているわけです。その調査をした報告をするのに、それが出てこなかったことに本当にみんな不安を感じているところです。

 質問1点目でございます。
 桜ケ丘ハイツの下をトンネルで通るルートが幅3キロで示されています。小・中学校を含む住宅密集地を避けてほしいという住民の意思をどのように生かされているのでしょうか、お尋ねするところでございます。
 そして、2点目でございます。
 これ拡大いたしましたけれども、25日にいただいたウラン鉱の分布図です。ピンク色の箇所が桜ケ丘ハイツです。だから、桜ケ丘から見れば、ほんの4キロ、5キロのところにこういう形でウランが分布しているということがわかるわけでございます。ここの赤いぽちんというのは、例の重金属、東海環状自動車道路で出た100万トンの土が埋められているポイントです。こういったような位置関係だということがいただいた資料でわかりました。
 ここをまたラジウムを掘って、それが崩壊するとき、ラドンという放射性物質をまた、それでなくても調査のためにたくさん今までくいを打たれたものがあったから、ここら辺の放射性物質の数値が高いと言われています。それはみんな知っているところですけれど、またここを掘ってくる。おまけに、東海環状自動車道路で出た土の、まさしくそこをまた掘ってくるわけです。その土のことについての問題でございます。
 2番目です。トンネル工事での発生土の市内受け入れについての御見解を示してください。
 なぜこれを上げるかといえば、やはりこの間の説明会の折では、リサイクルをしていただくというお話をされました。まさしく先回、東海環状自動車道路のトンネルのとき、担当の方がおっしゃっていらっしゃったこととよく似た話の内容だったものですから、また同じことになっては決してだめ、でも可児市はそういう経験則を持っていますから、よほどそこら辺のことは考えてくださっているんだろうというふうに思うわけですが、願う、祈るわけでございますが、この点について受け入れをどのように考えていらっしゃるか、見解をお聞かせください。
 以上、2点でございます。長くなりました。失礼します。

◯企画経済部長(加納正佳君) 
 それでは、質問項目1につきまして、ルートに関する住民意思についてのお答えをさせていただきます。
 現在、公表されております幅3キロの概略のルートにつきましては、平成23年度の環境影響評価法配慮書及び方法書にて示されたところでございます。市からにつきましては、環境影響評価方法書の手続によりまして意見提出をしておりまして、住民等の意見提出の機会に合わせ、平成23年11月10日にJR東海に直接提出、また12月15日には、岐阜県知事に地元自治体としての意見を提出してきたところでございます。
 その中では、桜ケ丘に関する意見として、概略ルートの上には約1万人が居住する閑静な住宅団地があることから、磁界の人体への影響を初め、騒音、振動、微気圧波の予測には詳細な調査を行うことを求めています。また、JR東海は予測方法として山梨実験場の事例の引用や解析からとしていますが、どのように予測、評価し、市民生活に影響を及ぼさないような手法をとるのかを求めてまいりました。
 この方法書の手続を経て、先ほど紹介もございましたが、ことし秋ごろに公表される環境影響評価準備書におきまして、具体的なルート及び駅の位置を示し、縦覧に合わせて各地で説明会を開催するとJR東海から聞いております。
 市といたしましては、説明会での地域への丁寧な説明を求めるとともに、準備書で公表される環境影響の具体的な内容を見きわめまして、地域住民の皆さんが不安を感じないよう対応してまいりたいと考えておるところでございます。
 質問項目2.発生土の市内での受け入れの見解についてということでございます。
 JR東海は発生土の処理につきまして、本事業内での再利用や自治体への公共事業での有効活用などを提案しているところでございます。現時点では、具体的な協議は受けておらないということでございます。このため、今後ともJR東海からの協議を初め、県や近隣市町村の動向などを注視してまいりたいと、このように考えております。
 市内には、美濃帯と呼ばれる環境への影響が懸念される地層が一部にありますが、JR東海が先月行った、先ほど御紹介のありました多治見市での説明会によりますと、国の基準により適正に対処するとの説明を受けておりますので、御報告をさせていただきますということでございます。以上です。


◯17番(小川富貴君) 最初の質問のときにいろいろ長くなりましたことをおわびします。

 再質問をさせていただきます。
 準備書が次に、もうよくわからないんですね、方法書だとか準備書だって。相手の土俵に乗った言葉だなと思うんですけど、これが共通用語なら、それを使わざるを得ないですけど、準備書というものが出てくるのは9月から10月ですから、そのときにはおおよそのルートが選定されて出てくるわけですよね。おおよそ決まってくるわけですね。決まってしまってからどうのこうの言っても、決まってしまったら唯々諾々と従って、それに付随する膨大な作業がまた出てくるわけですから、それの作業をこなしていくことになると思うんですけれど、私たちが本当に心配しているのは、避けるべき場所をしっかりおっしゃってくださいましたよ。一番、もっと前に避けなきゃいけない住宅密集地についての言及が全くなかったわけでございます。だから、みんな心配しているんです。私のところにいらっしゃったりもしているんです、ここのところをちゃんと聞いてきてくれと。御紹介くださったように、市は優先順位1番で市長、1万人の住居をちゃんと考慮するように入れてくださいました。

 ところが、県の意見書、どこにそれが書いてあるのか探したんですよ、私。県の意見書がJRに持っていかれるやつ、探したんですよ。優先順位1番のところに、まさしく今回JRが言ったように避けるべき場所、湧水湿地、ウラン鉱、文化財があるところ、それから1万トンが埋められておる処分場を避けなさいと書いてあるだけ。こういう団地、住宅密集地について、配慮してくださいというような言及って探し回ったんです。ようやく12番目、終わりのほうに牧歌的な文章がちょろっと載っているような状況でした。県のJRに対する意見書というのは、もう時間がありませんので読みませんが。
 私が平成23年の12月議会で質問したとき、市長、県と一緒になってやると言っているから、ちゃんと言っていくというふうに答えてくださいました。わざわざ読み上げません、これも。確かにそのように答えてくださっているんです。JRに対してはきちんと数字も明らかにするようにということもおっしゃってくださっています。さっきも御紹介したように明らかにしていないです。どれだけ聞いてもわかりませんとか、今は言えません。明らかにもしない、本当に安心できるんだったらいいんですけれど、そういう状況の中でルートだけ決まってくるということについて不安を感じていることをわかってくださって、県に対してでもきちっと大型団地密集地は大前提として避けるべきではないかという声を届けていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。


◯企画経済部長(加納正佳君) 
 先ほど申しましたように、そういった意見を聴取されまして、予測、評価して、今調査の最中でございます。
 この調査に基づいて準備書ができ上がるという時期でございまして、それが秋ごろということでございますので、今言っていっても、前言った意見が全てではございませんが、配慮されながら予測、評価をして調査をしているという段階でございますので、例えばあそこの住宅団地を避けてほしいという要望につきましては、個々固有の条件でございますので、JR東海に申し入れても受け合っていただけないということだと思いますので、先ほど言いましたように、そういうことは配慮して調査をした結果でルート、駅等を発表してまいります。このときに法的な手段として、可児市もしくは地元の意見として意見聴取がなされますので、適正な時期にそういった意見を上げてまいりたいということでございます。
 
 ◯17番(小川富貴君)
 スケジュールが着々と決まっていますよね。9月から10月に準備書、おおよそのルートが決まった、ほとんど決まったルートになると思います。
 おっしゃっているのは、そこから意見を聴取して、そういう段取りはあるわけですよね。評価書になっていくわけです。決まってしまってから意見を聴取してどうなのかなというふうに思うところもあるんです。まだ今調査をしているというふうにおっしゃいました。おおよそ調査が終わったからの説明会だと私は認識しておりましたけれど、どういうわけか、まだ調査を一方ではしているというふうなことでございますよね。
 まだ、最終的に決まっていない今だからこそ、住民の人たちがおっしゃるんです。決まっちゃってからは動けない、なかなか。だから、決まる前に何とかもっと市から県に言うとか、そういう手はないですかというふうに言われているわけです。だからこそ、何とかもう1度でも2度でも県のほうに住宅密集地、最初に御紹介したように東京から名古屋までの286キロ、住宅密集地は全部避けられてきているわけです。ここだけが密集地で入っているわけですから、湧水湿地も大事でしょう、文化財も大事でしょう、ウランは避けてもらわないといけないんですけど、住宅密集地をまず避けてほしいということを市のほうから県のほうにもっと要請して、この間いただくことはできないでしょうかということを、繰り返しになりますか、これ。繰り返しになってだめということだったら、だめと言ってください。

◯企画経済部長(加納正佳君)
 先ほどもお答えしましたとおり、法的な手続を踏んでやるとおっしゃっておりますので、その結果、準備書ができた時点で正式な意見があるのならば、それを伝えていきたいということでございますし、その中を十分見きわめるということを先ほど申しましたが、地域住民の皆さん方にはそこでの説明で不安を感じないような対応をしてまいりたいという中で、そういう正式な意見をあれば申し述べていくという考えでおりますので、御理解いただきたいと思っております。

◯17番(小川富貴君) 
意見を述べていくとおっしゃいましたよね。準備書が出てから意見を述べていくという理解ですか。じゃあ決定してから意見を述べていくということでございますね。

 私は、今、市がやらなきゃいけないのは現在の客観的事実、スケジュールも含めてですよ。市はこういう要望をしたんだけれども、現実的にはこういうような避けるべき場所として密集地が公表されていないことから始まって、今の状況を県にもう少し言っていただきたいという思い、それはできないということであれば、住民にも呼びかけて、まだ決まるまでに3カ月ありますからね。住民にも今の客観的な事実を伝えるというのは、市はどういう役目かといったら、住民の安心と安全を守るのが行政の皆さんの一番の仕事です。その上に立って、住民に今の客観的な事実をきちんと、例えばこういうふうに示されたウラン鉱があります。桜ケ丘はこういうところにあります。これも事実ですよね。客観的な事実です。こういったものをきちんと住民に伝えるということについてはいかがでしょうか。
◯企画経済部長(加納正佳君) 
 客観的な事実といいますか、いろんな調査をやりながらルートを発表したときに、3キロの幅でこの中を通るということは容認していかなければならないと考えております。
 感情的には、住民の皆さんが不安に感じられるようなことがあれば伝えていくのが本意でございますが、今その時期にないというところでございまして、法的な手続の中で必要なことはお伝えして、準備書が出た段階でも重要な変更の手続もとれるというのがシステムになっておりますが、ただ、その意見が通るかどうかにつきましてはわかりませんけれども、そういった場所で、適正なときに適正な意見として出していく、これが必要ではないかというふうに考えておりますし、地元のほうでも、御承知のように3自治連合会で対策協議会を今つくっておっていただきます。いろいろ説明会等々にも参加をいただいておりますが、そうした中で共有の認識として、いつの時点に、3キロの幅の中で今どこを通るということはルート発表ができておりませんので、ここを回避してくれと言っても、その幅の中で、じゃあこっちならいいのかという議論になりかねないということもありますので、幅の中でしっかりした位置、ルートが決定した時点では影響がないと、基準以下に抑えるということを発表するわけでございますので、地下を通るというふうに考えておりますが、そういったものを見きわめて適正なときに意見として出していくのが一番いいというふうに考えております。
     
◯17番(小川富貴君) 
 法に従ってとおっしゃいましたよね、今。法に従って準備書ができてから皆さんに説明する。ある人たちは、決まる前になぜもっと早くちゃんとしたことを伝えてくれなかったかと。もし万が一住宅密集地の下を通るということが決まったときにですよ、大騒ぎになった段階で。そういったことなどを考えたときに、今やっておくべきことはあるんじゃないかなというふうに考えていたところでございます、今お話をお聞きしながら。

 けさ来るときも、私の家は桜ケ丘の一番多治見に近いところですから、ずうっと車で桜ケ丘、皐ケ丘、桂ケ丘を通ってきたわけですけれども、穏やかで静かな人々の暮らしのある桜ケ丘時間が流れているわけです。それとは反対に、工事の日程は機械的に刻々と進んでいます。できる限りみんなの不安がないような形で対処していただきたいというふうに思います。

 そして、2点目の土の問題でございます。

 お話をお聞きすると、市は適正にしていくということで、要するに受け入れることがあるのかないのか、どうなんでしょうか。路盤材で使っていただくとか、それぞれの市町村ごとにというようなお話もちょっとあったようですけれど、市がそれらの可児市で掘った土を、可児市でどこかでまた受け入れというような形になる可能性もあるんでしょうか。そのことについてお伺いします。
◯企画経済部長(加納正佳君)
 トンネルの残土につきましては、先ほど言いましたとおり、正式な協議、処理をしてくれというような協議は受けておりません。現在は考えておりませんというのが答えでございます。
 今後、そういった協議があれば、受けとめはしますけれども、予定した残土処理場、そういったことも今のところ用意しておりません。
 
◯17番(小川富貴君) ありがとうございます。明確な答弁であるというふうに思います。
 この点については、これで終わらせていただきます。