夜の酒場通い 議員を辞職すべきだ
2021年2月18日 中日新聞
緊急事態宣言下の夜にまたも、自民党議員の高級酒場通いが発覚した。同様の行為で与党議員が議員辞職や離党した直後で、より悪質だ。国民代表という意識を欠く。即刻、議員辞職すべきだ。
週刊文春の報道によると、自民党の白須賀貴樹衆院議員(45)=千葉13区=が二月十日午後八時半すぎ、東京都内の会員制高級ラウンジに入店し、一時間半近く滞在していた、という。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言下であり、自民党の二階俊博幹事長は党所属国会議員に対し、飲食を伴う会合参加と午後八時以降の不要不急の外出自粛を要請中だ。
国会議員による深夜の飲食店訪問を巡っては今月一日、松本純、大塚高司、田野瀬太道の各衆院議員が銀座の飲食店を訪れたとして自民党を離党し、公明党の遠山清彦氏は議員辞職したばかり。
その直後の午後八時以降のラウンジ訪問だ。悪質としか言いようがない。国会議員としての自覚があまりにも希薄ではないか。
自民党本部の外出自粛要請が、どこまで徹底されていたのかも疑問だ。党本部の責任も免れない。
白須賀氏はこれまでにも議員の適格性を欠く行動があった。カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件では、立件は見送られたが、東京地検特捜部が白須賀氏の地元事務所を家宅捜索し、贈賄側企業から百万円を受け取っていたことも分かった。
文部科学政務官当時には、原子力災害など緊急事態に備える「在京当番日」にもかかわらず、会合に出席するため都内を離れ、その途中、白須賀氏を乗せて運転していた公設秘書が当て逃げ事故を起こし、書類送検された。
たび重なる不祥事を憂慮し、選挙区内の党所属県議が「選挙応援はできない」などと対処を求める文書を党県連に提出している。
白須賀氏は今回の報道を受けて自民党を離党した。次期衆院選には立候補しない意向だという。本人はけじめをつけたつもりだろうが、もはや議員の資格があるとは思えない。残り任期の八カ月間、歳費等の支払いが続く。白須賀氏は議員辞職し、補欠選挙で議員を選び直すべきではないか。
国民がなぜ国会議員に民意を託しているのか。それは国権の最高機関、唯一の立法府として国民の命を守り、暮らしをより良くするための法律をつくり、行政を監視するためだ。深夜の高級クラブやラウンジ通いのためではない。
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