中日春秋 (2021年7月16日 中日新聞))

2021-07-16 22:22:55 | 桜ヶ丘9条の会

中日春秋

2021年7月16日  中日新聞
 最近の雨や雪の降り方は、いったいどうしたことだろう−。そんな嘆きに似た感慨が、一文につづられている。かつては夕立の後なら、すぐ晴れていたはずだが、<今は其沙汰(そのさた)なし>と。江戸時代に書かれている随筆『飛鳥川』である。天気がおかしくなってしまったという感覚は、新しいものではないらしい
▼ちょっとした気象の変化にも気候変動を思う時は多々ある。慎重になったほうがいいものかもしれない
▼とはいえである。嵐のように荒れる最近の雨は、昔の「沙汰」があまりあてはまりそうにない。気候はどうにかなったのかとも思う。海の向こうの状況をみると、思いは強くなる。ドイツでは豪雨災害が起きたようである
▼「ゆでられた貝」。ネットのニュースで少し前に見たそんな見出しの記事は笑いごとでなかった。カナダの海岸で大量の貝が調理されたように口を開けて死んでいたという。米国とともに多数の死者を出した猛暑のためである
▼北欧ではサンタクロースゆかりのフィンランド北部などで気温三〇度を超えた。猛暑という。スペインは四〇度を超え、さらに暑くなりそうだ。東京と五輪開催を争ったマドリードが開催地でも、マラソンなどは問題になったはずである。五輪のあり方を問う暑さでもあろう
▼おかしくなった天気が、各地にある。去年もその前も思ったが、やはり気候変動の夏でないか。

 


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