特定秘密保護法の廃止を求めるアピール
2013年12月6日、自民党と公明党によって、特定秘密保護法が強行採決されまし た。法案が国会に提出されると反対の声は各地・各分野に広がり、国会を包囲する行動が 連日展開され、世論調査では過半数の国民が法案に反対しました。こうした主権者である 国民の声を無視した強行採決は、議会制民主主義の根本に反する暴挙にほかなりません。
特定秘密保護法では、行政機関の長の裁量によって、防衛・外交・スパイ・テロにかか わる広範な情報が「特定秘密」に指定され、市民やマスメディアは「何が秘密か」すら知 ることができません。秘密を取り扱う公務員や労働者、その家族は、「適性評価」による 監視と分断のもとに置かれます。漏えいや秘密を取得しようとする行為、その共謀・教唆 ・扇動などが広く刑事罰の対象とされます。同法は、国際的基準であるツワネ原則からも 大きく逸脱したものであり、ひとたび同法が施行されれば、取材・報道の自由その他一切 の表現の自由や国民の知る権利は、警察による取り締まりと処罰を恐れて大きく制約され、 国民主権の原理を支える基盤は完全に切り崩されることになります。
特定秘密保護法は、一部の権力による情報の独占と恣意的な操作に道を開くものであり、 先の臨時国会で成立した「国家安全保障会議(NSC)設置法」と次に予定されている「国 家安全保障基本法案」と三位一体で集団的自衛権の行使を可能とする軍事立法にほかなり ません。これらが完成するとき、明文改憲への道が開かれ、日本は集団的自衛権を口実に アメリカと一緒に戦争をする国となってしまいます。
同時に、石破茂自民党幹事長の「デモはテロ」であるとする発言が示すように、特定秘 密保護法は、政府にとって不都合な国民の言論活動を警察権力により封じることを目的と する治安立法であり、政府に反対する声が「テロ」として排斥され、公安警察と密告・監 視が横行する社会が生み出されます。
いま、民意を無視した暴挙を批判し、秘密保護法廃止を求める運動が急速に広がってい ます。廃止を求める地方議会の決議や意見書は100自治体を超え、廃止を求める署名が 取り組まれています。2014年1月24日の通常国会開会日には廃止を求める3000 名を超える市民が国会を包囲しました。
他方、政府・与党は、「情報保全諮問会議」などを始動させ、施行の準備を進めていま す。また、「積極的平和主義」を掲げる「国家安全保障戦略」などを策定し、米国ととも に海外で戦争をする「集団的自衛権」の行使容認に踏み切ろうとしています。
秘密保護法を廃止させることは、「知る権利」を守り、民主政治を発展させるうえでも、 戦争の道を阻止するうえでも、決定的に重要な意味をもっています。
私たち法律家7団体は、憲法の基本原理である平和主義、基本的人権の尊重、国民主権 を否定する特定秘密保護法の施行前の廃止を求め、広範な国民の皆さんにさらなるたたか いを呼びかけるとともに、法律家7団体も全力でたたかっていく決意をここに表明します。
2014年3月5日
社会文化法律センター 代表理事 中野 新・宮里 邦雄
自由法曹団 団長篠原義仁
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 原 和 良
日本国際法律家協会 会長大熊政一
日本反核法律家協会 会 長 佐々木 猛 也
日本民主法律家協会 理事長 渡 辺 治
日本労働弁護団 会長鵜飼良昭
2013年12月6日、自民党と公明党によって、特定秘密保護法が強行採決されまし た。法案が国会に提出されると反対の声は各地・各分野に広がり、国会を包囲する行動が 連日展開され、世論調査では過半数の国民が法案に反対しました。こうした主権者である 国民の声を無視した強行採決は、議会制民主主義の根本に反する暴挙にほかなりません。
特定秘密保護法では、行政機関の長の裁量によって、防衛・外交・スパイ・テロにかか わる広範な情報が「特定秘密」に指定され、市民やマスメディアは「何が秘密か」すら知 ることができません。秘密を取り扱う公務員や労働者、その家族は、「適性評価」による 監視と分断のもとに置かれます。漏えいや秘密を取得しようとする行為、その共謀・教唆 ・扇動などが広く刑事罰の対象とされます。同法は、国際的基準であるツワネ原則からも 大きく逸脱したものであり、ひとたび同法が施行されれば、取材・報道の自由その他一切 の表現の自由や国民の知る権利は、警察による取り締まりと処罰を恐れて大きく制約され、 国民主権の原理を支える基盤は完全に切り崩されることになります。
特定秘密保護法は、一部の権力による情報の独占と恣意的な操作に道を開くものであり、 先の臨時国会で成立した「国家安全保障会議(NSC)設置法」と次に予定されている「国 家安全保障基本法案」と三位一体で集団的自衛権の行使を可能とする軍事立法にほかなり ません。これらが完成するとき、明文改憲への道が開かれ、日本は集団的自衛権を口実に アメリカと一緒に戦争をする国となってしまいます。
同時に、石破茂自民党幹事長の「デモはテロ」であるとする発言が示すように、特定秘 密保護法は、政府にとって不都合な国民の言論活動を警察権力により封じることを目的と する治安立法であり、政府に反対する声が「テロ」として排斥され、公安警察と密告・監 視が横行する社会が生み出されます。
いま、民意を無視した暴挙を批判し、秘密保護法廃止を求める運動が急速に広がってい ます。廃止を求める地方議会の決議や意見書は100自治体を超え、廃止を求める署名が 取り組まれています。2014年1月24日の通常国会開会日には廃止を求める3000 名を超える市民が国会を包囲しました。
他方、政府・与党は、「情報保全諮問会議」などを始動させ、施行の準備を進めていま す。また、「積極的平和主義」を掲げる「国家安全保障戦略」などを策定し、米国ととも に海外で戦争をする「集団的自衛権」の行使容認に踏み切ろうとしています。
秘密保護法を廃止させることは、「知る権利」を守り、民主政治を発展させるうえでも、 戦争の道を阻止するうえでも、決定的に重要な意味をもっています。
私たち法律家7団体は、憲法の基本原理である平和主義、基本的人権の尊重、国民主権 を否定する特定秘密保護法の施行前の廃止を求め、広範な国民の皆さんにさらなるたたか いを呼びかけるとともに、法律家7団体も全力でたたかっていく決意をここに表明します。
2014年3月5日
社会文化法律センター 代表理事 中野 新・宮里 邦雄
自由法曹団 団長篠原義仁
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議長 原 和 良
日本国際法律家協会 会長大熊政一
日本反核法律家協会 会 長 佐々木 猛 也
日本民主法律家協会 理事長 渡 辺 治
日本労働弁護団 会長鵜飼良昭