尾上町をゆく(5) 白旗観音寺(1) 白旗観音寺の伝承
池田(尾上町)の白旗観音寺(生竹山観音寺)に伝わる伝説です。
・・・むかし、阿蘇の宮の神主、友成が京へのぼっていました。
途中、賑わいのある池田の浜に船を止めて、尾上の鐘・尾上の松などを見学し終え、船に乗り再び京へ出発しようとした時のことでした。
友成が港につきたてた竹が、みるみる間に根を張り、抜けなくなったのです。しかたなく、そこで一泊しました。
その夜のことです。
夢に友成の持仏の観音様が現れ「このあたりの浜は波風が荒く、往来の船は難渋している。私は、ここに鎮座して諸人の願いを叶えん・・・」と告げたのです。
友成は、地元の信心深い藤内に観音様をたくし京へたちました。船は飛ぶように進んみました。藤内は、ここに堂を建て、観音様をおまつりしました。以後、この池田の浜は穏やかになりました。
また、藤内の夢に観音様があらわれ、「白き布を与える。これを船印にせよ・・」と告げたのでした。
船にこの白い布をつけたところ、船は荒海といえど遭難することはなく、近在の信仰を集めました。
そのため池田の観音様は、白旗観音(しらはたかんのん)と呼ばれるようになったといいます。
生竹山観音寺(しょうちくさん・かんのんじ)は元、イケタケサン観音寺と呼ばれ、「池田」は、このイケタケが訛ったものということです。
*写真は、池田(加古川市尾上町池田)の白旗観音寺(生竹山観音寺)