尾上町をゆく(11) 白旗観音寺(7) 観音寺の石幢(せきとう)
仏様で、もっとも親しみを感じるのは地蔵菩薩ですね。
この仏は、大地の恵を表しています。
世の中が乱れはじめた末法(まっぽう)の時代に入ったとされた平安時代の末頃から広く庶民の間に広がりました。
また、墓地で六体の地蔵をよく見かけます。六地蔵です。
仏教では、人間は死後「生前のおこない」により、六つの世界に生まれかわるとされています。
その六つの世界とは、地獄・餓鬼(がき)・畜生・修羅(しゅら)・人間・天上であるといいます。
どの世界に生まれ変わっても心配は不要です。
死後、「地蔵菩薩がそれぞれの世界に現れ、悔い改めた人には救いの手を差し伸べてくださる」というのです。
この六地蔵の考えは、鎌倉時代から広がりました。
写真のように六角形の石柱の、それぞれの面に刻まれた六地蔵が、池田の観音寺の境内にあります。
六地蔵が彫られた六角の石柱は、石幢(せきとう)と呼ばれ、珍しいものです。
観音寺の石幢は、花崗岩製で製作年を示す銘文はないのですが、室町時代の初期のものといわれています。
* 写真:池田(加古川市尾上町池田)観音寺の境内にある石幢