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夏越の大祓

2020-07-02 | 日記
半夏生(はんげしょう)、 夏至(6月21日頃)から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間を半夏生という。農家さんは半夏生に入る前に田植えを終えるようにされているらしい。
この頃に咲くハンゲショウと呼ばれる花を今年もあちこちで見た。葉の半分だけが白くなり、穂状の花が終わる頃には緑に戻る不思議な花、なかなか趣があってこの季節になるとわざわざいつもの所へ見に行く私。

  7月2日(木)
「一年のへそ」と言われる一昨日の6月30日は「夏越の祓」(なごしのはらえ)の日。半年間の身の穢れを落として清め、後半年の健康と厄除けを願う伝統行事である。
大和国一の宮・三輪神社(御祭神は 大物主大神、御神体は三輪山)には3つの茅の輪が作られ、6月30日にお参り出来ない人の為に5日迄置かれていると聞いて、出かけた。
輪が三つ並ぶと壮観だなぁ~。心込めてくぐり終え午前9時、私達二人はその足で檜原神社(ひばらじんじゃ)へ向かった。

        (画像はクリックすると拡大する)

途中の山道に、小さな白い3枚の花びらが三角形になっている草花を見た。葉や茎はあの青いツユクサその物であり、不思議に思って今調べてみると「トキワツユクサ」と言うらしい。
もう少し行くと広い蓮池があって、美しい大輪の花が沢山咲いていた。
鶯の声を聞きながら山の清々しい空気に気持ち良く歩き続けると玄賓庵(げんぴあん)の門前に来た。謡曲「三輪」に登場する玄賓(げんぴん)僧都に因む庵である。元は三輪山の桧原谷に在って山岳仏教の寺として栄えたが荒廃し、後再び1667年に興され、明治の神仏分離でココに移されたとか。アジサイの咲く静かで綺麗な庭を一周させてもらった。
今改めて随分久しぶりに謡曲本を取り出し、玄賓僧都と前シテの里女そして後シテの三輪明神との会話をおさらいしたよ。

      

檜原神社(ひばらじんじゃ)に到着。
御神体は三輪山の磐座(いわくら)にあり、本殿も拝殿もなく「三ツ鳥居」が建つのみ。この「三ツ鳥居」は三輪神社のと同じと聞いていたので見たかったのである。また、正面入り口の注連縄の張られた標柱(しめばしら)越しに二上山が見える景色をもう一度眺めたかった。

歳を重ねると物の見方も感じ方も違ってきて、今回は、標柱の傍らに立つ社標柱に書かかれた「大神神社摂社桧原神社」と「皇大神宮聖跡 倭笠縫邑」が気になった。
「倭笠縫邑」は地名で「ヤマト カサヌイムラ」と読むらしい。近鉄線に笠縫駅があったっけ、関係があるのかな?

                

ところで、この地は“元伊勢”と呼ばれている。
第10代崇神天皇(すじんてんのう)がそれまで皇居に祀っていた天照大神の神霊をご自分の皇女・豊鍬入姫命(とよすきいりひめのみこと)に委ねて、この地に磯城神籬(シキ ヒモロギ)を立てて祀ったと言われている。
伊勢125社巡りで学んだ斎王の話から思うに、豊鍬入姫命は初代の斎王であったわけだよな。
ちなみに、左から2番目の写真に見る小さい祠は、S.61年に建てられた「豊鍬入姫宮」で豊鍬入姫命を祀っているそうだ。


第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神を祀るにふさわしい場所を探して旅をし、伊勢の五十鈴川(いすずがわ)の畔に社を建てたと聞いていた。最終的に現在の伊勢神宮のある伊勢の地にお祀りされるようになったわけだが、檜原神社は今も大御神をお祀りし、大御神が宮中を離れられた最初の地なので、この地を“元伊勢”と呼んでいるらしい。

茶店で休憩をして、帰りは纒向(まきむく)駅に向かった。
纒向古墳群の1つで箸中地区に在り、箸中山古墳(はしなかやまこふん)とも言われている箸墓古墳(はしはかこふん)に立ち寄った。
≪陵墓地につき 許可無く立入らぬこと 宮内庁≫ の立て札を見ながら進んで行くと、正面に来た。
墓碑には「倭迹迹日百襲姫命 大市の墓」」と刻まれている。「やまとととひももそひめのみこと おおいちのはか」と読むらしい。
3世紀中頃から後半の最古級の前方後円墳(全長約282m)だそうだ。周濠の一部は「箸中大池」と呼ばれる“ため池”になっている。
宮内庁により第7代孝霊天皇皇女の墓とされているそうだが、邪馬台国の女王卑弥呼の墓ではないかとする学説もあるらしく、道路を隔てた駐車場には「ひみこの庭」P ¥0円の看板が有った。謎深いロマン漂う古墳である事よ。

        

R165号線に出て、更に進んで行くと、「三輪山本」の前を通ることになったので “冷やしそうめん” に誘われ入った。とても美味しかった!
それから駅の近くに来て “たい焼き” を買った。コロナ外出自粛で久しぶりに目にして食べたくなったのである。(笑)
纒向駅のあるJR桜井線(万葉まほろば線)は奈良駅から高田駅を結ぶ単線ローカル路線で何かしらほっこり気分になったよな。(笑)

        
「夏越の祓」お参りで思いの外いろいろな発見に出合え、外出自粛ストレス解消、有難く嬉しい日であった。