OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

扇子紹介3 俳句

2020年06月03日 | ニュース・講座
象潟や雨に西施がねぶの花 

ご存知、奥の細道での芭蕉の句。
私の場合、初夏、杭州の西湖の美しさのなかに傾国の美女の西施がでてくる。
白から赤に咲くねぶの花はやわらかく、どこまでも美しいとおもえるが、芭蕉の甘美な取り合わせの妙は見事だろう。
そんな気分を着物の帯に一柄しのばせていただきたいと思った。



大蛍ゆらりゆらりと通りけり

こちらは一茶の句。
ユーモアのある句を多く作った一茶。
ほぼ漢字からかなへ移行する頃の“草がな”みたいな字ばかりで、読みづらいがそこはご愛嬌。
最後の「けり」は「鳬」という字。
この鳬はチドリの仲間の鳥の名だ。そんな字まで使って助動詞「けり」を筆写した古筆に倣った。
ちなみに、大蛍由良利遊羅里止通李鳬。
ゆらりゆらりと書いたので、ゆらりゆらりと大人(たいじん)に扇いでほしいと願って書いた。

象潟や…は、6寸5分。
大蛍…は、7寸5分。

2020年6月10日から23日
日本橋三越本店 本館5階 ギャラリー ライフ マイニング
手わざの夏 扇子展にて展示販売のご紹介の3。
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扇子紹介2 良寛

2020年06月02日 | ニュース・講座
  花は無心で蝶を招き、蝶は無心で花を尋ねる。

花と蝶の美しい応酬であると思う。
これは良寛の詩の一節で、よく知られた句である。
その場面を幾重にも想像しながらつい書いてしまう。
その場と同じような書の空間を求めながら。



花無心。
三文字に集約してしまった。
それでも美しい言葉。
「花」はみえて美し、「無心」は見えずしてなかなかつかめない。


黄色は、柿渋をうすく塗ったもの。

6月10日~23日 日本橋三越本店 本館5階 ギャラリーライフマイニング
「手わざの夏」イベント内での扇子展示販売の紹介2でした。

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扇子紹介1 自在なるもの

2020年06月02日 | ニュース・講座
落花流水に随う。

禅語であって、深く意味をとらえられる方はそれでいいのであるが、落ちた花が流れる水にまかせて流れ去ってゆく姿がいつまでもすてきなのだ。表面的な言葉の意味だけで私にはしばらく充分。
黄色は、柿渋をうすく塗ったもの。



風・雲・水
~自在なるもの~

「落花随流水」もそうなのであるが、私は「水」をテーマに個展などもしてきて、「水」の自在さから離れられない。
その自在さ、それは「風」もそうだ。「雲」もそうだ。
そんな風に思って成った作品。
ちょっとトリッキーであるが、それなりに追い込んでいった作品だ。

この2点は、今回の6月10日から23日までの三越本店「手わざの夏」イベント内の扇子展のDMに載ったもの。


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手わざの夏 扇子展

2020年06月02日 | ニュース・講座
手わざの夏
そのなかで、扇子コーナーを作ってくれた。

扇子作家でもある久保紀波さん、石塚智之さん。扇子加工の家に生まれ、扇面加飾師として生きるほりみゆきさん。そこに橋本関雪直系で唯一、日本画家として活躍する小田賢さん。それと私。

2020年6月10日から23日まで。

日本橋三越本店 本館5階 ギャラリー ライフ マイニング

本体の「手わざの夏」も相変わらず箱瀬、中島の大御所から若手のいいメンバーまでが出揃う。
ガラスの高橋禎彦さんまで出展とは、いいね。高橋さんは前半登場だが、ガラスの後半には荒川さんの弟子の金子朋恵、寡黙だけど
ファンタスティックなガラスをみせる濱舘寛で、スキはなし。

今年は三渓園の「日本の夏じたく」展は自粛で中止。
なので、工芸、服飾ファンはここへ。

私の扇子は、順次ここに公開させていただきます。
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