お寺さんぽ Ver.03

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芝山仁王尊 観音教寺 (千葉・芝山町)

2010年08月08日 | お寺
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は千葉県は山武群芝山町の「芝山仁王尊」です。

行ってきました、芝山まで。
けっこう遠いんですねー。
付近の芝山千代田駅までは、東成田駅から一駅だけという”芝山鉄道”で向かいます。
看板に書いてありました。
「日本一短い」だって。
ちょっと調べたところ、何やら…色々と事情があったみたい。
空港ができるってのはやっぱり大変なことなんですね。



さて、よく聞く「芝山仁王尊」いうのは例によって通称で、お寺の名前は「観音教寺(かんのんきょうじ)」
正式名称は「天応山観音教寺」でした。

創建は非常に古く、なんと天応元年(781)のこと。
「なくよ」、よりも前のことです。
奈良時代ですね。
なにしろ、切っ掛けとなった四十九代「光仁天皇」は、あの「中大兄皇子(なかの・おおえの・おうじ)」こと「天智天皇」のお孫さんなのですから、どれだけ古いかなんとなく察せられるでしょう。

そんな「光仁天皇」の勅命によって、征東大使「藤原継縄(ふじわらの・つぐただ)」が守り本尊「十一面観音菩薩」をこの地に安置したことが切っ掛け。
京都などの寺院と違って戦火・災害にも遭わず、中世まで存在しました。
その頃に付近を統治していた、”坂東八平氏”の一家である千葉氏も祈祷所としたため、大いに繁栄しました。
”近隣に八十余りの寺院~”ということでしたから、当時は相当な勢力であったと想像されます。



珍しく、この寺院はなかなか順調に時代を渡っています。
江戸時代に入っても、しっかり徳川氏の庇護を受けておりました。
なんと、管内十州(※関八州に出羽・陸奥が加わった呼び名)の天台宗寺院を統括する、十万石の格式を得ています。
さらに庶民の信仰も集め、
「厄除け・火事泥棒除けの仁王様」
…と、江戸の商家・火消し衆らに親しまれたのでした。

なお、付近には古墳が多く、こちらのお寺も出土したはにわ群を「芝山はにわ博物館」に展示しています。
かなりの数のはにわがありましたので、そんなんお好きな方にもオススメ。
ちなみに二階は「釈尊館」
「大日如来」、「毘沙門天」などが見られるほか、お釈迦様の歴史が二十枚くらいの絵で描かれていました。
仏像好きも大満足です。



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