のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は「八部衆(はちぶしゅう)」です。
ヒロインの「由麻」は真言裏立川流・斎女の頭領。
そんな彼女を影のように守護する異能の集団…。
そう、彼らこそが「八部衆」なのでした!
…わざわざ書くまでもないですが、うそです。
ひでるさん的に、なんだか親しみのある「八部衆」さま。
毎度のことながら、漫画の影響なんですねー。
前述したアレは「柴田昌弘」センセの漫画、「斎女伝説クラダルマ」というものです。
やや巻数ありますが、宗教・アクションなネタですから興味ある方はぜひどうぞ。
さて、ココは漫画を紹介するブログではないので、真面目に。
「七福神」を筆頭に、だいたい七名でくくられることが多い(七人の侍とか、七人の刑事とか…)んですが、こちらは1名多くて八名。
常に釈迦を保護し、仏法を守護する護法善神なのです。
もともとは古来インドの異形の神々、鬼神衆というべきもの。
悪鬼ほか、半獣半人、鳥頭人身…などもいる、奇怪な集団なのでした。
別名は「天竜八部衆」
おお、なんだかかっちょえーですよ!!
”部衆”というそのまま、実際のところは単神ではなく、それぞれ多数の同類がいる八つの部族のこと。
いっっぱい存在してるんですね。
表現としては、当然ながら一神ごととなり、合計八名で造られます。
それぞれの名称は「法華経」、「金光明最勝王経」に書かれているほか、「仁王護国般若経疏」ではそれらと異なり、四天王に二名づつ割り振られているようでした。
…だから八名なのかな。
【 八部衆 一覧 】 ※()は読み仮名、[]は梵名。
●一 天 [デーバ]
仏法を守護する護法善神のうち「~天」という方々は全てこちらのくくり。
そうなんですね!
それで考えると、ここのメンバーは最も有名な一団となのでした。
あるいは「五部浄(ごぶじょう)」となったりします。
●二 竜 [ナーガ]
ここ色々とありますが…ちょっと考えがあるので、他でやりたいと思います。
今回は省略しますね。
なお、あるいは「沙羯羅(しゃから)」となったりします。
●三 薬叉・薬叉女 [ヤクシャ、ヤクシャニ]
空中を飛ぶ鬼神。
そのまま「夜叉」ということで、以前ブログで紹介済です。
あるいは「鳩槃茶(くばんだ)」になったりします。
●四 乾闥婆(けんだつば) [ガンダルバ]
古代インドでは神々の飲み物(ソーマ)を守護していた様子。
それが仏教になると、次に登場する「阿修羅」と戦った「帝釈天」の眷属となるのでした。
なぜか、その担当も歌舞音楽になってます。
●五 阿修羅 [アスラ]
興福寺の国宝「阿修羅像」が超有名ですね。
悪鬼の総称というべきもの。
こちらも以前ブログでやっているので、省略します。
●六 迦楼羅(かるら) [ガルダ]
えっとコンバトラー…ではなく。(※たぶんこちらが元ネタとは思いますが)
元々は毒蛇を食べる大型の鳥(鷲とか鷹とか)を神格化したもの。
そのため、比較的鳥っぽく表現されているのが「迦楼羅」になります。
古代インドでは、雨を降らせて悪竜を主食とする、鳳凰のような美しく巨大な鳥。
厄災を除く神として信仰があり、ここは仏教でも同様。
翼を広げると三百三十六万里なのだとか。
(※ちなみに、一里は43.2キロメートルなので…まぁいいか)
●七 緊那羅(きんなら) [キンナラ]
「キンナラ」を漢訳すると、歌神・楽神。
もともと美しい声で鳴く鳥を神格化させたものということで、納得。
「毘沙門天」の眷属となっています。
古代インドでは、雪山(ヒマラヤ)に住み、奏でた音楽によって皆を感動させたという神様だったみたい。
なんか音楽関係多いですよねー。
●八 摩睺羅伽(まごらが) [マホーラガ]
「大腹胸行(だいふくきょうぎょう)」、「大蠎(だいもう)」と漢訳されます。
漢字そのまま、腹ばいで進むということで、大蛇を神格化したもの。
こちらも仏教に取り込まれてからは音楽神としての性格が付加されています。
あるいは「畢婆伽羅(ひつばから)」になったりします。
…以上です。
なお、日本では四天王とは組み合わされないパターンのが一般的。
なぜか奈良時代にのみ信仰されたらしく、結構数少ないレア仏像なのです。
見れたらラッキーですよん。
奈良「興福寺」の「八部衆」はまさにそのものですが、名称については江戸時代の文献によるようです。
(※↑上で「あるいは~」というのがソレです)
[関連記事] 【天部、その他】
⇒ 仏像の種類 (お父さんのための仏像講座) [前編] [後編]
⇒ 木彫の技法について (お父さんのための仏像講座)
⇒ お寺で動物ウォッチング「鳥獣座について」(お父さんのための仏像講座)
⇒ 帝釈天 (仏像・天部)
⇒ 梵天 (仏像・天部)
⇒ 毘沙門天 (仏像・天部) 前編 後編
⇒ 兜跋毘沙門天
⇒ 大黒天 (仏像・天部) 仏像編 信仰編 拳印大黒天(滋賀・石山寺)
⇒ 布袋尊 (七福神)
⇒ 荼吉尼天
⇒ 摩利支天
⇒ 韋駄天
⇒ 吉祥天 (天部・仏像)
⇒ 十二神将 (仏像・天部)
⇒ 阿修羅 (八部衆)
⇒ 夜叉 (八部衆)
⇒ 大天狗像
⇒ 執金剛神・仁王像
⇒ 訶梨帝母[鬼子母神](仏像)
⇒ 五百羅漢 (仏像・仏弟子)
石仏・五百羅漢像 千二百羅漢像 びんずるさま
⇒ 五大明王 (お父さんのための仏像講座)
⇒ 不動明王 (由来 容貌 信仰)
⇒ 不動明王坐像 (東京・金剛寺)
⇒ 降三世明王
⇒ 大威徳明王
⇒ 金剛夜叉明王
⇒ 軍荼利明王
⇒ 太元帥明王 (前編 後編)
⇒ 孔雀明王
⇒ 愛染明王
⇒ 烏枢沙摩明王
⇒ 四天王編 (お父さんのための仏像講座)
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本日は「八部衆(はちぶしゅう)」です。
ヒロインの「由麻」は真言裏立川流・斎女の頭領。
そんな彼女を影のように守護する異能の集団…。
そう、彼らこそが「八部衆」なのでした!
…わざわざ書くまでもないですが、うそです。
ひでるさん的に、なんだか親しみのある「八部衆」さま。
毎度のことながら、漫画の影響なんですねー。
前述したアレは「柴田昌弘」センセの漫画、「斎女伝説クラダルマ」というものです。
やや巻数ありますが、宗教・アクションなネタですから興味ある方はぜひどうぞ。
さて、ココは漫画を紹介するブログではないので、真面目に。
「七福神」を筆頭に、だいたい七名でくくられることが多い(七人の侍とか、七人の刑事とか…)んですが、こちらは1名多くて八名。
常に釈迦を保護し、仏法を守護する護法善神なのです。
もともとは古来インドの異形の神々、鬼神衆というべきもの。
悪鬼ほか、半獣半人、鳥頭人身…などもいる、奇怪な集団なのでした。
別名は「天竜八部衆」
おお、なんだかかっちょえーですよ!!
”部衆”というそのまま、実際のところは単神ではなく、それぞれ多数の同類がいる八つの部族のこと。
いっっぱい存在してるんですね。
表現としては、当然ながら一神ごととなり、合計八名で造られます。
それぞれの名称は「法華経」、「金光明最勝王経」に書かれているほか、「仁王護国般若経疏」ではそれらと異なり、四天王に二名づつ割り振られているようでした。
…だから八名なのかな。
【 八部衆 一覧 】 ※()は読み仮名、[]は梵名。
●一 天 [デーバ]
仏法を守護する護法善神のうち「~天」という方々は全てこちらのくくり。
そうなんですね!
それで考えると、ここのメンバーは最も有名な一団となのでした。
あるいは「五部浄(ごぶじょう)」となったりします。
●二 竜 [ナーガ]
ここ色々とありますが…ちょっと考えがあるので、他でやりたいと思います。
今回は省略しますね。
なお、あるいは「沙羯羅(しゃから)」となったりします。
●三 薬叉・薬叉女 [ヤクシャ、ヤクシャニ]
空中を飛ぶ鬼神。
そのまま「夜叉」ということで、以前ブログで紹介済です。
あるいは「鳩槃茶(くばんだ)」になったりします。
●四 乾闥婆(けんだつば) [ガンダルバ]
古代インドでは神々の飲み物(ソーマ)を守護していた様子。
それが仏教になると、次に登場する「阿修羅」と戦った「帝釈天」の眷属となるのでした。
なぜか、その担当も歌舞音楽になってます。
●五 阿修羅 [アスラ]
興福寺の国宝「阿修羅像」が超有名ですね。
悪鬼の総称というべきもの。
こちらも以前ブログでやっているので、省略します。
●六 迦楼羅(かるら) [ガルダ]
えっとコンバトラー…ではなく。(※たぶんこちらが元ネタとは思いますが)
元々は毒蛇を食べる大型の鳥(鷲とか鷹とか)を神格化したもの。
そのため、比較的鳥っぽく表現されているのが「迦楼羅」になります。
古代インドでは、雨を降らせて悪竜を主食とする、鳳凰のような美しく巨大な鳥。
厄災を除く神として信仰があり、ここは仏教でも同様。
翼を広げると三百三十六万里なのだとか。
(※ちなみに、一里は43.2キロメートルなので…まぁいいか)
●七 緊那羅(きんなら) [キンナラ]
「キンナラ」を漢訳すると、歌神・楽神。
もともと美しい声で鳴く鳥を神格化させたものということで、納得。
「毘沙門天」の眷属となっています。
古代インドでは、雪山(ヒマラヤ)に住み、奏でた音楽によって皆を感動させたという神様だったみたい。
なんか音楽関係多いですよねー。
●八 摩睺羅伽(まごらが) [マホーラガ]
「大腹胸行(だいふくきょうぎょう)」、「大蠎(だいもう)」と漢訳されます。
漢字そのまま、腹ばいで進むということで、大蛇を神格化したもの。
こちらも仏教に取り込まれてからは音楽神としての性格が付加されています。
あるいは「畢婆伽羅(ひつばから)」になったりします。
…以上です。
なお、日本では四天王とは組み合わされないパターンのが一般的。
なぜか奈良時代にのみ信仰されたらしく、結構数少ないレア仏像なのです。
見れたらラッキーですよん。
奈良「興福寺」の「八部衆」はまさにそのものですが、名称については江戸時代の文献によるようです。
(※↑上で「あるいは~」というのがソレです)
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