絵のタイトルは、「おいお前さん」です。
ゴーヤの上にへちまが乗っている図です。
夏の直射日光を防ごうと、ベランダにつるを這わせました。
ゴーヤが黄色から赤に変わり、臭いを放つようになり取り除きました。
ゴーヤが「重たいよ」とへちまに話しています。
何を書いていいやら。
書き溜めた絵を眺め、この絵のタイトル「おいお前さん」に挑戦することにしました。
「おいお前さん」ってどんな人が使うんでしょう。
そして、どんな場面で。
ネットで調べてみた。「お前さん」と、庶民のかみさんが亭主を尊敬を込めて呼ぶ。
「おい」がついているから、なにかしようと号令をかけるのか、おねだりをする場面を想像します。
金田たつえさんの「お前さん」は、駆け落ち後、苦労を重ね自分たちの店を出す話である。
木の実ナナさんの「お前さん」は、男が去ったあとの寂しさを歌う。作詞は阿久悠さんです。
いたずらをしようとする手をお尻の下にしかれる「お前さん」とは、ずいぶん違う。
「お前さん」には、女の人の情念と懐の深さを感じる。
木の実ナナさんの「お前さん」は、「お」に力が入り鼻にかかる。
たつえさんの「お前さん」は、「さん」が伸びて、姿勢が良くしなをつくる。
恨み節と祝い唄の違いだろうか。
40年も前に勤めた会社で、私のことを「お前さん」と呼ばれる上司がいました。
決まって、やんわりと注意を受けました。
その頃の私は、指が太くて押し間違えるから、電卓は使わねえ。
筆圧が高く、図面を引く手に汗をかくから、トレーシングペーパーは穴が開きよれよれでした。
妻は、「お前さん」とは呼ばない。「おいお前さん」の「お前さん」を抜いて呼ぶ。
そんなことはないか。
「お前さん」は、美しい呼び方ですね。
「あんた」もいいが、「お前さん」と呼ばれてみたい。
今時の女子にお願いすると、後ろ頭をはたかれそうですから言わないことにしましょう。
ねえあんた 桜が梅に しまいなはれ
2021年2月21日
<<あとがき>>
こじつけのような記事ができました。
やればできる。
(筆者)