ベランダに植えた玉ねぎです。
風に舞っている姿です。
歩かなくなった分、人と会うことも少なくなった。
少しだけ変わった季節の風景も見ることが出来なくなった。
テレビでいつも見る顔の方が良く知っている。
隣に生まれた子供の顔さえもきっとわからないだろう。
自ら話さなければ、会話をすることもないだろう。
リモコンで何でも動かせるから、家の中に居ても頻繁にたつこともなくなった。
今日のテーマは、「点から点の生活」です。
都会だけかと思いきや、田舎でも「点から点の生活」でした。
まだここに住んで一年の私の方が、いろんな人に会っている。
生活するうえで、会う必要がないからです。
また会えない。どこでゆっくり時間が過ごせますか。
全ての施設が目的別に仕切られています。
ひょっとしたら、同じ屋根の下で暮らす家族のことだってわからない。
最低8時間は過ごす会社の同僚が、よっぽど親しみがあるやもしれぬ。
家族と暮らす時間が、どこでも少ない。
家にいたって、しゃべってるのはテレビだけなんてこともあるだろう。
まだここは良い。
朝晩の通勤は片道30分ですから。
都会の片道2時間~3時間はざらです。
今は、妻と24時間一緒の生活です。
妻がレディースゴルフの日は、どうして過ごそうかと楽しみです。
慣れないのです。息が抜けないのです。
前振りが長くなりました。
カフェは奥まったところにあります。
お腹が空いたから、目に入った店に入ろうかという場所ではありません。
これが良いと自負しています。
やれSNSで情報拡散とか、チラシを入れて宣伝をしたほうが良いと勧められます。
たまに、車を見てどこそこにいたわね。
と言われないから、ここが良いと言われます。
カフェには、テレビもラジオもバックミュージックもありません。
見えるのは、屋根と畑と森です。
溢れる陽の光です。ゆらめく梢です。
聞こえるのは、私達の声の他は、風の音と鳥の声だけです。
そして自分たちが話す声だけ。
カフェに色はありません。
私達の仲間が入り浸る場所でもありません。
私達のカフェは、目的のない施設(点)です。
言ってみれば、毒にも薬にもならない場所です。
もっと言っちゃえば、空き家ばかりだから近所もありません。
奥まっているので車も通りません。
決まって通るのは、小学生が6人だけ。
空き家の草を刈ってきれいにしたら、散歩をする人が時おり通るようになりました。
私は、目的のない人が来られる場所にしたい。
ちょっとだけある自由な時間を、ここで仲間とまたは一人で過ごしていただきたい。
密会には、不適当な造りになっています。ごめんなさい。
事務所のないフリー職には、良いかもしれない。
イヤフォンをさして、自分の音楽を聴きながら読書するのも良いでしょう。
ここで、宿題をやっても良いのですが、今は小学生も「点から点の生活」です。
通りがかりの人に名前を呼ばれぬように、名札は学校に置いて帰るようにしているとか。
中学生、高校生ともなると、爺婆または親の送り迎えです。これも点から点。
街に出るのにバスが一日三便。しかも片道800円。使えません。
補助金を出して、申し訳程度にやっているだけです。
ここでも、何らかの「点から点の生活」をされている方が住民の9割です。
カフェは、昼しかやっていません。夜は、予約(レンタル)だけです。
それも一組だけしか予約は取りません。
溜まる話を、一組(嫁会など)で存分に。
しかも近所がない。通りから見えないし静かです。
縁側のような曖昧なゾーン(外でも内でもない)になればと思います。
縁側で 通りを覗き 覗かれて
2017年10月9日