(ペンギンパレード)
カミさんに急かされて、ペンギンパレードを見に行く。
海岸べりの潅木が密生している場所へ着く。
日本の湿原に在るような板の通路ができており、その道を通って砂浜に出た。
沢山の観光客が波打ち際から20メートルほど離れたところに蹲っている。
ここでペンギンのパレードが見られると言う。
ボクの好奇心が先ほどからうずうずしている。
どうしてこの海岸でペンギンがパレードするのだろうか?
疑問はこの一点にある。
アナウンスでペンギンが来てもフラッシュをたいて写真を撮らないで下さい。
と放送が繰り返されている。
周りを見ると観光客は殆どが日本人ばかり。
しかも若くて可愛いカップルばかり。
ボクたちのような年配者は殆ど見かけない。
フラッシュと一緒になぜ写真を撮ったらダメなのか、と考えているうちに、
続いてアナウンスがある。
「フラッシュでペンギンが失明する恐れがありますので、
絶対に写真を撮らないで下さい。」なるほどとボクも納得する。
陽は殆ど落ちていて、今まで群れを成していたカモメも姿を消した。
すると海の波に乗って、白い魚なのか鳥なのか見分けのつかない物体が浮き上がってきて、
うねっている波に乗っている。
やがて波が砂浜に打ち寄せると同時に、
その生き物は砂浜に立ち上がった。
ペンギンである。
写真を撮ってはいけないといわれると、
この貴重な一瞬をカメラに収めたいと思うのは、
カメラを持つものの共通の思いなのだ。今のカメラは、
光が不足すると自動的にフラッシュを焚くように出来ており、
暗くてもフラッシュを焚かない設定ができるようになっているが、
暗くてその設定がままならないので、
ボクはシャッターをきるのを諦めていた。
すると誰かがシャッターをきったのであろう、フラッシュが光った。
すると係員が飛んできてカメラの所有者に文句を言っている。
英語だから何を言っているのかわからないが、
注意をしていることだけは、口調でわかる。
当然のことだ。
ペンギンが失明でもしたら、
このイベントは永久に中止させられることは明らかだ。
それほど自然を大切にする国だからである。
その一例に、飛行機から降りて入国する前に、
入国申請書に、今までに日本で農業に従事していたか?
と質問があるくらいだ。どうしてこんな質問があるのかというと、
靴や衣服に日本の雑草の種などがついており、
それがオーストラリアに落ちて、
オーストラリアの自然を変えることを恐れているからだと言う。
入国審査の窓口についても、食べ物の持込についてチェックされる。
持ち込む人と持ち込まない人は、窓口が違っていたように思う。
その昔、イギリス人が移住してきた時、虫が異常に多かったので、
天敵としての蛙を、イギリスから持ち込んだ。
するとこの蛙が瞬く間に異常繁殖して、
オーストラリア全土に広がり生態系を替えたことが悔やまれての措置である。
話がそれたが、ペンギンは次から次へと海の中を泳いでやってきて、
時には群れを成して、波打ち際に立ち、
列を組んで左側の方へ歩いていく。
左側とは、先ほど注意をした係員がいる方向へである。
そのあと何処へ行くのか?
(ペンギン)
しばらくして、
ペンギンが砂浜へ来なくなってしまった。
辺りは月明かりで思ったより明るい。
ガイドさんの帰宅の掛け声で、
みんな一斉に立ち上がりペンギンパレードは終わる。
木製の板道を歩きながら、脇を覗いてみると、
何か蠢くものがいる。暗闇に目を凝らすと、
先ほどのペンギンたちである。
思い思いに毛づくろいをしている。
木道の脇のブッシュは、ペンギンたちの棲家である。
彼らが海で餌を取り、巣に戻ってくるところを、
人間様が大勢で見に来ているのだ。
立って歩く珍しい鳥、ペンギンの行動だから見世物になる。
これがカラスの行動だとしたら、何人の人が見に来るのだろうか?
頭の中で笑ってしまった。
旅はこれだから楽しい!
帰り道で、南十字星がどれなのか教えてもらった。
カミさんに急かされて、ペンギンパレードを見に行く。
海岸べりの潅木が密生している場所へ着く。
日本の湿原に在るような板の通路ができており、その道を通って砂浜に出た。
沢山の観光客が波打ち際から20メートルほど離れたところに蹲っている。
ここでペンギンのパレードが見られると言う。
ボクの好奇心が先ほどからうずうずしている。
どうしてこの海岸でペンギンがパレードするのだろうか?
疑問はこの一点にある。
アナウンスでペンギンが来てもフラッシュをたいて写真を撮らないで下さい。
と放送が繰り返されている。
周りを見ると観光客は殆どが日本人ばかり。
しかも若くて可愛いカップルばかり。
ボクたちのような年配者は殆ど見かけない。
フラッシュと一緒になぜ写真を撮ったらダメなのか、と考えているうちに、
続いてアナウンスがある。
「フラッシュでペンギンが失明する恐れがありますので、
絶対に写真を撮らないで下さい。」なるほどとボクも納得する。
陽は殆ど落ちていて、今まで群れを成していたカモメも姿を消した。
すると海の波に乗って、白い魚なのか鳥なのか見分けのつかない物体が浮き上がってきて、
うねっている波に乗っている。
やがて波が砂浜に打ち寄せると同時に、
その生き物は砂浜に立ち上がった。
ペンギンである。
写真を撮ってはいけないといわれると、
この貴重な一瞬をカメラに収めたいと思うのは、
カメラを持つものの共通の思いなのだ。今のカメラは、
光が不足すると自動的にフラッシュを焚くように出来ており、
暗くてもフラッシュを焚かない設定ができるようになっているが、
暗くてその設定がままならないので、
ボクはシャッターをきるのを諦めていた。
すると誰かがシャッターをきったのであろう、フラッシュが光った。
すると係員が飛んできてカメラの所有者に文句を言っている。
英語だから何を言っているのかわからないが、
注意をしていることだけは、口調でわかる。
当然のことだ。
ペンギンが失明でもしたら、
このイベントは永久に中止させられることは明らかだ。
それほど自然を大切にする国だからである。
その一例に、飛行機から降りて入国する前に、
入国申請書に、今までに日本で農業に従事していたか?
と質問があるくらいだ。どうしてこんな質問があるのかというと、
靴や衣服に日本の雑草の種などがついており、
それがオーストラリアに落ちて、
オーストラリアの自然を変えることを恐れているからだと言う。
入国審査の窓口についても、食べ物の持込についてチェックされる。
持ち込む人と持ち込まない人は、窓口が違っていたように思う。
その昔、イギリス人が移住してきた時、虫が異常に多かったので、
天敵としての蛙を、イギリスから持ち込んだ。
するとこの蛙が瞬く間に異常繁殖して、
オーストラリア全土に広がり生態系を替えたことが悔やまれての措置である。
話がそれたが、ペンギンは次から次へと海の中を泳いでやってきて、
時には群れを成して、波打ち際に立ち、
列を組んで左側の方へ歩いていく。
左側とは、先ほど注意をした係員がいる方向へである。
そのあと何処へ行くのか?
(ペンギン)
しばらくして、
ペンギンが砂浜へ来なくなってしまった。
辺りは月明かりで思ったより明るい。
ガイドさんの帰宅の掛け声で、
みんな一斉に立ち上がりペンギンパレードは終わる。
木製の板道を歩きながら、脇を覗いてみると、
何か蠢くものがいる。暗闇に目を凝らすと、
先ほどのペンギンたちである。
思い思いに毛づくろいをしている。
木道の脇のブッシュは、ペンギンたちの棲家である。
彼らが海で餌を取り、巣に戻ってくるところを、
人間様が大勢で見に来ているのだ。
立って歩く珍しい鳥、ペンギンの行動だから見世物になる。
これがカラスの行動だとしたら、何人の人が見に来るのだろうか?
頭の中で笑ってしまった。
旅はこれだから楽しい!
帰り道で、南十字星がどれなのか教えてもらった。