(陽明門)
(日光2)
仁王門をくぐると、目当ては有名な陽明門である。
きらびやかな彫刻がすみずみに施され完成した。
しかしその手前には、三神庫、神厩舎があり、
特に神厩舎の長押(なげし)には、猿の見事な彫刻が見られる。
三神庫の外部は校倉造(はぜくらづくり)を模したもので、
内部には百物揃え千人行列と呼ばれる、
壮大な渡御祭りと呼ばれる装束が、1200人分が収められている。
(三神庫)
(神厩舎は、神に仕える馬の厩舎のことで、
神馬は雄の白馬が条件で、現在も2頭飼われている。
百物揃え千人行列には、この神馬もお供する。
長押の上には「三猿」で有名な猿の彫刻が八面掲げられている。
昔から猿は馬を病気から守るとされ、
室町時代まで馬屋で猿を飼う習慣があった。)(日光観光協会)
長押の三猿の一部を紹介したい。
(人生にまっすぐ立ち向かうが、崖っぷちに立つときも。
迷い悩む仲間を励ます友がいる。)
(次が、口を「へ」の字に曲げ、
大きな志を抱いて天を仰ぐ。青い霞が「青春の志」を暗示。)
(そして最後が、三猿。
子供のときは、悪いことを「見ザル、言わザル、聞かザル」)
(カッコ内は日光観光協会より)
この神厩舎と三神庫の間を抜けると、
石段を登って陽明門である。
松尾芭蕉の時代には、武士は陽明門の石畳、
庶民は陽明門の前に土下座して東照宮を拝んだという。
徳川幕府の威徳に対し素直に敬意を表して、
奥の細道に書いている。
「今この御光(みひかり)一天にかかやきて、
恩沢八荒にあふれ、
市民安堵の栖(すみか)穏やかなリ。
猶憚り(なおはばかり)多くて筆をさし置ぬ。
・あらたう(ふ)と青葉若葉の日の光」
恩沢八荒にあふれ、
市民安堵の栖(すみか)穏やかなリ。
猶憚り(なおはばかり)多くて筆をさし置ぬ。
・あらたう(ふ)と青葉若葉の日の光」
と有名な句を残し、
瑞々しい新緑に輝く陽光を(日の光)で詠み、
同時に東照宮への礼讃を(日の光=日光)と述べている。
(陽明門2)
今では、誰でも陽明門をくぐり中に入っていく。
震災で被害があったのか、至るところで修復工事がなされている。
養生シートが五月蝿く感じられる。
(東照宮 本殿)