楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

     ・日ごろ考えること
     ・日光奥州街道ひとり歩る記
     ・おくのほそ道を歩く

浄瑠璃寺 2

2004年01月30日 17時38分00秒 | つれづれなるままに考えること
浄瑠璃寺 2

浄瑠璃寺を拝観し終わって時計を見たら、
まだ次のバスが来るまで30分も余裕があった。
三門脇に「田舎そば」の看板があって、
お蕎麦を食べさせるらしい。

しかし田舎のことのんびり供応されるとバスの時間に間に合わなくなる。
このバスを逃すと次は二時間後でないとバスは来ない。
「田舎そば」の看板脇に公衆電話があって、
タクシーは何番と電話番号が書いてあり、
その横に掲示板ようのものがあり、空き瓶がぶら下っている。
なんだろうと思ったら
「この中に百円」と書いてある。

よくよく見るとその掲示板に20個ほど透明なヴィニール袋がぶら下げてある。
袋の中に何か陶器のタイルのようなものが入っている。
それにしても色も形も一定ではないし、
なんだろうと思って好奇心の強いボクは、
100円玉を瓶の中に入れて一袋とって見た。
中のものを取り出すと、タイルかと思ったものは、
お餅を薄く切って焼いた(あられ?)であった。
食べてみると、すこし塩分があって、
カリッとよく焼けている。

お昼も少し過ぎた時間で、お腹もすいていたためか、
とても美味しかった。

それにしても、このヴィニール袋、中に乾燥剤も入っていないのに、
パリッとした味がよく出ている。
よほど乾燥した地域なのであろう。
あるいは池が全面結氷するくらいだから、
冷蔵庫に入れてあるようなものなのだろうか?
バス停には人影も無く、ボクたち夫婦二人だけ。
周りには、蝋梅が満開になっているし、
コブシが大きな蕾をつけている。
赤い南天の実は美しい緑の葉の間に沢山あって、
そろそろ落ちそう。先客の三人が何処へ行っていたのであろう、
バス停に近づいてきたと思ったら、バスがやってきた。

総勢五人がバスに乗り込み、奈良駅に向かった。
奈良駅で腹ごしらえをして、奈良公園へ向かい、
途中人力車の勧誘にあったが、
すぐ興福寺の五重塔が見えたので、興福寺に入る。

興福寺といえば、猿沢の池を欠かすことが出来ない。
それは景観の所為であろうか?
あるいは奈良のポスターのせいだろうか?
奈良と言うと、猿沢の池から写した五重塔を思い出す。
奈良京都には何回来たことだろう。

何回来ても観光はいつも観光バスで回る。
はい、こちらが、春日大社、こちらが興福寺、
こちらが東大寺などなど。
一度も自分の足で歩いたことが無いから、方角がまるで判らない。
猿沢の池を一周して、春日大社へと歩を進める。
奈良公園内を案内標識に従って歩くと、
修学旅行の生徒さんと思しき人たちとすれ違う。
天然記念物の鹿が、二匹三匹、五匹七匹と群れを成して餌をついばんでいる。
修学旅行の学生が鹿に、キャーキャー云いながら餌をやっている。
観光客から餌を貰わない日はどうやって餌にありついているのだろう?
奈良市の観光課の人たちが時間と場所を決めて餌をやっているのだろうか?
そうでないとこれだけの鹿は飢え死にをするか、
観光客に襲い掛かってくるに違いない。
公園の森は金網で仕切られているし、
金網外の木は、幹に金網が巻いてあり、
鹿に食べられないようにしてある。

春日大社にやっとの思いで、到着する。

今年は遷宮の年に当たっているのか、新しい神社が真新しい姿を見せていた。
人はまばらなのに、おみくじやお守りを渡す場所には、
沢山の巫女さん姿のお姉さんが座っていた。
普段はきっと、沢山の参拝客があるのであろう。
帰り道の参道には、やたら鹿がうろついていた。
もう宿に還る時間なのだろうか?
奈良駅に帰る途中、東大寺はこちらと、案内標識があった。
東京に住んでいるボクたちは、
鎌倉は、観光バスで歩かず、徒歩が多いので、
鎌倉の大仏はどんな顔かたちをしているか、思い出せるが、
奈良の大仏は、観光バスで見て歩くので、
心行くまでじっくり眺めたことが無いから、
どんな顔かたちであったか思い出せない。

時間は自由、旅館に行くまでの時間は定められていない。
ここが観光バスでの見学と違うところ。
東大寺に歩くことにした。
距離はあまり無いと思われるが、
昼食をとった後、午後2時からずっと歩きっぱなし。

しかも、いつも散歩に出て歩くスピードと変わりないから、
相当な距離を歩いたに違いない。
東大寺に入る時、後20分もすれば、閉館するところだった。
国宝の大仏を見上げ、用意した賽銭を入れてお参りする。
大仏殿入り口の扉は、見上げるほど高く、
厚みは手でやっとその厚さを測れるほど。
敷居はボクのように短足では、跨ぐのにやっと。
大仏殿の中には修学旅行生で満杯であった。
引率の先生が大声を張り上げて、出口へと誘導しているが、
生徒は感動してなかなか動き出そうとしない。

時間が来て閉館になるので先生はあせっていた。
ボクたち夫婦はその後をゆっくり拝観して、

外へ出ると夕焼けがとても綺麗であった。
人力車の車夫が寒い中、勧誘してきたが、
「ありがとう」と返事をしただけで、
歩くことが好きなボクに牽かれて、
カミさんが疲れた顔をしながらついてきた。

奈良駅に着いたときは、薄暗くなっていた。
京都まで特急で35分。
慌てることは無い。
観光バスツアーではないのだから、
そう言い聞かせて電車に乗った。
コメント
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