ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

風疹の流行を受けて、成人の風疹ワクチンの接種の助成があります。(3月14日から)

2013-04-03 22:01:51 | 医療情報

都の勧告を受けて、成人に対する風疹のワクチンの助成が始まりました。

妊娠を希望する女性と(19歳以上)、妊娠中の女性の夫・パートナーの男性です。

区からお知らせは広報すぎなみの4月1日の11ページにあります。

条件はいろいろあるのですが、全額助成ですし、杉並区も頑張っているといえるのかもしれません。

本当は流行を止めるには、もう少し踏み込んだ助成があったらよいのですが。

すべての風疹になっていない人・接種歴のない人に助成があったら・・・と。

でも、予算も必要なことですし、難しいのでしょうね。

妊娠を考えたら、夫婦で接種というのが大事だと思います。

(女性は妊娠してないときに、そして二か月避妊を)

3月14日以降の領収書が有効ですので、ご注意を・・・

 

先日、「風疹流行を止めよう!東京会議」という講演会に出席しました。

懐かしい研修病院に・・・新しくきれいになっててびっくりでした。

去年流行した兵庫県の話の後半で会場に入り・・・

産婦人科の先生と内科の先生からの講義をしっかり聞きました。

大人の風疹がなぜ流行るのかは過去の風疹ワクチンの歴史と連動していて、この話はどこでも聞けますね。

なぜ、今流行なのかということはちょっと不思議で、もっと早く流行していてもおかしくなかったとは思うのですが、

免疫のない世代が海外や国内出張で大きな移動をするからだということなんですね。

今回の話の中にも中国やベトナムの海外出張のあとに発症した例が出されました。

そして、子どもの病気でなくなったのは、子どもは入学前にきちんと二回接種をすることがほとんどですが、

(就学時健診はこのことが特に重要視されます)

成人男性は一回も受けていない人も少なくないのです。

さらに、発症してもじんましん?あれるぎー?とか思って受診しない人、

受診しても診断のつかない人も多いとのこと。

これは医師の診断力の話でもありますが、無理もないことです。

風疹はずっと流行がなかったので、診たことない医師も特に若い世代では多いのです。

風疹麻疹は、すでに子どもの病気ではなくなっています。

数年前に麻疹が大流行したあと、予防接種の啓発が進んで、免疫獲得率が高いため流行しませんから。

そして、子どもの発症時は、流行しないように厳密に出席停止期間が決まっていて、これは厳守されます。

ところが、出勤停止期間はありません。

さらに言うと、就学時のチェックをする企業もないのです。

小学校、中学校、高校、大学、と入学時のチェックは厳しいのですが。

先週、駆け込み接種に来た高校三年生の話では保育系の学校でも予防接種のチェックは厳しくされたとのことでした。

この、就学時のチェックを厳しくする、接種漏れの人には企業が接種を勧める、

そういうことが流行を抑えていくことに繋がるという話がありました。

予防が一番結局効率がよくて、医療費も抑えられて、先天性風しん症候群を社会で減らすために大事だということを、

企業の経営者にわかってもらうことがポイントかもしれません。

出席停止と同じ就業停止の整備も必要なことですし、

リスクのある国に海外出張するときは予防接種をきちんと受けておくというのが最低限されるべきことと認識されればいいですね。

もちろん、自己防衛は大事。

ひだまりでも、お子さんの接種と一緒に夫婦で接種という方もいらっしゃいます。

これは、インフルエンザのときもでしたが。

 


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