矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

自分の基準としての、”診療の質”をいかに維持するか

2012-12-29 13:20:18 | 感染症関連
自分のprofessionalismに基づく診療の質は、精緻なhistory, physical examinations, 精緻なcharting/documentation は必須の項目です。基本はhistory and physicalexaminations, 鑑別診断の体系性、治療・プランはevidenceを基軸、という感じでしょうか。

20代後半から知識ゼロの状態で米国で臨床医学のABCを叩き込まれた私にとっては、潜在意識、無意識レベルで、米国内での診療スタイルが基軸となっていることはいうまでもありません。

Triangulation (検証)ですが、本物のプロフェッショナルとして、自身の診療の基軸を別のインフラ環境で活用できるかどうか、その実力の本質がずっと試されてきたと思っています。

帰国以来、"郷にいっては郷に従え””国内で承認されている抗菌薬の範囲内でBest available”な診療を提供する、ということに努めて来た8年間だったと思います。

カルテ記載は、米国環境では訴訟大国なため、徹底して教育されました。それは自身の病態生理や考え方を整理する点で非常に役立ったと思います。”書いていないことはやっていないこと”との徹底教育は、”Document in the chart." (カルテ記載しなさい)との繰り返し教育でした。

日付、時間、その時点の診断(working diagnosis or definitive diagnosis)、意思決定した理由・思考プロセスを明確に、そのイベントが起こった時点でなるべくその時間に記載するという習慣を身につけるように徹底教育されました。

一般に紙カルテの時代には、入院時や退院時の記録は”Dictation” という便利なサービスがあるので、慣れた人は10-20分ほどでも非常に精緻な記録を残すことができました。電子カルテはtypeしないといけないのでやはり時間がかかりますね。

今週は、"anti-CRP" "anti-biomarker"のメディアプロデュースの役割にて、”たたかれ役”ですが、自身が信じる診療の質の基軸は揺らぐことはありません。

プロフェッショナルとして、最優先することは、

患者の最善の利益 patient's best interest
患者の安全性 patient safety

これはどこでも共通ですね。

ここはいつも常に心に留めています。








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