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矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Microbe 2016 Day 2

2016-06-17 22:09:12 | 米国微生物学会 ICAAC
本日は、ID fellow's Dayというreviewのセッションに出ました。

Hepatitis Cに関して、治療法がどんどん変化するのでcatch upするのに大変です。リアルタイムでガイドラインなども更新されるようになっており、情報サイトなども教えていただきました。

特にC型肝炎にProtease inhibitor を使用するため、HIVとのco-infection ではintegrase inhibitorが主体のantiretroviral therapy (ART)になるなどの
臨床現場での必須事項について、いろいろスライドレクチャーがありました。

そのほか、Gram negativeの耐性菌の問題で、治療に関するreview,

午後は、Endocarditis 2016という「圧巻」のセッションに出ました。Endocarditis 50年の歴史として、Harvard大学などのこの領域の権威の先生方のレクチャは深い内容でした。

EndocarditisのCure (治癒)について、3つに分類されていたのがとても印象的で、初めての考え方でした。

1. 微生物学的な治癒 microbiological cure

2. 患者が満足する治癒

3. 循環器科の観点からの治癒ーー>治癒はしない。破壊された弁は元に戻らない、機能不全は戻らない、

ということでした。

抗菌薬による治療期間についても、2, 4, 6週間以上が主流のなかで、

1. 血流感染が解消するのは、4-48時間以内

2. 微生物の数が減るのが、4日目ぐらい

3. 体内の菌が完全に死滅するまでに2週間 ぐらい要する


という過去のリサーチデータに基づいたスライド(コメント)も大変、示唆に富んで勉強になりました。

またいつ心臓弁置換の外科手術をするのか、さまざまなRandomized studyが紹介されながら、best practiceについて考える機会になりました。個別化して考えざるを得ない、というのがひとつの結論ですが、難しい課題です。



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