矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

アニサキス急増!冷凍処理の法制化へ:感染症科医師も現場から声を!

2017-05-21 15:38:10 | 感染症関連
ニュースや新聞、主要メディアで、アニサキス急増が報道されています。

昨日の朝日新聞の夕刊でも、大きく取り上げられていました。当院にも、若い患者の”腹部の激痛”症例が毎年数例いらっしゃいます。

救急受診になり、ほかの疾患との鑑別がクリティカルで、大変です。

既往歴などがない患者では、食事歴で想定する疾患ですが、現場ではどのように対応しているのでしょうか。

私は当院の救急当直担当医師などが翌日、症例提示してくださるのを伺って、ほぼ診断されているのをいつも感心しております。

パブリックヘルスの観点から、日本でも、魚の冷凍を法制化する必要がありますね。

魚を冷凍しても味が変わらないことが、ランダム化試験されています。。

Clinical Infectious Diseases 2015

New England Journal of Medicineにも臨床写真があります。

反省 自分が teacher-centered teachingだった!

2017-05-21 08:38:31 | 医学教育
医学教育理論を学び、わかっているはずにもかかわらず、自分の教育スタイルがteacher-centered 教官中心になっていることを自覚して、がく然としました。

臨床現場で、限られた時間内に 患者さんから学ぶポイントをなるべく多く吸収してほしいと思い、質問を投げかけてディスカッションする形式を取っております。残念ながら、わかっていることですが、学習者は教官の期待通りには学ばないため、どうすべきか。試行錯誤が続きます。

教育ポイントが満載の症例で、質問を繰り返しますが、知識のベースが不足している場合、こちらの意図はスルーされて、身につかない。同じ質問を繰り返しますが、改善されないなどのチャレンジをいただきます。

結局は、成人学習者の場合、自分にとって必要なことを考えて、自分で好きなように好きな方法で、好きな量を学習することが知られています。そのため、教官=学習ファシリテーターの役割は、小さいのです。

ファシリテーターは、ロールモデルや方向性の提示 学習方法の助言 程度で、学習者の自発に任せるしかないですね。

国内の専門医制度は、これから、という時点ですが、ファシリテーターと学習者ともに、ゴールが見えないため、学習者もどこまでやれば専門医といえるのか、個人差が大きい印象です。

知識 スキル 態度の3つの側面につき、knows, knows how, shows how, doesの4つのレベルで評価する必要があります。広く普及しているこのMiller's pyramidと呼ばれる医学教育の基本モデルを国内現場で、制度に取り入れる必要があります。

ファシリテーターが少ないなかで、学習者もファシリテーターも奮闘します。。。

学習者への尊重と信頼が基本ですが、患者診療の安全確保が大きな課題です。

条件付き自律conditional independence と申しますが、臨床現場の意思決定の自由度を、知識レベル、 臨床推論力、現場対応力に応じて、自在に、個別化して対応しております。


決まった期間 and/or 時間帯で、臨床または教育に集中するようにタイムマネジメントします。