駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

古橋広之進さんと父

2009年08月03日 | 駄日記
古橋広之進さんが亡くなったというニュースは、新聞やTVなどで国民の誰もが知っていると思うけれど、その古橋さんのことをどれだけの人が知っているだろうか。
まあ「ニッポン水泳界の偉い人」ぐらいの認識だろう。
でも、新聞をよく読むと、100年に一人の天才スイマーだったことがよく分かった。
泳ぐたびに世界記録を塗り替えるという天才スイマーはいつの世にも存在するけど、ここ数十年間の常連のアメリカ人やオーストラリア人なんかでなく、我らが日本人だったんだって事に、驚きつつ誇りを持てる。
しかも、その出身は浜松市。
自分が静岡県人として生まれ、浜松近辺で育ったのでより身近に感じる。
さらに、5年前に死んだ父親の、高校の水泳部の先輩だったとのことで、昔話をよく聞いた。
親父が高校在学中に水泳部のキャプテンになり、古橋氏の厳しい指導を受けたという思い出話を、幼いオレは何十回も何百回も聞いて育った。
当時、スーパースターだったOBの古橋さんに対し、ガチガチに緊張したキャプテンだった父は「効率的な練習方法とは」みたいな質問をして、ただ一言「愚問をするな!」と怒鳴られたという逸話を幼いオレは忘れなかった。
これって、本当は恥かきばなしなんだと思う。
でも、親父は生き生きと自慢話として言っていたような気がする。
それだけ父は、古橋さんを尊敬し、アイドル化していたのだろう。
その話をする、父の笑顔を思い出す。
お酒を飲みながら思い出話をしている父。
誇りに満ちていた。

なので、今回のニュースを早朝に新聞で見て、自分は全然知らない方なのに非常にショックを受けた。
5年前に亡くなった父の代わりに、まだ古橋さんは活躍しておられることを、心のどこかに支えにしていたようなことに気付かされた。
そして、また親父が死んでしまったような、悲しい思いがこみ上げてきてしまったのである。
自分は、一度もお目にかかったこともないし、若い頃の父だって雲の上の人なんだからそう何度もお会いできたわけでもないだろう。
でも、なんだか非常に寂しい思いを感じるのである。
また、昭和が遠ざかっていきます。
ご冥福をお祈りします。
コメント
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