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Opened Zipper

スチームボーイ "STEAMBOY"

2006-05-12 00:00:01 | 映画
大友克洋のアニメ「スチームボーイ」を観ました。
大友克洋にハマったのは「童夢」あたりからで、遡って古い作品から手当たり次第に買い漁りましたが、最終的にはやはり「AKIRA」に止めを刺すって感じです。
原作のコミック版だけでなく、映画版もどっちもイイ。

そんな大友克洋の久々のアニメ映画だったんですが、趣向が好みから大きく外れてるっぽいので保留でした。
公開後の評判もイマイチだったし、どんなもんかなーと思ってたんですが、先日WOWOWで放映されたので録ってみました。


邦題:スチームボーイ (2003年日本)
原題:STEAMBOY
時間:126分
監督:大友克洋
声演:
 鈴木杏 (レイ)
 津嘉山正種 (エディ)
 中村嘉葎雄 (ロイド)
 小西真奈美(スカーレット)
 沢村一樹 (デイビッド)
 児玉清 (ロバート)
 寺島進 (アルフレッド)

■ストーリー

蒸気機関が普及し始めた19世紀中頃の英国が舞台。
祖父ロイドと父エディが発明家であるスチム家の少年レイは、工場の蒸気機関の整備の仕事をしつつ、小さな蒸気機関を使った乗り物を自分で作るなど、機械いじりを楽しんでいた。

ある日スチム家に、祖父ロイドから荷物が届く。
その直後にロイドとエディが研究に行っているアメリカのオハラ財団の男達が現れる。
荷物の中には金属製のボール状の機械が入っており、オハラ財団の者には渡さないようにというロイドからのメッセージが付いていた。
レイは金属ボールを持って逃げ、走行中の蒸気機関車に乗っていたロイドの知人の研究者達に一旦は救われる。
しかしすぐに追ってきたオハラ財団の男達に、金属ボールごと拉致されてしまう。

レイが連れてこられた建物の中には、研究中の事故によって変わり果てた姿になった父エディがいた。
エディは金属ボールが、高圧の蒸気を高密度で圧縮して封じ込めてある高エネルギー体「スチームボール」であることを説明。
スチームボール3個によって、その建物「スチーム城」を動かすことができるという。

エディの仕事を手伝うようになったレイだが、スチーム城内に囚われていた祖父ロイドと会って会話し、科学技術に対する父の考え方に疑問を抱くようになる。

■感想

なんつーか、素直に楽しい映画でした。
かなり楽しませてもらいました。

「AKIRA」のような毒々しさが無いのはちょっと残念ですが、英国の街並みなどの絵は綺麗だし、改造人間みたいな姿になったマッドサイエンティストな父ちゃんもイケてます。
スチーム城の「起動」ってのがあまりにも馬鹿馬鹿しくて失笑しつつも「すっげー」と楽しめました。
蒸気出まくり、機械グリグリ動きまくりなのがとても嬉し恥ずかし楽しい感じ。

かなり突拍子もない話で、ノスタルジックなファンタジーっちゅーかやっぱ「SF」かなぁ?
城に住むマッドサイエンディストはお約束だし、蒸気機関でこんなことやっちゃいますっていうアレは、紛れもなくセンス・オブ・ワンダーだから。

「父ちゃんがそーなっちゃった経緯」がよく分からんとか「オハラ財団の黒幕不在」とか「スカーレットの存在意義は?」とか「で結局何が言いたい?」といったツッコミどころは多々あるでしょうが、個人的にはそんなもんどーでも良い。
大友克洋がやりたかったことはつまり、マッドサイエンティストなサイボーグ・エディと同じく「スチーム城を起動した姿を世界に見せる」ってこと。
それが成功したんだから、もう何も言うことはないでしょう。
制作費24億円もかけた無駄遣い感も、それに拍車をかけてるのかも知れないけど、天晴れです。

こんなに金と時間をかけてクオリティ高めまくった超大作B級SFアニメなんて、もう二度と作られないんじゃなかろうか。
ってことで永久保存版にするためにDVD-Rに焼いておこう…うーん126分かー、ビットレート少し落とさんと1枚に収まらんぞ。


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