OZ.

Opened Zipper

小説「銀輪の覇者」(上)(下)

2011-05-20 00:00:01 | 折りたたみ自転車(MFWS-206F)
(2011年4月中旬)
東京→大分の移動時間のヒマつぶし用に本を買おうと書店に寄りました。
自転車雑誌を物色しましたが、読みたくなるものが無かったのでパスして、少し前に調べた自転車小説が置いてないかチェック。
「銀輪の覇者」「男たちは北へ」「セカンドウィンド」…タイトルは覚えてたけど出版社が分からなかったので、ネットで確認したところ最初の2つは早川文庫と判明。
早川文庫の棚を調べていると…あった、ありました「銀輪の覇者」(上)(下)が。
「男たちは北へ」は無かったけど、2冊あれば十分か。
という訳で購入し、移動時に読みました。

舞台は昭和9年、山口から青森まで1600kmを自転車で走る本州縦断「大日本サイクルレース」ですが、競技用ではなく業務用の自転車で走るという異色のレース。
賞金目当ての参加者達だけでなく、主催者も含め胡散臭い連中だらけ。
主人公は紙芝居屋の響木健吾、ロードレース経験者で元ヤクザとの繋がりがあったりと素性が知れない男。
妙に強いドイツナショナルチームやら、大会を妨害する帝都輪士会やら、沿道に出没する白装束のカルト教団やら、公安やら、軍部やら…と色々な組織と人物が登場してそれぞれの思惑が複雑に絡み合ったままレースが進んでいきます。

舞台とした時代が古いことや、実用自転車でレースをしているため、古臭いというかレトロというかレース自体もスピード感が無いんですが、ドラマとしてはそれなりに楽しめました。

ただ、個人的にはもうちょっと疾走感が欲しかった気がするな。
この小説に大して、ということではなくて、疾走感のある自転車小説が読みたい心境だったので。(自分が走れない体調だったから代償行為として)
なので次は疾走感のある自転車小説を探して読んでみるつもりです。