OZ.

Opened Zipper

リンダ リンダ リンダ

2006-07-31 23:59:59 | 映画
先日、朝から腰痛で動けなくなり会社を休みました。(前夜から予兆はあったんだけど)
昼過ぎまで寝てたらなんとか復活してきたので、病院へリハビリしに行くまでの間の時間、横になったまま映画を観ることに。
気分的に落ちてる状態だったので、アクションとかじゃなくユルいのをレコーダー内で探し、「リンダ リンダ リンダ」にしました。


題名:リンダ リンダ リンダ (2005年日本)
時間:114分
監督: 山下敦弘
出演:
 前田亜季 (ドラム:山田響子)
 香椎由宇 (ギター:恵)
 関根史織 (ベース:望)
 ペ・ドゥナ (ヴォーカル:ソン)
 三村恭代 (元ヴォーカル:凛子)
 湯川潮音 (元ギター:萠)
 甲本雅裕 (小山先生)
 小林且弥 (大江君)

■ストーリー

高校の軽音楽部に所属する女子5人でバンドを組み、最後の文化祭で演奏するために練習をしてきた。
しかし文化祭の直前、ギターの萠が体育の時間に指を骨折してしまう。
怒ったヴォーカルの凛子は文化祭への参加を止めると言い出す。
凛子と対立したキーボードの恵は、残ったメンバーのドラムの響子とベースの望と共に文化祭で演奏することにした。
部室で楽曲を探し、ジッタリン・ジンの曲を聴こうとしたとき、間違って入っていたブルーハーツの「リンダ リンダ」を聴く。
気に入ったメンバーはブルーハーツの曲を演奏することに決め、ギターを恵がやることにしたが、ヴォーカルが居ない。
ギターの萠はヴォーカルならできるが、彼女の声はブルーハーツに合わない。
悩む3人の前に現れた凛子に、響子がヴォーカルを頼もうとするが、反応が良くない。
凛子の態度が気に入らない恵は、その場に偶然通りかかった韓国人留学生のソンをヴォーカルに誘う。
日本語がよく分からずに適当に「ハイ」「ハイ」と返事をしたソンは、なりゆきからバンドに入ってブルーハーツの曲を唄うことになる。
このとき文化祭前日、バンドが演奏する最終日までは数日しか残されていなかった。

■感想

期待していた以上に良かったです、個人的には最高に良かった。
あんまり気に入ったんで、DVD-Rに焼いて保存版にしときました。

「スウィング・ガールズ」みたいな映画なのかなーと思ってたんだけど、全然方向性が違ってた。
コミカルな映画も大好きなんだけど、こういった淡々とした、じっくり浸み込んでくるようなゆるーい映画も良いなぁ。

自分がモロにブルーハーツ世代で、ブルーハーツが問答無用で大好きなのも大きいんですが、この映画の高校生達のフツーっぷりがとても良かった。
ストーリーも何があったって話じゃなく、「女子高生4人のある年の文化祭の思い出話」といった感じの淡々としたもの。
放課後の学校の雰囲気、部活、しょーもないことで気まずくなったりした友人関係、高校の文化祭の準備、徹夜、遅刻とか。
フツーなエピソードが積み重ねられて、文化祭最終日までの主人公達の数日間が描かれているだけ。
ただそれだけなんだけど、それとブルーハーツだけで映画として観られるものができるんだなぁと感心しつつ、楽しませてもらいました。
自分と同じような、ブルーハーツ世代で、高校の文化祭の頃のノスタルジックな思い出に浸るのが好きなオッサンにオススメできます。

主人公達も含め、登場人物達のキャラクターがハッキリしてて面白い。
その中でもやっぱりソンさんの素朴さが特に良かった。
日本語も満足にできない彼女が、映画の中で何度も何度もブルーハーツの曲を唄い、口ずさみ、次第に上手になっていくのが観ていて嬉しかったです。
何度も一緒に唄ってしまった。
クライマックスで演奏が始まるちょっと前のシーンで、自分的クライマックスに達してしまい、フライングで涙ぐんでしまいました。
おかしいな、あそこは演奏を聴いてから泣かせてもらうハズなんだが。

途中にイキナリ挿入されてきた恵の夢のシーンにはかなり脱力させられました。
何故ここにこんなネタで失笑させてもらう必要があったんだろうと思いつつも、面白かったから良いや。
「僕の右手」に絡めて、プレゼントも右手だったら良かったのになぁと思ったけど、大きい手が必要なのはやっぱ左手の方だからしょうがないか。
ピエールさんが出てきたのはローレライ繋がりなんだろうかと思いつつ。

指を怪我して文化祭に出られなくなったギターの女の子に何だか見覚えがあるなーと思ってました。
唄うところを聴いて判明、Music Clips #7に入れた「緑のアーチ」を唄ってた人だ。
高校の文化祭であんなの唄われた日にゃ、みんなド肝を抜かれるだろうなぁ。
恵が言ってたように、確かにあの声はブルーハーツじゃないやね。

ベースの望を演じてた女の子はBaseBallBearのベースだそうだけど、今まで音楽楽園で放送してたBaseBallBearの曲は好みから外れてて、全部消してしまってたんだった、追跡不可能。

甲本ヒロトの実弟の甲本雅裕が教師役で出てるのがちょっと嬉しかったなぁ。
彼らしい教師役で。
ぐだぐだ話してる途中で凛子に「行っていいですか?」と冷たく遮られ「おぅ行ってこい」とフツーに応えるシーンとか大好き。

個人的にはソンさんがやってた韓国文化紹介の中の「牛ダーツ」がちょっとツボでした。
恵がダーツを投げた後のソンさんの「カルビで~す」がナイス。

久々に魂を揺さぶられてしまったので、またブルーハーツを聴きなおしてます。
今聴いてるのは「Live All Sold Out」。
しまった、「僕の右手」が収録されてないぞ。