さ。この日は待ちに待った宝塚歌劇、星組公演の観劇日。
朝一から駆けつけて、朝ご飯したり、公演デザート頂いたりのその間に、予約しておいたんだ。
この日11時公演。終演は14時。なので、幕間にランチを行っちゃいましょうプロジェクト。
幕間時間は35分。この間に頂くので、幕間に入った時にはもうテーブルの上に、
オードブルもメインも、パンかライスのどちらかもデザートも、全て並べてある。
ただ、珈琲か紅茶かどちらかは、温かいのが頂ける。
しかし・・・。こんな時に何なんだけど、私の腹具合というのが、普段は底なしか!?って蓄積する。
かくかくしかじか、なかなか効かない薬との格闘。効いたのが1幕の終盤。
ヤバい。これはヤバい。幕間に入ったら御手洗争奪戦が始まる。もう・・・あかん。
演目は柳生忍法帖。そりゃ、1時間半で、あのお話が出来る筈が無い。
七本槍のそれぞれの個性が全く無いし。この際、3本槍位でも良かったのではないの?
けれど、原作本で迂闊にも、一番ラストでガツン!って心を掴まれた、あの十兵衛先生の台詞を聞きたい。
それがために冷や汗を流しながら・・・。確かにその台詞は有ったけど。待つんじゃなかった。
公演中、隣の娘っこと話せない。彼女もさっさと御手洗に行くはずだわ。
ランチ予約券を手に握らせて、お店前で集合だぞとテレパシーを送って。
あの台詞、その瞬間に通路のとこの席だったので、そのまま走った。
お尻の両ほっぺを緊張させて、中腰になりながら走ったよ。すっきりしてお店へ。娘っこ居ない。
まだかな~って、呑気にお店前で待つ。待つ・・・って、店の中から『早く!』って何で?
なんやおったんかいな。って、さ、食べようって思ったら、そこからの娘っこは御手洗へ。え!?
もうその頃には並んでるでしょう。お電話してもマナーになってるようで出ないし。
取り敢えず、写真を撮って待ってみよう。
娘っこの担当、『大劇場おすすめ公演ランチ』。こちらはオードブルで、
《白身魚のブランダード 和ハーブの風味 有頭海老を添えて》~瞳にうつる和ハーブの輝き~
ああ、娘役のトップが『舞空 瞳』だから、そんなサブタイトル的なものが??
ミルクで煮込んだ白身魚、海老佃煮のソースは斜めに。これは柳生十兵衛の眼帯に見立てているそうな。
ところで、冷や汗タラタラ時のテレパシーは伝わらなかった訳だが、長蛇の列からやっと帰って来た頃には、
もう食べ終えて出て行く方もいらっしゃった感じで。もう、黙食しよう。さっさと食べよう。
娘っこの悪い癖。観劇中だったり、映画を観ていたら、電車に乗ったら、車に乗ったら、
どういう訳か御手洗を欲するのだ。行けない・時間が無い・止められないって時にやってくる。
日帰りバスツアーのバスを止めて、トイレへ走った前歴がある。
但し、バスツアー時、娘っこが走るその後を、2名の方が追随して行った。お前等もか!?
この時間無い時に、剥かなあかん海老って嫌がらせか!?後から聞いた感想。
いやいや、私なら、殻付きで齧り付いたのだけどね。
メインは《ポークとチキンの和風ポトフ》~和の香りに真の礼賛を込めて~
礼賛!成程、星組トップが『礼 真琴』だからか?因みに礼賛は、素晴らしいもの、褒め称えるもの。
褒めらんない。ポトフと言ってもすっかり冷めてしまったもので、堅くて飲み込めないって。
かなり消費済の、元々35分間の幕間時間で、これは拷問だと顎の弱い娘っこは言う。
いや違う。時間配分を全く考えていなかったアホさ加減が、明るみになっただけ。
時間が無いから、もう味わうって言うより、飲み込めるかにかかってる感じの娘っこ。
私はね、例えば秋刀魚の塩焼きなんて何一つ残さず、頭も背骨も全て噛み砕く顎が有るわ。
それにしても、こっちの肉も堅かったよ。
私のは『レビューランチ』。オードブルがこれ。大急ぎでも美味しかったけどな~。
《サーモンのたたきと鴨スモークのスライス 茸マリネとサラダ》ってぇもの。
ほぼ生サーモンが嫌だって、だから娘っこはこっちじゃないランチを選んだわ。
このオードブルは咀嚼力は要らないし、柑橘系のドレッシングが爽やかで美味しいわ。
サーモンありがとう。貴方が私を、このお皿の許へ導いてくれたのね。
さあ、こちらがメインのお肉。
《牛ロース肉のシャリアピン風ステーキ 赤ワインソース》。
玉葱に漬け込んだ牛ロース肉を、赤ワインソースでシャリピオン風に仕上げました。との事。
はて、「シャリピアン」?。調べましたよ、なんでこう、難しく書くかな。
そしたら、玉葱云々は正解やん。何故「シャリアピンステーキ」って言い切らず、
「シャリアピン風」、「風」を入れる?そんなに自信がないのかしら。
あ。分かったかもしれない。説明によると「玉葱のみじん切りに肉を漬けて肉を柔らかく・・」って、
うん、そこだ!。柔らかくないから、なんちゃってシャリアピンなのかも。
もしかして、冷たいからか?幕間時間までにテーブルセッティング完了+お預け時間。
例え焼き立てであったとしても、冷めるでしょ。美味しいけどね、ただちょっぴり堅いだけ。
でも大丈夫。添えられた野菜部がと~っても美味しかったよ。
秋っぽい感じが素敵。折角こんな可愛い野菜部が出来るのに。も~ステーキだなんて
無理しなくっても良いのに。いっそ、薄切り肉とか、ちゃちゃ~っと炒めたりで良いやん。
あ。そうそう、予約時にパンかライスかを聞かれ、珈琲か紅茶を選びます。
デザート時にドリンクが運ばれてくる仕様なのだけど、メインに入る前に頂いたのは熱いから。
だって、このデザートに手を付ける頃には、もう、幕間ランチの方が誰も居ない。
お皿がどんどん下げられて、テーブルや椅子が消毒されていく。
デザートは《さつまいもタルト》。さつまいもをゴロっとのせたパイ生地のタルト。
そうか、そういう物だったのか。フォークでカットしようにもパイ生地部が切れん!。
ににに・・・2幕が始まってしまう~って、焦る。
ああ確かに。さつまいもがゴロっとどころか、ゴロゴロ入ってるわ。
「お早くお席にお着きください・・・。」って、館内アナウンス。
味わってるゆとりは全くない。けど、さつまいも!お口の中がワサワサするし、
最後は水やら珈琲で流し込んで、ちゃんと残さず完食しましたのこ。
劇場に入ったら真っ暗・・。見、見えません!!
係のお姉さんに足元を照らして頂きながら、何とか幕が上がる一瞬前に着席出来ました。
もう、二度と幕間ランチは止めにしよう。そう堅く誓ったあの日だった。
ご迷惑をお掛けしました。ごめんなさい。他のお客様の舌打ちが聞こえてきそうよ。
また、幕間以外の時間にゆっくり、お食事に行きますね。ご馳走様でした。
宝塚ホテルレストラン フェリエ
兵庫県宝塚市栄町1-1-57 宝塚大劇場内1F