依頼主さんとのやり取りもあり、随分と時間が経ってしまいましたが、オーダーナイフが完成しました。
バックカントリーボウイ12インチカスタム。
オーソドックスさを狙ったタクティカル.アウトドア.ワーキングナイフです。
〈ブレード〉
⚫6.5mm厚、310mm.SKD-11/酸化処理
前述の通りオーソドックスなボウイナイフです。
アメリカの南北戦争あたりでは、オーソドックスなスタイル、ブレード長。
現在でも少数ながらラインナップに揃えるメーカーもあり、それはベアナイフというハンティングナイフの部類に入ります。
この場合、獲物の解体ではなく、トドメを刺すという役割です。
〈ハンドル〉
⚫140mm長、ブラックリネンマイカルタ
ハンドル部分はシルエット的にはレギュラーモデル(今のところナイフショウモデルとして製作しているタイプ)と同じですが、ブレード長に対応するため、部分的に拡大したり、削り方を変更したりしました。
ハンドル前方のエグリは手の掛りを深くするのを狙っています。
〈シース〉
⚫カイデクッス/テックロック仕様
⚫スカウトキャリー設定
スカウトキャリーとは腰に水平装着するスタイルです。
シース本体に関しては、少し前に単独紹介しているので、詳しくは割愛させて頂きます。
〈あとがき〉
他メーカーでは、ベアナイフとして設定されているサイズのボウイナイフ。
ブレードが長大なため、オーソドックスなハンドルスタイルでも部分的に大型化して握り具合はもちろん、重量バランスも考えてあります。
サイズの割りに、軽く感じるとまではいきませんが、持ちやすいバランスになったのではないかと思います。
使ってみた感想ですが、S.O.F.とバックカントリーボウイの良い所を掛け合わせ、長大な一振りにまとめたようなナイフですね。握りやすく、操作しやすい点はS.O.F.の特徴ですが、その一方で、刀身が繰り出す勢いで刃が走り、勢いで叩き斬る特徴は、まさしくバックカントリーボウイのものです。
これだけ大きいので、手に取ると、ずっしりと重たいのですが、握った途端、その重みが腕全体に散らばり、一気に腕全体に一体化するので、重く感じなくなります。そして、振る際も、下手なナイフだと、軽いものを振るったところで、腕の力に頼ることになって非常に疲れるのですが、このナイフは刀身が走ってくれるので、そこまで疲れません。
扱っていて、実家にある日本刀を扱っているような、安心感と信頼性があります。
バックカントリーボウイ12 カスタムは、私のために生まれてきたナイフのようですね。ベアナイフという愛称も気に入りました。このベアちゃんを、私の相棒として今後も大切にしていきます。
気に入って頂けたようで何よりです。
小型ナイフからでも重量バランスは気にして製作していますが、長くなるほど重要かと考えています。
ブレード側に重心をかたよせていると、短時間なら気にならない負荷が、時間が経つにつれてストレスになってきます。
軽く感じるバランス、感じとって頂けて幸いです。