中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

24.25日は休載です

2014年09月23日 | 情報
24(水).25(木)日は、出張のため休載です。26日より再開します。
よろしくお願いします。
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ストレスチェック制度解釈⑤

2014年09月22日 | 情報
法第六十六条の十 
『4 .事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。』

以下条文の解説です。
○厚生労働省令で定めるところとは、「面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存する」等を検討しています。

○参考条文:労働安全衛生規則第51条  
事業者は、第43条(雇入れ時の健康診断)、第44条(定期健康診断)
若しくは第45条から第48条(特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、給食従業員の検便、歯科医師による健康診断)
までの健康診断
若しくは法第66条第4項 (健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)の規定による指示を受けて行った健康診断
又は法第66条の2(自発的健康診断の結果の提出)の自ら受けた健康診断の結果に基づき、健康診断個人票(様式第五号)を作成して、
これを5年間保存しなければならない

法第六十六条の十
『5 .事業者は、第三項の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、
厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。』

以下条文の解説です。
○厚生労働省令で定めるところとは、「医師からの意見聴取は、面接指導が行われた後、遅滞なく行わなければならない」等を検討しています。

○参考条文:法66条の4
事業者は、第六十六条第一項から第四項まで若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二の規定による健康診断の結果
(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、
当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、
医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。

なお、これ以上の情報を希望の場合は、先日ご案内したみどり研究所のセミナーにご参加いただくか、
セミナー・勉強会・研究会等において詳細を説明しますので、講師としてご依頼いただくようお願いします。
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ストレスチェック制度解釈④

2014年09月19日 | 情報
法第六十六条の十
『2. 事業者は、前項の規定により行う検査を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、
当該検査を行った医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。   
この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、
当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない。』

以下条文の解説です。
○検査を受けた労働者は、必ず結果を通知されます。
 会社は、結果が労働者に必ず通知されるような仕組みを作らなければなりません。

○結果を通知するのは、「当該検査を行った医師等」であり、事業主(会社)から通知されるのではありません。

○当該検査を行った医師等は、当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、検査結果を事業者に提供することはできません。
 従って、会社は、検査の準備等の段取りをしなければなりませんが、個々の労働者の検査結果を知ることができません。

○検査を受けた労働者が同意すれば、当該検査を行った医師等は、検査結果を事業者に提供することができます。

○「厚生労働省令で定めるところ」とは、「ストレスチェックを行った医師、保健師等からの結果の通知は、
検査が行われた後、遅滞なく行わなければならないこと」等を検討しています。

法第六十六条の十
『3 .事業者は、前項の規定による通知を受けた労働者であって、
心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものが
医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、
厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。 
この場合において、事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

以下条文の解説です。
○面接指導を申し出ることができる労働者は、検査の結果が「厚生労働省令で定める要件に該当する」ことが必要です。
 誰でも、面接指導を申し出ることはできません。

○面接指導を申し出ることは、該当する労働者の「任意」ですので、希望しなければ面接指導を申し出る必要はありません。

○事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由に、当該労働者に対し不利益な取扱いをすることはできません。
 「不利益な取扱い」とは、例えば、面接指導の申出の後に、当該申出があったことを理由として、解雇、減給、降格、
 不利益な配置の転換等がされた場合などが考えられます。具体的には、不適当と考えられる事例を指針等で示される予定です。

○面接指導ができるのは、産業医等の「医師」のみです。

○「面接指導」とは、問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要なな指導を行うもので、
 これに基づき必要な措置がとられます。具体的な実施方法などについては、今後省令で定められることになります。

○「厚生労働省令で定める要件」とは、「ストレスチェックの結果、高ストレスと評価された労働者であること」等を検討しています。

○「厚生労働省令で定めるところ」とは、「①労働者から申出があった後、遅滞なく面接指導を行わなければならない、
 ②労働者の勤務の状況等、面接指導において医師が確認すべき事項などについて定める」等を検討しています。

なお、これ以上の情報を希望の場合は、先日ご案内したみどり研究所のセミナーにご参加いただくか、
セミナー・勉強会・研究会等において詳細を説明しますので、講師としてご依頼いただくようお願いします。
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ストレスチェック制度解釈③

2014年09月18日 | 情報
いよいよ、三回目から具体的な法案の解釈を説明します。

2.条文:心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック制度)等 
法第六十六条の十 
『事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、
医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を 
把握するための検査を行わなければならない。』

以下条文の解説です。
○事業者は、心理的な負担の程度を把握するための検査、これが所謂ストレスチェック検査、を行わなければなりません。
 事業者にとって、新たな義務になりました。

○「厚生労働省令で定めるところ」とは、①ストレスチェックの実施頻度は、現行の一般健診と同様に、1年以内ごとの1回以上
 実施すること、②ストレスチェックの項目の考え方等を考えています。

○ただし、従業員50人未満の事業場については当分の間努力義務とします。

○検査を実施できるのは、「医師、保健師、厚生労働省令で定めるものとして、看護師、精神保健福祉士」に限定されています。
 人事労務担当など、誰でも良いというのではありません。
 なお、現在国会で継続審議となっている公認心理師法案が可決されれば、公認心理師も追加される予定です。

○ストレスチェックの実施者は、事業者からの依頼に基づき、該当事業所におけるストレスチェックの企画、
 及び結果の評価に関与しなければなりません。

○実際のストレスチェックは、実施者による問診形式ではなく、ストレスチェック項目を記したペーパーに
 受診する労働者が記入する方式を採用します。

○実施頻度は、1年以内に1回になる予定です。

○ストレスチェックの対象者は、一般健康診断と同じく、常時使用する労働者になる見込みです。

○派遣労働者については、これも一般健康診断と同じく、派遣元事業主において実施することになります。

○ストレスチェックの受診は、労働者の「任意」です。
 一般健康診断のような労働者の義務ではありません。
 従って、事業者は、労働者にストレスチェックの受診を強制することはできません。

なお、これ以上の情報を希望の場合は、先日ご案内したみどり研究所のセミナーにご参加いただくか、
セミナー・勉強会・研究会等において詳細を説明しますので、講師としてご依頼いただくようお願いします。

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ストレスチェック制度解釈②

2014年09月17日 | 情報
第二回は、「ストレスチェック」制度の導入の狙いです。
厚労省が、パンフレット等で広報している、ストレスチェック制度導入の目的は、
・一次予防を主な目的とする(労働者のメンタルヘルス不調の未然防止)
・労働者自身のストレスへの気付きを促す
・ストレスの原因となる職場環境の改善につなげる
ことであるとされています。

ここで問題となるのは、法案の審議過程で大きな動きがあったことです。
パンフレット等による広報で、第一の狙いが、
「・一次予防を主な目的とする(労働者のメンタルヘルス不調の未然防止)」となっていることです。
しかし、厚労省は、当初より「第二次予防」を目的としていました。
すなわち、メンタル不調者の早期発見です。

なぜでしょう。それは、国会における法案の審議過程で、参議院・衆議院の両院において、
「一次予防を主な目的とする」という付帯決議が決定されたからです。
厚労省は、「メンタルチェック」という言葉で成案にむけて作業を進めてきましたが、
現在は一次予防に適うように、「ストレスチェック」という言葉で統一されています。
そして、一次予防に適うストレスチェック項目の検討に入っています。

参考までに、両院の付帯決議を紹介します。

「ストレスチェック制度については、労働者個人が特定されずに職場ごとのストレスの状況を
事業者が把握し、職場環境の改善を図る仕組みを検討すること。
また、小規模事業場のメンタルヘルス対策について、産業保健活動総合支援事業による体制整備など必要な支援を行うこと。」
(参議院厚生労働委員会)
「ストレスチェック制度は、精神疾患の発見でなく、メンタルヘルス不調の未然防止を主たる目的とする位置づけであることを明確にし、
事業者及び労働者に誤解を招くことのないようにするとともに、ストレスチェック制度の実施に当たっては、
労働者の意向が十分に尊重されるよう、事業者が行う検査を受けないことを選んだ労働者が、
それを理由に不利益な取扱いを受けることのないようにすること。
また、検査項目については、その信頼性・妥当性を十分に検討し、検査の実施が職場の混乱や労働者の不利益を招くことがないようにすること。
ストレスチェック制度については、労働者個人が特定されずに職場ごとのストレスの状況を
事業者が把握し、職場環境の改善を図る仕組みを検討すること。
また、小規模事業場のメンタルヘルス対策について、産業保健活動総合支援事業による体制整備など必要な支援を行うこと。」
(衆議院厚生労働委員会)

厚労省では、現在法案の施行に向けて具体的な作業を進めていますが、
その中で、ストレスチェック項目等に関する専門検討会において、ストレスチェック制度の目的を、
「主に一次予防(本人のストレスへの気づきと職場環境の改善)とし、
副次的に二次予防(メンタルヘルス不調の早期発見)になり得るものと整理することが適当である。」としました。
今後、制度の施行までに、制度の目的がこの方向で決定される予定ですが、
制度の根幹をなす、制度の目的を奈辺にするのか、関係者間で「ぐらついて」いるようです。

なお、これ以上の情報を希望の場合は、先日ご案内したみどり研究所のセミナーにご参加いただくか、
セミナー・勉強会・研究会等において詳細を説明しますので、講師としてご依頼いただくようお願いします。




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